『彼』の物語
序章 『シンジ、襲来』
作 謎の嘘つきさん




 よお、クソッタレども!
 今日もみみっちく生きてるかい?
 オレは気分最悪だぜ…何でかって??

 あぁ、それがな、何か知らんがクソヒゲメガネのバカが恐れ多くもこのオレ様を呼びつけ腐りやがってよ…。
 別に来たくなかったんだが…。
 まぁ、いい機会だから殺してやろうと思ってわざわざオレ直々に出向いてやったのはいいが…。


 「ごめんなさい。待たせたわね、シンジ君。わたしは葛城ミサト…詳しいことは後で…さ、乗って!」

 「け、何だこのババア!誰がてめーごときのこぎたねー車に乗るかよ
 オレ様を乗せるんならせめてフェラーリでも持ってきやがれ!!
 大体何だそのカッコ!!
 もう三十路も間近だってのによ、恥ずかしくねーのかタァコ!」

 「な、なぁんですってぇ…このクソガキがぁ〜〜」

 「っせーんだよ!はあ!!!」


 ばきっ!


 「ぎゃああああああああああああ」


 オレの痛烈な一撃を受けてのた打ち回るミサト。
 ふん、今のは点穴を付いたからな。そりゃ痛いだろーよ。
 ぐきっとぐさっと行くあの瞬間。
 たまんねーぜ。ったくよ。これだから止められねーぜ、北斗○拳はよぉ!
 くっくっく。


 「ぎぃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

 「ひぃ〜ひぃ〜(ごろごろ)」


 ち…こいつが後五歳若けりゃずたぼろに犯し尽くしてやったのによ…。
 こんなババアじゃ立ちもしねーや。

 っと、何だ?
 急に復活しやがって。生意気な!


 「!!──く、来る!!」


 来る…?何がだよ。
 N2地雷…?


 「く、来るのよぉ〜。だ、ダメ…に、逃げなきゃ!!」

 「殺!!!」

 「ごぶぁは!!」

 「かああ!!
 てめーは日本語も喋れねーのかよ!?
 ああん?後ろ??後ろが何だ──な!!!?」


 オレが振り向いた瞬間、何かよく分からんがとりあえずやばそうな爆発の衝撃が襲い掛かってきた。
 当然オレはとっさに牛の体を盾にしてガードする。
 牛が断末魔の叫び声をあげている…。
 くくく、このオレの身代わりになって死ねるのだ。喜べ。


 「いやああああああああああああああ!!!!」






 しばらくしてから爆風が収まった。
 車はぺしゃんこだが、何故か牛は血を流しながらもそれでも生きている。

 その場にへたり込んでなにやらぶつぶつと…。

 あぁん?
 車のローンだぁ?知るかボケ!


 「黙れや!おらぁ!!」


 オレはぎゃーぎゃーこうるせー牛を張り倒して車を乗っ取った。
 何だ、その微妙に反抗的な目付きは!!?
 ふん、てめーじゃオレには勝てねーよ。

 オレは脳天に鬼拳をくれつつ叫ぶように言い放った。


 「いいか、よく聞けよ?
 オレの名は碇シンジ──孫○空よりもでたらめに強く!ドラえ○んよりも謎と神秘に満ち!ドモン=○ッシュよりも熱く、更には見ただけで世界中の女が発情して股を開くほどの超絶スーパー美少年!それがオレ!!よく覚えておくんだな!!くく…てめーもホントは濡れ濡れなんだろ?ああ??」

 「わ、わたしは発情なんてしてないわよ!?」


 力いっぱい否定する牛。
 既に怯えたウサギのような目だ。
 恐らくさっき永遠の世界に旅立ちかけたんだろうよ。

 そんな牛にオレは完璧すぎて輝きすら漏れてきそーな笑顔を向ける。
 牛はびくっとした。
 くく…てめーは調教のし甲斐がありそーだぜ。


 「そうか?…でなきゃてめーもう女としては終ってんよ!既にコウネンキショーガイが始まってんじゃねーのか、ああ??」


 全くぶれーな女…じゃねぇな。既に廃品同然の豚だぜ!
 こんなのを野放しにしてるとは…この街は相当イカレてやがるぜ。


 「ち…まぁ、いい。じきにこのオレ様の偉大さを知らしめてやんよ!
 ぎゃーはっはっはっはっは!!!」

 「そ、そんな…(わ、わたしたち…何てモノを呼び出してしまったの…?)」

 「ああん!??」

 「ひ…な、何でもないですぅ…(滝汗)」

 「けっ」


 まぁいい。
 とりあえずこいつはもうオレに逆らえねーな。
 くっくっく。
 待ってろよ、クソヒゲめがね!
 暇つぶしのらくらく三分クッキングでひき肉にしてやるぜ!!!

 オレは変な怪獣の蹂躙する町に向けて高らかに哄笑をあげた。
 蜃気楼のように浮かび上がった青い髪の女がちょっとびびる。

 くっくっく。まさに向かうところ敵なし!
 さぁて…明日からこの町の連中に自分のご主人様が誰だかしっかり教えてやらにゃならんな。


 「くくくくく…ぎぃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」


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後書き by 謎の嘘つきさん

読んだの?
そう…残念。
あなたはもうこっち側の人なのね…。
くすくすくす。
あ、ぴろ。
ねこーねこー。