エンジン腰上OH

走行距離も26000kmになり すでにエンジンOH時期を大幅に越えてしまった為か、オイルの消費が異常に多くなり、このままではいつか止まる日が必ず来るだろうと思い、意を決しエンジンOHを行うことにした。しかしこのサンマルのエンジンはピストンリングの交換でさえフルオーバーホールのような形をとらなければならず、金額も相当な覚悟が必要になる為なかなか決心できず、マニュアルをじっと読むことにした。・・そしていろいろと検討した結果。自分でできることは行い、できないところや重要なポイントはプロにお任せしようと計画した。自分でできるところはどこまでだろう?・・とマニュアルを熟読した結果。ヘッドまでははずせそうだという結論に達する。しかしキャブをはずさなくてはならないという非常にやりたくないこともやらなければならない。なぜキャブをはずしたくないかというと一度はずしたことがあるのだが、V型エンジンのインジュレータの付き方に問題があり取り付けにはとても苦労するからなんです。なので いざキャブをはずす段階にきたときかなり躊躇したことは事実だった。やめるなら今だって感じ。でも これをやらなければ先には進めないと一代決心をしたのでした。

とまあここまでは 過去にもやったことがあるので、どうってことはなかったです。さてこれからです。ついにヘッドカバーをはずす段階にはいりました。

初めて見る景色にしばらくの間じっと見つめました。写真やイラストなんかでしか見たことがない正真正銘の現物のサンマルのDOHCたる由縁のメカが目の前にあるんですよ。これには少し感動さえありました。とてもきれいに見えたりもしましたね。真ん中のギヤトレインもこのエンジンの特徴に思います。さて先に進みましょう。次はカムシャフトはずしをします。何故なら ヘッドを止めているメインのソケットボルトはカムシャフトの下にあるからなんです。合計8本あります。カムシャフトをとめているボルトが見えると思いますが、これがまた曲者で頭の厚みが思ったより薄い為ボックスを当てた時でもしっかり圧力をかけてまわさないとなめてしまいます。慎重かつ渾身をこめて工具を回しました。でも一つなめてしまい途方にくれかかりましたが、運良く最後の一撃によりはずせました。・・やれやれ。  

上の写真で一つボルトがありませんがこの頭はボロボロで使い物にはならなくなってしまいました。 すでにヘッドはエンジンからはずしてありますが、実はこれをはずすのには大変な試行錯誤があったんです。ヘッドをはずすソケットボルトは6mmのヘキサゴンレンチではずしますが、約6cmの穴の中に埋め込まれている為レンチが長くなくてはなりません。通常のL型のレンチを当ててひねってみましたが、レンチ自身がねじれるばかりでボルトはまったく回転しようとはしませんでした。歯がたたなかったわけです。それほどこのボルトは固く止まっていると言うことです。今持っている工具でははずせないんだということを思い知らされ作業が何日か中断を余儀なくさせられ、工具探しの毎日を送りました。そしてある日やっと理想の工具を見つけることができましたが・・・

ものの10秒で使い物にならなくなってしまいました。ちなみにKTC製です。もうこれ以上のものはないんじゃないだろうかと思いましたが、最後の頼みに望みを託し自ら工具を加工して使ってみました。

先が6mmの六角で途中が10mmの六角でしたが10mmでは穴に入らないのでそれを8mmになるまで丸く削った自作の工具です。見事 苦労の甲斐があり問題なく外れました。工具自体のねじれはほとんどなく安心して使用できました。でも分解時で後にも先にも一番苦労したところです。 

ヘッド内はこんな感じでかなりひどい状態です。ガスケットも影も形もなくただ溶けたゴムの破片がこびりついているだけ、バルブのフェイスのカーボンのようなオイルのような合成物がこびりついてました。今回はサンマルのウィークポイントとも言えるインレットバルブを交換しヘッドOHをします。この部品はプロのショップにやって頂くため現在出してあります。・・サンマルは非常に古いバイクの為部品ももう在庫があまり残っていませんが 運がいいのか思い切ってよかったのが功を奏し インレットバルブはギリギリ8本在庫がありました。。。ホッとしました。B/O扱いだといつになるかわからない金属部品なんでね。下手すれば一年後とかあるようですね。

ヘッドが外れた様子です。かなりすっきりしてしまいました。V型はヘッドが2個ありで作業も2倍かかります。大変なんですよ実際。。

とりあえずきれいにしました。キャブクリーナーを使ったらとてもよく汚れを落としてくれましたが、成分がトルエンなので気持ち悪くなりました。換気をよくしてやらないといけないなっとあとで思ったりしました。

迫力がないですね。やはりエンジンの存在感はとても大きいようです。

少しいい角度で撮ってみました。・・さてヘッドが整備されて戻ってくるのはいつだろう?また戻ってきたら忙しくなりそうです。・・・・ つづく 

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