戦車を列車から降ろす

(プラットフォームがある場合の概略図)2000/06/21更新

下図は戦車から卸下(貨車から戦車を降ろす)する作業の順番を時計反対廻りで現しています。

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  • (1)卸下する駅に近付くと戦車兵たちは、列車から落ちる危険が無い範囲で持ち物や備品などを戦車内に搭載する準備に追われたことでしょう。
  • (2)駅に到着した戦車兵は、木製の輪止め(戦車だからキャタピラ止め)を外してプラットフォームに降りる準備をします。
  • (3)戦車は自走で平積貨車から横に旋回してプラットフォームに出ますが、後続の戦車は準備が出来ていれば次々にプラットフォームに出ることも可能です。
  • (4)プラットフォームから降りた戦車は路上に降ります。
  • (5)Tiger1及び2型などは鉄道輸送用の狭いキャタピラで輸送された関係から、路上に降りた後に幅の広い戦闘用キャタピラに付け替える重労働が待っています。
  • (6)但し、二次大戦後半で通過する路線の状況によっては広いキャタピラのまま輸送された事も有りました。その写真はモデルアート社から昭和51年6/15発行の『モデルアート6月号増刊タイガー戦車』の8ページに掲載があります。
  • (7)燃料や弾薬の補給は危険防止の為に卸下した後と推測します。
  • (8)隊列の編成が終われば出撃準備は完了です。
  • 駅の側線の土盛りされている車止めから乗車する写真は、大日本絵画の『アハトゥンクパンツァー第6集ティガー戦車編』の5ページに掲載されています。このTiger1型戦車(中期型最終生産分)は、1944年4月の502重戦車大隊のもので戦闘用キャタピラのまま乗車しています。
  • 列車が通過する路線の橋梁などの重量制限によっては、戦車を積んだ平積貨車を連続して編成することは許されず、トラックや乗用車などの軽い積載量の貨車を1台以上挟んで列車の編成を組んだそうです。
  • 路線や到着予定駅(敵の進軍速度で変わります)や緊急の度合いによって、列車の編成と卸下する方法はバリエーションがあるようです。(結構奥が深い)