08年4月12〜18日
 山岳スキーヤーの憧れ"Haute Route"(直訳するとHigh Road)。直前の予報でも1週間悪天候の予測だったけれども、我が想いが天に通じたか、何とか最終予定地のZermattまで山旅をこなせた事を神に感謝する。又、Mont Blanc4808・Matterhorn4478も臨めたし、Rosablanche3336・Pigne d'Arolla3796にも登頂出来た。今回のチーム構成は若者が多く2〜30代の米人・仏人のパワーに引っ張られてなんとか終着へ辿り着いた感じだ。高度不順応と天候に悩まされた前半。そして後半は厳冬期並みの低温コンディションで晴れたりガスったり、目まぐるしい天候変化の中、真青な空・素晴らしい雪質にめぐり会えた。ガイド及び米人・仏人の参加メンバーにも感謝申し上げる。

【山域】     European Alps
【コース概要】 Chamonix - Champex - Verbier - Rosablanche - Pigne d'Arolla - Zermatt
【メンバー】  Ume Hira Iwase Monta + (米・仏人男6名女1名 + 日本人1名 + ガイド仏人2名)
【報告者】   Monta
【日程】     08年4月12-18日(土〜金)
【装備】  アトミックC6-18 160cm・ディアミールEXP・ガルモントアドレナリン
       シール・クトー・ハーネス・ビーコン・スコップ・ゾンデ・ピッケル
       アイゼン・テルモス・ゴーグル・ヘッドランプ

【気象】  13日 快晴 無風 -5℃  14日 濃霧 -10℃〜0℃  15日 曇 -15℃
       16〜18日 晴れ・曇り・ガス -10℃ 〜‐18℃  

【時刻】 12日 ガイドオフィス18:30-19:00 Meeting

     13日 Grands Montetsゴンドラ乗場08:00集合(But 私的アクシデント有り09:30着)
        9:30ゴンドラ‐10:50頂上直下(3233m)‐11:20(2610m)−12:00Argentiere小屋(2771m)
        13:05‐16:10(Col du Tour Noir 3535に届かず3440m)‐16:30Argentiere小屋(2771m)

     14日 8:00Argentiere小屋(2771m)−9:10Grands Montets中間駅(1970m)9:40−9:50Grands
        Montetsゴンドラ乗場(1200m)‐車で移動11:30Champex(Hotel泊1470m) ビーコン訓練1.5h

     15日 8:00Champex‐タクシーで移動‐8:40Verbierゴンドラ乗場(820m)‐9:20リフト頂上(2460m)
        ‐9:30リフト下部(2230m)9:50−10:50Col de la Chaux(2940m)‐12:10Col de Momin
        (3060m)‐13:20Rosablanche(3336m)14:10‐14:40Prafleuri小屋(2662m)

     16日 6:05Prafleuri小屋(2662m)‐7:00Col de Roux(2804m)7:20‐8:30Lac Dix湖尻
        (2250m)8:50‐10:25(2630m)‐11:25Dix小屋(2928m)
        13:50Dix小屋(2928m)‐15:20Col de Cheilon稜線(3380m)‐15:55Dix小屋(2928m)

     17日 6:50Dix小屋‐(2860m)7:10−8:10(2875m)−10:30(3630m)‐11:15Pigne d'Arolla
        (3796m)11:35‐12:10Vignettes小屋(3194m)

     18日 6:45Vignettes小屋(3194m)‐7:00(3035m)7:15‐8:25Col de L'Veque(3392m)8:50‐
        9:15(2865m)9:30‐10:50Col du Mont Brule(3240m)11:00‐11:10(3095m)11:20‐
        13:15Col de Valpelline(3565m)13:45‐15:45Ski終了(1661m)‐16:05Zermat
        17:00解散(Chamonix還り、自宅からお迎え、Zermatt泊、イタリアへと別れる)

【写真】   http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=20815&key=2108053&m=0
        http://www.youtube.com/v/JNX70JLIz28

[To be contineued ]      Detailed report will come soon.

08年3月21日
山域】 上越線沿線 谷川岳
【コース概要】土合−天神平−谷川岳トマの耳−万太郎谷−一の倉岳−芝倉沢−土合
【メンバー】 Monta
【報告者】  Monta
【日程】   08年3月22日(土)
【装備】   アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモントアドレナリン

【気象】   晴れ   

タイム    土合駅06:10-06:40ロープウェイ−07:20天神平−09:30トマの耳09:50−
       10:50(1650m)−12:30一の倉岳12:50−13:20(1150m)−14:30土合橋
       −14:40土合駅

 21日金曜日、横浜を20:40発。赤城高原SAで約50分時間調整し、水上INを0時2分に通過。一路土合駅へ。駅ではもう十数人が、シュラフ姿やテント内でご就寝の様子。車は我車で3台目。ロープウェイは07時始発なので、久々にゆっくり眠る事が出来そうだ。

 22日は、05:30起床で支度を急ぎ、朝食の後06:10に駅を出発。土合口駅までは約30分の道程だ。駅にはもう数十人が待機中。切符の発売を待っているのだが行列も出来ず、気が着いた時は始発に乗り遅れていた。始発でトマの耳一番乗りを目差していたのだが・・・。天神平からはシール登行。1441m付近の一部下りは、完全にスキー下降は出来ない。ザイルで懸垂下降したい位の状態だ。此処からはツボ足で登行する。途中でアイゼンのお世話になる。7番の到着になったが、シールで完登は1名。他はツボ足またはアイゼンだ。

 登行途中に、万太郎谷は滝が露出して懸垂下降と聞いていたので、1300mあたりから登り返しの予定にしている。滑降は肩の小屋直下を目差していくも、雪はクラストのあんこ状態だ。表面10cmくらいが割れてくる。一人では転倒も避けたいので、思い切った滑降も出来ない。この西斜面は手ごわい。昔「悪雪のパンチョ」なんて人がいたが、技術上達の練習以外でこの状態を滑るのはマゾヒストと言えるのではないか。予定よりはるか上部でリタイア。一の倉岳へ向け登り返す。急斜面の登りはシールにする。ツボ足では腰まで潜り、前進が不可能だがシール登行も困難。そのうちに斜度が緩み快適な登行になるが、一の倉下部の鞍部が近くなるにつれ斜め登行が流され、クトーを使用することになった。一の倉への最後の急登はアイゼンだが、時々腰まで潜る雪に難儀する。

 一の倉は風が強い。長居は無用でさっさと芝倉沢へドロップする。出だしはカリカリの硬い斜面、途中は片栗粉に近いが、まあまあ楽しめる雪で下部はザラメになる直前の湿雪という感じだ。標高差820mを丸ごと楽しめた。途中では、デジカメで自分撮りを試してみた。今まで考えもしなかったが、左手を思い切り伸ばしてセルフ撮影を試してみると思いのほか、背景もよく映っていた。斜面はあちらこちら雪崩の跡があるが滑降するコースには影響が無く最高の斜面が続く。しかし、1150mのネックは巨大なデブリで埋め尽くされていて、標高差で約150mくらいはスキーを担いで降りた。その後は、約5000mの距離で標高差250mの延々たる緩斜面が続く。ひたすら1時間の推進滑降が続く。たどり着いた土合駅には車が約30台くらい駐車されていた。

写真 http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=20815&key=2093416&m=0

08年3月1日
【山域】 北信/頸城 乙妻山
【コース概要】大橋−佐渡山南コル−北東斜面−戻り
【メンバー】 Ume Monta
【報告者】  Monta
【日程】   08年3月1日(土)
【装備】   アトミックC6-18 160cm,ディアミールEXP,ガルモントアドレナリン
       ダイナフィット 170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
【気象】 雪(50cm?) 時々強風 −9℃〜−3℃

コースタイム 大橋(1130)6:05−佐渡山南コル(1580)8:20−北東斜面出会(1400)10:20−
       (2020m)13:45−北東出会14:50−佐渡山コル18:40−大橋19:50

 金曜、神奈川大井町出発19:45、買出し後大橋着24:00、宴会後就寝1:30。メニュー
は琥珀エビス+スペイン産ワイン、鮭とば・おでん・チーズ。金曜夜大橋には我々の他に車は1台のみ。星空が美しい。朝の天気予報では土曜は晴れだが、どうも急変で天候はくずれるらしい。

 5:10起床。天候は雪、気温−5℃、弱風。6:05スタートからくるぶし上のラッセル。佐渡山コルへの登りに切れ切れにかすかなトレースが時々見える。高妻乙妻コルからの東面沢の出会いまでは順調。此処からはラッセルは膝下で、林道は急斜面に一体化して最適ルートを取るのが難しい。北東斜面出会からもラッセルは続くが交代する後続チームは無い。視界は約100m位か。降雪は続くし時々突風が吹く。1700mあたりからはラッセルは股付近に。風の故か、今日も寒い。中着に薄いフリースを着込んだ。目印になる潅木も時々見えなくなる。せめて70〜80m先位に目印が無いと登りが不安定だ。相棒のシール不調により、2020mで撤退を決定。

 湿雪の深雪、本州人はこれもパウダーと呼ぶのだろうか。視界不良の中、斜度も判らず、平衡感覚も良く取れず、まあこんなものかと滑り出す。降雪の深雪なのにゴーグルも持って来なかったのは失敗だ。メガネには粒の雪が貼り付くし、近視のメガネをはずした方が視界は良いのだが、滑り出すと睫毛に雪が貼り付き見えなくなる。せめて物好きに写真を取ろうとしたら、パワースイッチが作動しない。デジカメはあまり冷やすと作動しなくなるのを忘れていた。それでも1700m位までは何とか楽しめ?たが、その下から斜度が落ちると、下りを漕いで降りて行く事になった。最後は効率よく降りる為に登りのトレースを捜すが、かすかに見えたり消えたりになっている。かなりの降雪量だ。

 北東斜面出会いからは、トレースはほとんど見えず、膝下辺りのラッセルが延々と続く。「帰りは朝のトレースで楽チン」の期待は消え、ラッセル訓練の様相になる。相棒のシールはガムテープで何とかだまして歩行。ここから佐渡山のコルまで4時間を要した。コルはるか手前で18:20あたりからヘッドランプのお世話になる。コルからの下りは、降雪のおかげでヘッドランプをつけても雪が映えるだけで尾根か沢かも先が見えない。方角だけが頼り。かろうじてコルでテンパッていたパーティの登りトレースが、時々見えるので何とかたどり着けたのかも。雪は湿雪で、滑降トレースは幅40cm位で深さも40cmくらいの溝になっている。林道へ出てもスキーは滑らず、林道だけで30分を要した。大橋19:50着。まあこんな事もあるわいな。コル以遠は我々2名以外いなかったようだ。

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08年1月26日
【山域】    乗鞍御嶽 乗鞍 四つ岳
【コース概要】 平湯キャンプ場1310m−四つ岳2744m
【メンバー】  Ume Monta
【報告者】   Monta
【日程】    08年1月26日(土)
【装備】    ダイナフィット 170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
        アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモントアドレナリン
【気象】    晴れ 後 ガス+強風 小雪
【タイム】   CAMP場05:20−07:35(渡渉点1590m)08:10−1841m09:20−2289m11:00−12:20(2700m)12:45−森
林限界13:15−14:30(渡渉点)14:55−CAMP15:30
       
 今年の初滑りは年末年始だったが、歩行は今期初となる。気楽に歩行訓練のつもりで出掛けた。今週来週の2回連続山行で今期の体力調整だ。横浜19:30−大井町20:15−平湯CAMP場24:00。車中宴会後25:30就寝。
 起床は04:30、ぐずる身体を何とか起こし出発準備。05:20今日もなれないコースでルートは不安だがヘッドランプで地図と首っ引きでスタート。渡渉点までのラッセルは結構深くて腰近くこたえたがノートラックの満足感有り。途中単独行に追いついかれてラッセルを期待したが、大崩山へ向うとかで、ラッセルは肩透かし。渡渉点以降はラッセルも浅く快適に登るも、早くもばて気味。1800m当たりで8名組・3名組に抜かれる。最近抜かれる事は少ないがまあいいか。結局頂上直下まで13名団子状態で登ることになる。2550mあたりでアイゼンの人とクトーの人に分かれる。頂上直下の狭いアイスバーンのコルで登行中止とする。頂上へ行かないのは我々2名のみ。寒さにも耐えがたい。
 下りはシュート上の快適バーンだが、ホワイトアウトで平衡感覚取れず立ちゴケしそうで、超スロー滑降。おまけに這い松の穴にスキートップを取られ転倒、膝がメキメキ言ったが、やっとビンディング解放有り。軽い捻挫で済んだ(帰宅後はかなり痛い。来週の山行は中止だ。)。シュート下部はパック気味だが快適。森林に入って重いながらも、きっと本州の人はパウダーと言いたいのだろうと思う雪。あと1m積もれば余計な起伏がなだらかに埋まると予測する。コースを外れない様に気を使ったので豪快にとはいかない。
 今回は温度計を持っていないので気温の記録は無いが平湯スキー場で最低−15度、最高−7度だ。よって出発時が−15度、頂上直下シュート付近が−25度風速10mと推定。途中2000m当たりで急に指がしびれ、あわてて手袋アウターを嵌めるがなかなか感覚が戻らず、結構あせった。指を口にくわえて、やっと復旧。頂上直下でインナーにフリースを着ようと思ったが、強風で寒く上着を脱げなかった。滑降時水が凍って飲めなかった。左耳は帰宅後に気付いたが、水ぶくれ状で立派な凍傷になった。

教訓1)着込むのも早めの判断必要。
教訓2)CAP状の帽子の耳当ては、強風では風が入る。
教訓3)大げさでも、水分は、保温の必要有り。
教訓4)ビンディング強度調整は必要。
今更ながら、強風・低温・荒天などの時に基本を怠ってはならない。
 
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07年12月31日−08年1月2日

【山域】     北海道 ニセコ連山
【コース概要】 大沢 北斜面
【メンバー】  Ume Hira Monta
【報告者】   Monta
【日程】    07年12月30-08年1月2日
【装備】    サロモンvease 8 160cm サロモンげれ用金具 ガルモントアドレナリン
【気象】    29雨? 30日夜から毎晩20cm程の積雪
【出奔ゲート】  ローカルルールにより、毎日8:00-14:00 OPEN なだれ情報掲示有り 

   青森−函館のフェリーは様変わりした。便数は半分以下で、今まで予約無しで十分乗れたフェリーが、数日前の予約状況では、登り下りとも全便満車だ。新しい高速船は料金が高い事もあって予約が取れた。出発の1日前に在来船のキャンセル待ちが取れたので一安心か。横浜−青森は、のんびり走っても8時間だ。フェリー乗車時間は3時間45分、貴重な睡眠時間だ。函館−ニセコは約3時間。片道950kmの行程だ。
 深雪の楽しみは格別だ。「山スキーは自分の足で稼いだ標高を滑走するのを旨とする。」とは言うものの、CMHしかり、キャットスキーしかり、ニセコしかり。深雪を数多く滑りたいのを拒否するのも、山スキーにあらずと言う気がする。ニセコでは新谷氏のご尽力により「ニセコローカルルール」をもって、オフピステに入る事が定着した。1日2日に、アンヌプリのゲートで監視とご案内をされていた方が新谷氏だったのですね。
 ニセコの雪は29日の雨で、29日層が出来たのですが、その後降雪も風が緩やかだった故か、ゲートはオープンでした。ゲートでの会話(状況の説明)は、ただ滑れれば良いと云う人にも雪の状況・雪崩の原理をそれとなく教育出来ている感じがします。他のスキー場で期待するのは無理でしょうが、ニセコが巧く動き出したのは、紛れもない事実でしょう。おかげで31・1・2とも深雪を楽しめました。

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