たかが側彎されど側彎-【歪み】のお話し
2011.7.26.
今回は【側彎】のお話です。
私たちの躰で柱の役割をしているのが、背骨すなわち脊椎です。脊椎は基本的には正面から見ると左右対称、横から見ると緩やかなS字のカーブをとった形になっています。その形態は、4足歩行の動物から立位2足歩行に進化する過程で生まれてきた適応の結果として生まれてきました。しかし、現実には中々こうは上手く行かないのが私たち人間です。脊椎が左右どちらかに曲がっていたり、横からはS字ではなく逆Cの字になったりしています。それはそれで何とか日常生活に支障の無いように躰は適応してくれています。
そこには常に人間の躰の総重力線が地球の重力線に沿うように、脊椎を中心に筋肉・靱帯は調整を加えていることになります。しかしその分、脊椎を支えている《梁》ともいえる筋肉や靱帯には相当な無理な力や張力が掛かっている筈です。
これを家屋で例えると、家屋の大黒柱が曲がることで支えている梁に無理な力が掛かります。家の中を巡る水道管・ガス管や配水管にも無理が掛かり、終いには滞りや漏れまでもが出てきます。
人間も同じです。脊椎という屋台骨が曲がると、梁に当たる筋肉や靱帯などの軟部組織そして器官までにも無理な緊張や伸展が入ることとなります。その結果、【血液の循環】【水のめぐり】に滞りが出現してきます。
人間の場合は、そこから『痛み』・『腫れ・懲り』・『浮腫』・『痺れ』といった自覚症状、終いには各臓器の機能低下にも結びついてしまいます。
だから、【たかが側彎されど側彎・たかが歪みされど歪み】なのです。
おおた内科クリニック