2011.06.15.

眠りはとても大切な人間の営みです


  今回は生活習慣病にも影響する『眠り=睡眠』のお話です。【睡眠】は「体の疲れをとるもの」と考えてはいませんか?      

ところが、実は躰の疲れは、【睡眠は脳=こころが休息】した結果で生まれてきているのです。

人の中には、「寝る間を惜しんで勉強しよう」とか「寝る暇があったら働こう」などと思ってしまう方々もいるかもしれません。しかし,それでは長い私たちの人生を台無しにしかねないことに気付いて欲しいと思います。
【睡眠】は日中一生懸命に働いた脳を休ませ、次の活力を作り出す生命維持行動・習慣なのです。睡眠には、【ノンレム睡眠】と【レム睡眠】とがあります。【ノンレム睡眠】は深い眠りの時期です。この睡眠の時期に、日中酷使した脳を休息させ修理点検を行っています。睡眠は、昏睡とは違いますから「覚醒すること」を前提にしています。ですから一睡眠の中の【レム睡眠】の時は、「眠っている状態の脳を起こし、活動できる様なアイドリング状態」にしているわけです。この2つの睡眠パターンが、バランス良く夜間の一睡眠の中に質良く保たれていることが、【脳によってコントロールされている躰や精神状態をバランス良く保てる】という理屈になるわけです。

  前回5月に発信した【ストレス】でも触れましたが、脳はたくさんの情報を瞬時のうちに処理をし行動や感情として表現されていきます。情報が多すぎたり、情報としての刺激の度合いが大きいと、脳の機能に不具合が生じてきてしまいます。結果、些細なことに不安を感じたり鬱っぽくもなったりして、感情情動が不安定になってしまいます。日常生活に必要な記憶力・集中力・判断力なども低下して来てしまい、日常生活に支障を出してきてしまいます。また、躰には自律神経失調状態・ホルモン失調状態・免疫機能の低下あるいは過敏状態となってしまい、それぞれの失調症状を自覚し始めます。ですから脳が正常に機能し日常生活が「当たり前」に営まれるためには、脳というパソコンの電源をきちんと切る必要があるのです。それが、睡眠の目的なのです。                                                  

野生に棲む動物は、弱肉強食の世界に棲んでいます。自分の命を守るのは自分でしかないのです。ですから「レム睡眠」を多くし、いつでも攻撃の手から逃れられるようにアイドリング状態で休んでいるのです。一方、人間は知能という武器を進化の過程で身につけてたのです。それには直立2足歩行は不可欠だったのでしょう。知能を身につける分、「脳を休ませるノンレム睡眠」を多くとらなければなりません。一眠りの中では、2/3〜3/4の睡眠時間の長さを必要としているとさえ言われています。赤ちゃんは、眠ることでゆっくりゆっくり脳を発育させていきます(レム睡眠の中で脳の細胞は成長するそうです)。                                                                           『寝る子は育つ』所以です。

睡眠は、一日の活動を可能にしコントロールするための合目的な習慣なのです。又、自然に備わっているストレス解消法でもあります。眠くなるから寝るのではなく、食事の習慣と同じように寝る時間が来るから眠るという行動をするものです。                                                                                      

※睡眠には睡眠時間と質があると言われています。次回はその辺をお話してみようと思っています。


←トップページに戻る

←前の頁へ

次の頁へ→