10年4月29日〜5月1日
 先日の飲み会で、久し振りの剱の声が出たので、剱岳直下大脱走ルンゼからピ
ークを計画した。20日前と云う登山届提出期限の当日夜に届を出した。今年のGW
は29日午後から晴れとの予報で期待した。下界は晴れらしいが剱は雪が降り、
20m強の風という状態で3日目の昼前からやっと晴れ間が出た。気温差は数時間
で20度以上となった。

【山域】 北ア主脈 剱岳周辺・立山
【コース概要】初日  扇沢−室堂−剱御前小屋
      2日目 御前小屋−平蔵谷出合−平蔵コル−平蔵谷−剣山荘
      3日目 剣山荘−御前小屋−雷鳥沢−野営場−一の越−御山谷−ダム
【メンバー】 Ume Hira Monta
【報告者】  Monta
【日程】   2010年4月29(木)〜5月1日(土)
【装備】   ダイナフィット170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
       アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
       シール・クトー・アイゼン・ピッケル・ザイル・ツエルト・エスビット
【気象】  雪・ガス 強風  29日・30日:-7〜-12度 1日:-10〜+10度
【タイム】  扇沢(1420)07:30−09:30室堂(2410)10:00−11:00野営場(2280)−
       雷鳥沢−13:00御前小屋(2760)

       御前小屋(2760)05:50−06:10平蔵谷出合(2150)06:25−09:55
       平蔵コル(2850)10:25−11:00平蔵谷出合(2150)11:30−12:50
       剣山荘(2475)
     
       剣山荘(2475)06:20−07:40御前小屋(2760)08:25−雷鳥沢−08:25
       野営場(2280)09:05−10:40一の越(2705)10:50−11:50湖畔(1450)
       −12:02雪崩現場12:55−14:05黒部湖駅(1445)

       累積登行:4162m 累積滑降:5110m 累積沿面距離33.5Km(室堂から黒部ダム)

 28日仕事後に相棒二人を拾い、買い出し後20時、一路扇沢駐車場へ。前夜祭
はいつものホテル・マイカーで、エビス・キャンティ・純米にチーズ・自家製蕗味噌で
盛り上がり、翌朝は二日酔い気味だ。朝食はU奥さんの差し入れサンドウィッチ。 

 29日天候は曇り。扇沢駅始発は7時30分。早めに列に並び、平社員と名乗る駅
員さんの漫談というか講釈というか、待ち時間も苦にならず、笑いの渦が巻いてい
た。トロリーバスで黒部湖、ケーブルカー(動力が下でカー?)で黒部平、ここで雪
が降り始めた。ロープウェー(動力が上)で大観峰、トロリーバスで室堂に着いたの
が、9時15分。強風と視界10m程度で、午後の晴れを待つ事にしたが、所在なさ
から、思い切って御前小屋へ向かうことにした。夏道どおりに野営場までたどり、
上りは、シールで雷鳥沢左の尾根を上がる。2600mでアイゼンに履き替えた。時
折耐風姿勢が必要だった。
 御前小屋は約10人の宿泊客だ。前日も今日も停滞の山屋さんもいる。天気予報
は好天なので今回は停滞用の読み物は持参していない。夕食前の3時間を飲んで
過ごす。夕食は5時、内容も不満無し。夕食後も飲んで過ごす。明日は小屋の朝食
より早く発つ予定なので、おにぎりを作って貰った。

 30日は目的の大脱走ルンゼへ向け、5時50分の出発。天気が良くなる筈?雪の
締まった内に登りたい。剣沢滑走は締まった雪の上に湿った片栗粉をまぶした感じ。
それなりの快適さ。剱沢小屋が埋まって見える。出会いに着いた頃晴れ間が覗く。
平蔵谷は真中がデブリに降雪。左寄りをシール+クトーで(コルまで)登る。期待の
青空は出ず、2650m辺りの大脱走ルンゼ入口のローソク岩は霞んでかろうじて見
える程度。ルンゼの様子も判らないので、行き先を平蔵コルに変更。谷は下部は弱
風、上部は強風。滑走斜面はパック雪、視界不良で上下感覚が判らない。2500m
から下はデブリで滑走可能面が狭くなる。
 出会いから剱山荘へは直登。小屋では雪面から玄関へ下りる階段の整備中だった。
本日は登行下降で他のパーティには合わなかった。小屋の宿泊客は我々のみだ。
飲む・夕食・飲む。夕食に不満無し。7時頃就寝。夜中は30m超の風が吹き荒れて
いる様な音がした。

 1日起床後、食堂で余り気味の行動食を朝食代わりに摂る。外は相変わらずの
低温(-10度)・ガス・強風だ。御前小屋までは赤旗有り。小屋で暫し休憩する。玄関
の人出では宿泊は数十人に増えていそうだ。小屋直下から雷鳥沢を滑走。昨日ま
で右足に体重が乗らなかったが、本日は快調。コーンスノーの上に20cm程度の
新雪と言う状況だ。途中から青空が覗く。野営場まで降りると気温は+10度。
 一の越までの登りはシャツ姿で登る。コルは室堂方面からの人と合わせスキー
ヤー・山屋で混雑模様。標高差1300mの広大な斜面はパック気味だが快適で先
を急ぎたくなる。さすがに1700m辺りからは、重い湿雪に変わってきた。
 黒部湖出会いからスキーを担ぎ、一路黒部湖駅へ。出合直後の地図上の沢から
150m位先で、雪崩事故に遭遇。ブロック雪崩で10名パーティーの後部2名が巻き
込まれた模様。夏道から下へ降りると掘り出しの最中。Uはスコップで救援。Mは行
きがかり上、携帯で県警連絡。掘り出された御二人目は、もう血の気が無かった。
県警2名は素早く到着(一の越から?)した。間もなくヘリも到着したので岐路につ
かせていただく。 

写真:


10年3月19日
 北安曇に住んでいれば、町へ出る度に安曇野を通る。その度に常念の秀麗な
姿は目に焼き付いて、忘れる事が出来ない。後立山の風貌とはまた違う。常念の
北東斜面は長年のあこがれだ。憧れの君となか好くしたいものだ。土日は大荒れ
との予報だから金曜日しか無いだろう。木曜日は降雪が有ったようだ。 

【山域】       北ア常念/常念岳
【コース概要】烏川緑地970−常念登山口1320−二股1850−尾根−常念岳2857
【メンバー】  Monta
【報告者】   Monta
【日程】    10年3月19日(金)
【装備】    ダイナフィット170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
        アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
【気象】      曇 晴 曇 +0〜+7℃
【タイム予定】烏川緑地5:20−10:30二股−13:30常念岳−16:00烏川緑地
        登行1880m
【タイム実際】烏川緑地(970)5:20−7:15登山口・周辺(1370)9:00−09:55烏川緑地            
             
 横浜は20時半の出発になった。買出し後に烏川駐車場に着いたのは24時あた
りか。一人宴会の後に就寝は25時。前夜の雪は朝には止んだ。

 烏川の駐車場から先は車両通行止めだ。長丁場を覚悟して雪の駐車場を発つ。
しばらくは快適なシール登行だが、すぐに雪はとごれとぎれになり、大きく北へ向か
う辺りからやっと雪がつながった。積雪は多くても15cm位。処に寄り沢筋からの
雪崩か1mから2mの積雪を乗り越して行く。雪の状態はすこぶる良い。

 無人の登山口1320mから、橋を渡り夏道沿いに登行を始める。地図では判らな
いが沢が数本に分かれ、右は急斜面で夏道は判別出来ない。うるさい小灌木に閉
口し、他に夏道が有るのでは無いかと捜しまわるがギブアップ。登れない所は滑れ
ない。帰宅後に冷静に検証して見れば標高1500mまで我慢して突破すれば、快
適な緩斜面になったようだ。

 本日は偵察の日と諦めて、速効で一路横浜へ。平日の5・10日に当たるのか、
16号線の渋滞に閉口しながら14時帰宅。一般的には敗退と言うのでしょう。まあ、
よく有る事では有るが。散歩の割には、ひざ裏の外側の筋が疲れている。次回は
強硬突破でピークまで、多分。

写真無し:


10年3月7日
 横浜には3月4日に春が来た。気温ではない。湿度でも、風でもなく、春の光と
香りがした。曇っていても春の光だ。そして5日は5月並の陽気で20度を超えた
所もあった。その翌日に冷え込む雨模様で山に行く人は、あまり居ないだろうなあ。
高妻沢を滑ろう。多雪の今年は沢が埋まって快適だろう。条件次第では2297峰
の東尾根の北側の沢(とりあえず高妻沢右股と呼ばせていただく)にエスケープする。

【山域】      黒姫/戸隠 高妻・乙妻2297峰
【コース概要】  大橋1140−佐渡山コル1580−2297峰
【メンバー】   Ume Monta
【報告者】    Monta
【日程】     10年3月6日(土)
【装備】     ダイナフィット170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
          アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
【気象】     小雨 時々曇 +5〜+7〜+3 ℃
【タイム】 大橋(1140)07:40−09:20佐渡山コル(1580)−09:35右股出会(1420)09:45
      −11:50(1850)12:20-13:50(2297峰)14:10-14:35右股出会(1420)15:00
      −15:45佐渡山コル(1580)16:00-16:25大橋(1140)
      登行合計 1480m(440+880+160)

 大井町を金曜19時20分スタート、信濃町IC22時50分。買出し後、エビスとキャ
ンティワインで宴会。翌6日朝は雨。6時30分、気分が乗らなく遅い起床。朝食準
備中も気が乗っていない。ラッセルは無いだろうから、遅めの出発でも何とかなる。
行ってみるか。記録的に遅いスタートになった。目標はエスケープ右股とする。

 出発時は止んだ雨もすぐに降り出す。雨か霧の水滴か判別出来ない程度の小降
り。前週のトレース?はわずかに残っている。雪は典型的なザラメ雪で登りは楽だ。
これなら滑走も春スキーと思えば快適に滑られると考えた。高妻沢出会いからすぐ
に右に分かれる右股は、狭い渓谷が雪で埋まって広い沢となっている。1600mで
巨大なデブリが出て、尾根に上がった。雪は緩んで湿り雪となり少し下の固めの雪
まで足元が崩れるのでクトーのお世話になる。キックステップ風の登行で進む。

 1850mで大斜面に出る。。雪は相変わらず崩れる湿雪だ。2297峰へ登っても
高妻も乙妻も見えない。稜線は微風だが+7度のせいか寒くない。滑り出しは深い
湿雪に手こずるが、徐々に快適(笑い)になって、視界の悪い中でも写真を撮り合っ
た。微かに妙高が顔を出して祝福してくれる。登りでエスケープした巨大デブリは右
岸高巻きで逃れ標高差900mを25分で降りた。

 佐渡山コルへの本日3回目のシール登行で相棒はシール不調で難儀する。コル
からの痩せ尾根は思いの外、腐れ雪にならず、重い湿雪程度で楽しめ?た。最後
の林道は「高速道路」とはならず、かろうじて漕がずに進む程度だ。気温は出発の
+5度から山頂+7度、帰着時+3度とほとんど変化無く、雪は頂上付近が一番悪
いと言う有り様だった。超混雑の温泉経由で大井町22時着。Schi Heil。 

写真:

10年2月11日

 今年は暖冬予報のはずが、横浜でも結構寒い。雪も多いので山の低い所でも
雪は豊富だ。以前からの宿題の様にやり残している黒姫の北東斜面を最下点か
ら往復してみたい。8日・9日は北信地方も7〜8度程度に気温が上がった様で、
雪の状態が心配ではあるが。

【山域】 北信/頸城 黒姫山 
【コース概要】高沢発電所725m−林道1200m−黒姫山外輪山2010m折返し
【メンバー】 Ume Monta
【報告者】  Monta
【日程】   2010年2月11日(木)
【装備】   ダイナフィット170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
       アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
【気象】  小雪 曇 瞬時晴 無風 −5〜+5度
【タイム】  高沢発電所(725m)06:45−08:50林道登行取付(1200m)−
       10:35(1730m)11:10−11:40外輪山(1905m)12:10−
       13:00林道分岐(1150m)13:15−13:40高沢発電所(725m)
 
 神奈川の大井町を19:00に出た。雨が降り出す。甲府から信州方面では土砂降
りの様な雨。天候の不安は有るがまあいいか。長野自動車道は事故閉鎖で信州
中野で降ろされた。山を越えた辺りから雨は雪に替わってきた。杉野沢を11:20通
過。車中宴会は、赤ワインとブルーチーズと洒落込む。雪は止まない。

 初めての場所は、登り口を決める判断にドキドキする。スタートがヘッデン不要の
時間帯に遅れたおかげで、薄明るさが幸いし良いコースを取れた。雪は数日前の
カリカリの上に10cm弱の降雪。出だしからクトーを用意する。しかし歩くと割れる堅
さだ。林道のヘアピンへ出たら1200m地点までは林道歩きだ。天候は曇り時々小雪。

 林道からは地図上の顕著な尾根を登る。温度計は0度から‐5℃のあたりを指す。
雪は締まったまんまだ。1730mあたりで大休止。妙高が良く見える。上りコースは
かなり樹木が密集しているので、下りは地図上の夏道とその延長ラインを取る事に
する。ここで空は晴れてきて気温も上がる。雪は突然腐れ雪のモナカ。表面は割れ
スキーは沈む。外輪山の稜線に着くと御巣鷹方面から風が吹く。稜線は樹木が密
集し、雪は腐っているので楽しめないと、1905m地点で終了とする。

 下りは手強い腐れ雪に苦労する。両足に上手く乗らないとすぐバランスをくずす。
樹木への衝突を避けるには残念だが斜滑降の繰り返しに決める。休憩地点1730m
辺りからは堅雪の上に僅かの新雪と替わり、満足ではないがそれなりに楽しめた。
登りより西に取ったコースは正解の様だ。林道の下も快適に滑降し、最後の800m
の辺りから深くて重い湿雪となった。雪の良い時に是非もう一度滑りたい。 


写真:

10年1月30日

 信州・上越地方は低温が続き、雪も少しづつ降っている様なので深雪
を求めて小谷温泉へ向った。入山者の少ない茂倉尾根から金山へ向う。
神奈川大井町を20:00に出発し小谷温泉には24:30着。馬肉燻製とおでん
で宴会。夜空は快晴で冷え込みが厳しい。25:30就寝。
  
【山域】      北信/頸城 金山
【コース概要】小谷温泉860m−大海川−茂倉尾根1870m折返し
【メンバー】 Ume Monta
【報告者】  Monta
【日程】   2010年1月30日(土)
【装備】   ダイナフィット170cm, ディアミールFR, ノルディカTR12
       アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
【気象】     小雪 曇 晴 上部強風 −3〜+5度
【タイム】  小谷温泉(860m)06:00−07:55雨飾キャンプ場(1165m)−
       09:10黒沢出合(1250m)−09:50大倉沢(1300m)−12:45
       茂倉尾根(1870m)13:10−13:40(1300m)−15:20小谷温泉



 06:00出発時は、黒雲が空を覆い小雪が舞う。気温は−3℃程度と思
いの外高くなった。林道では所々でかすかにトレース痕跡が見られる。
雪の深さはスキー靴の甲程度。大海川は黒沢出合い迄にブリッジの通
過6箇所。小雪が舞う中青空が出てきた。大倉沢の標高1300m地
点で左の尾根に向う。

 尾根は北側の柔雪を選んで登る。すね辺りのラッセル。青空だが風
が出てきた。気温 は変わらず。場所により雪の下にアイスバーンが有
るので下りは要注意だ。1650mからクトーのお世話になる。17
01mは北側を巻く。茂倉尾根上は強風。シュカブラとパック雪のま
だら模様。この雪状態と斜度がピークまで続くので、シュカブラのガ
タピシ滑走は中止し、下降開始する事にした。

 茂倉尾根からの滑走は登りルートよりやや北側にする。湿雪ではあ
るが腰までの深雪。疎林の40〜25度位の斜面は、山スキーヤーの
為に存在するのかと思える様な斜度と柔雪だ。しかし気温が段々と上
がって+5度位。1450m位で急に雪がくさって来た。最後の急斜
面はターンで切った処が小規模雪崩を起こす。

 帰りは自分達のトレースを延々漕ぎながらの帰還だ。黒沢出合から
90分。上り時間の約半分掛かった。雪は腐れ雪で滑走面に雪団子が
張り付き消耗した。この日は雨飾山へのトレースも無く、この山域は
我がパーティのみであったようだ。栃ノ樹亭から天狗原山方面へのト
レースはあった。結果的に尾根途中引き返しが正解で、良い深雪を楽
しめた。ピークまで登っていたらお楽しみの急斜面がオール腐れ雪で
あっただろう。

写真:


10年1月23日

 暖冬と言われた今シーズンは、クリスマス寒波以降、寒波の連続で
思いの外、雪が多いようだ。スキー場便りでは最近の例年通りか。天
神平方面だけ積雪が少ないようだ。今シーズンも、何とか雪とお友達
でいられますように。

【山域】    乗鞍/御嶽 乗鞍
【コース概要】乗鞍高原スキー場すずらん橋1520−肩の小屋口2615
【メンバー】 Monta
【報告者】  Monta
【日程】   10年1月23日(土)
【装備】   アトミックC6-18 160cm ディアミールEXP ガルモント‐アドレナリン
【気象】    晴雪−曇−ガス・強風(上部)−晴(下部)
 
【タイム】  鈴蘭橋(1520)06:10−07:35スキー場上部(1970)−
       11:30肩の小屋口(2615)12:55−12:30スキー場下部(1520)

 横浜旭区を20:00に出た。八王子経由で中央高速へ。道中は甲府を過
ぎた辺りから小雪。松本ICには22:45着。サービス隊の駐車場をお借
りして宿泊とする。一人宴会の後就寝は11:45位かな。04:15起床でIC
を出たら料金は1000円だった。乗鞍高原鈴蘭橋下の駐車場には05:30着。
今シーズン初山行の準備に手間取り出発は06:10。気温は−12℃。天候
は曇りか、風が強い。

 スタート直前にハイドロシステムは確認したが、30分後給水しよ
うとしたら、もうチューブが氷っていた。さて水分は1.3Lが駄目なら、
テルモスの500ccのみだ。寒いのには結構順応出来る方なのだが、左人
差指、親指が駄目だ。滅多に使用しないインナー手袋を引っ張り出し
た。どうも腹具合が悪い。寒さからか下痢模様の腹だ。この風速20
m近い中で「きじ打ち」は嫌だ。水無し・凍傷不安・腹具合の三重苦
でスタートだ。積もった雪は軽い。「激パウ」なんて人もいるだろう。
ニセコを知らなければ。

 リフト終点直後の斜面は、アイスバーンに20〜30cmの降雪が
積もっている。上部はクトーが無いと登れない。2100mからは底
感覚は無い。ラッセルはスキー靴上位の感じ。緩斜面を過ぎ2300m
辺りからは風がまともに当たる。明るかった視界も段々白くなってく
る。2450mの緩斜面からはクトーの活躍だ。風は厳しさを増す。
視界は100mから3m位を繰り返す。この風の中、計器飛行の様だ
が意地でも肩の小屋下へ辿り着きたい。何故こんなにペースが遅いの
だろう。

 ハイドロシステムは、懐に入れてから1時間位で水が飲める様にな
った。だが最後まであまり飲まなかった。肩の小屋下口の小屋南側で
やっと風をしのぐ事が出来た。気温は−17℃。指先の感覚が麻痺して
きた。これを理由に敗退を決定する。視界も無くスキーも面白くなさ
そう。スタートの緩斜面はカリカリ。少し南下し過ぎたようだ。伊奈
川の南を降りるハメになってしまったが、斜面斜度は完璧。雪は「激
パウ」では無く、少し重めの良質雪だ。本州では最高に近い雪だ。

 途中2350mで本コースに戻ったが、唖然。あんなに後続がいな
くてニコニコだったのが、なんと2本のシュプールが有る。下降中に
も何人も登る人を見た。このバージンスノーの世界で高速道路のトレ
ースを登り、荒れたシュプールを滑って楽しいのだろうか。2100m
から下の急斜面は被り雪は有るがアイスバーンの斜面を降りる事にな
る。天候は晴れになってきた。最後のお粗末は駐車場を見つけるのに
30分近く掛かってしまった事だ。


写真:


09年12月30日-10年1月2日
 
ニセコ ローカルルール

 横浜は16時の出発。一週前から東・北日本の荒天が続いた。東北道の降
雪規制を心配したが、途中の八幡平で1区間事故閉鎖の他は順調で予定
のフェリーに充分間に合った。横浜から780km。

 青森フェリーターミナルのラーメンコーナーで、「もつ煮とビール」
で前途の安全を願い乾杯。
 ニセコには30日9時頃到着。函館から
170km。

 早速スキーへ。天気予報は31日から1日に掛けて荒れるとの事だ
から。ニセコはリフトを利用して、スキー場の外
オフゲレンデを一日
10本滑られる世界でも珍しいスキーエリアだ。最近ではスキーヤー
1/31/2が外国人だ。オフゲレンデでの雪崩遭難事故多発の対策で、
「ニセコルール」が確立され、外へ出るのは4スキー場の決められた
ゲート7箇所のみからとなり、リスクの大きい日はゲートも閉鎖され
る。主旨は、シュプールが有れば初心者も後を追い遭難するので、
「外へ出るのは自己責任を伴う行為だ。」を徹底と云う事だそうだ。

 30日と31日の午前中はオフゲレンデを楽しめました。ただし、
シュプールが沢山付いていて少し興ざめ。でも鉱山の沢は入る人が少
ないようだ。31日の午後から強風でスキーゴンドラが停止。1日・
2日もゴンドラ停止。
 雪は毎晩50cm近く降った。少し重い雪だ。地元では「粘る雪」
と云う人もいた。

 帰路は、ニセコを出たら風も無く、降雪も無く順調な道中。函館には
15時頃到着。居酒屋時間には少し早く初の函館見物とした。18時
には函館駅前のお馴染み「居酒屋 山太一」です。ホッケ・ホッキ・
ホヤ・ホタテと、ほの字づくしで北海道産のお酒を頂く。此処では毎
年会う他のお客と馬鹿話をします。

 21時50分発のフェリーは青森に3日1時30分着、道中は小雪
ながら順調に横浜へ10時到着。こんなにゴンドラが動かない年は初
めての様な気がするが、たまには良いか。