バイクサッカー列伝 〜磐田の奇跡〜

 

                    

みなさんは、バイクサッカーという競技をご存知でしょうか?「バイク」と言う単語を知らない人は殆どいないでしょう。「サッカー」という競技も知らない人はいないでしょう。

しかし、これが「バイクサッカー」という単語になったらどうでしょう?日本の総人口、2億4千万の瞳の内の何人が、この競技を実際に見た事があるでしょうか。今から語られる物語は、この日本人の95%が知らないと断言出来る「バイクサッカー」、その競技に無謀にも挑戦した我がツーリングクラブ「ぷちとまとサッカー部」の、磐田バイクサッカースタジアム(実際にはただの空き地です)における、砂埃にまみれながら奮闘した「バイク不良中年(または不良中年予備軍)」の遅き青春物語(?)であります。

 

さて、バイクサッカーとは?という質問にまだ答えていませんでしたね。読んで字の如し。バイクに乗ってサッカーを行う競技です。ここで勘違いしてはいけません。「バイク」と言っても、GSX−R1000やハーレーを使用するわけではありません。使用バイクは、80cc程度の子供が乗るようなオフ車です。「サッカー」と言っても、実際のサッカーボールよりも大きいボールで、コートも狭いです。(この辺のルールについては、HPがあるそうなので、そちらで確認して下さい)

人数は3対3で、今大会より、1チーム最大6名のうち2名は、初心者や女性と言ったあまりバイク暦の長くない人を加入しなければならない、といったルールが適用されました。

 

今回で第三回となる全日本選抜大会(一応全日本大会なんですよ)。第二回は昨年11月に行われ、雑誌や入浴写真でおなじみ(?)我がツーリングクラブ代表「tomako☆」さんが、雑誌「モーサイ・Run+」チームより出場。僕も応援に駆けた。そこで感じた事・・・「この競技、危ない!」これが最初の感想だった。そこらじゅうで接触、接触・・・バイク同士が絡まってしまったり・・・大きな怪我人は出ていないように見受けられたが、面白そうだけど痛いのは勘弁して下さい・・・

 

明けて2003年。昨年の第二回大会終了当初から、「メンバー集めて出てみよう」とtomako☆さんは気合い充分!2月に入り、大会の詳細と申し込み受付が始まった。ぷちとまHP掲示板にも参加者募集「集え!バイク界のD・ベッカム」とは書かれていなかったが、正直僕は迷っていた。どうにも去年見た印象が悪く、怪我したくないしなぁ・・・なんて思って、とりあえず状況を見守った。最初に名乗りを挙げたのは「ぷちとまの司令塔」riemon☆さんだった。しかし、その後掲示板に名乗りを挙げる人はいなく、このまま企画倒れか?という流れに乗りかけた。ある日、tomako☆さんより直メールが届く。内容は、サッカー出ないの?ってな内容で、参加者の集まりがやはりイマイチで、なんとか1チームは出場したい、と言う切なる思いが綴られたメールだった。うーむ、彼女には普段のツーリング等で世話になってるしなぁ〜。勝負に拘るような感じでもないので、楽しむ程度ならと思い、出場を決意した。

その後、新たな連絡でなんとか2チーム作れそうとの連絡が入り、めでたく結成された2チームの名前は、「ぷちとまサッカー部」と「ぷちとま男爵‘s」。メンバー構成は・・・

「ぷちとまサッカー部」

      ぷちとまクラブの司令塔 riemon☆さん(RC30)

      田尻北のR・バッジョ  ゴート(YZF−R6:ちなみにサッカー経験0)

      バイク界のあぶさん   まっチュ♪さん(ZX−6R)

      中根新田のグラビア女王 tomako☆さん(FZS−600SP)※

      アツアツ夫婦        オトタケさん(TRX850)

      三ヶ名の秘密警察        FBIさん(ランクル:所有バイク無し)※

 

「ぷちとま男爵‘s」

・ 繁忙期幸福ライダー  まにあっくさん(CBR600F4S)

               & 愉快な仲間達 2名

              (すみません、まにあっくさんの友人の方々の名前を

               聞いていなかったもので・・・)

      サスライバイカー   酒仙さん(RF900)

      唯一の戦力か?    TLさん(TL100S)

 

「※」マークが今回の規定、女性or初心者orブランクライダーに該当する人である。男爵‘sの方は、まにあっくさんの友人の方が規定該当者だったと思われる。(実はよく知らない)

6名いると、前半、後半で交代出来る為、体力的にはなんとか大丈夫かな?と思っていた。前大会を見る限りでは、かなり体力を消耗する事が予想できる。この時点で男爵‘sのメンバーは5名。誰か一人は連続出場となる・・・

3月7日、大会前は荒れ模様の天気となる。雨に寒さに風に・・・大会会場は、空き地同然の場所なので水掃けなんて言葉とは無縁。しかも雨天決行なのですよ・・・

「だって、サッカーだもん。普通、雨でもやるでしょ?」

事も無げにこんな事を言うtomako☆さん。あんたは凄いよ。雨でやったら、どろどろになるなぁ・・・

 

3月8日(土)大会当日。FBIさんが、僕とまっチュ♪さんをランクルにて送ってくれるという。ありがたや、ありがたや。大会開始は8:30〜だったが、8時前に入れば練習OKとの事。普段はまったくオフロードバイクになんかは乗らない僕らにとっては、多少でも乗っておいた方がいいでしょう。さんなわけで、6時台に焼津を出発。吉田ICから袋井ICを経由(なんで磐田まで行かなかったの?なんてツッコミはしないように!)。国一に出たところでアクシデント!

「バチッ!」という音共に、「うわ!やられた!」というFBIさんの悲痛な叫びが・・・

見ると、フロントガラスに対向車の跳ねた石が衝突!ガラスに傷が入ってしまった・・・一気にテンションが下がるFBIさん、まッチュ♪さん、ゴート。これは神の啓示か、悪魔の仕業か!?磐田に行くなって事か!?様々なネガティブな要素をランクルに詰め込み、一行は会場へと到着した。

会場に到着・・・ってまだなにも準備していない。ここが本当に会場なの?なんて疑問が湧く程なにもしてない。更に言うと、駐車場にチェーンが張ってあり中に入る事すら出来ない!なんだ?中止か?確かに、前日の雨の影響はグラウンドには色濃く残っており、2面コートを取ると片面は水溜り有りの泥んこ試合場となってしまう感じだった。ん〜・・・どうすればいいのだろうか・・・そこで良く周りを見回す。お!?競技用のミニオフを積んだ軽トラが!やはり試合は開催されるんだ!とりあえず、これで中に入れるかな、と思いきや、「あれ〜、まだ入れないの?」と、軽トラの主催者側の人に聞かれる始末・・・。どこか別の場所から入れないか?入り口は2箇所あるが、どちらもチェーン、メインの入り口はガードレールの門に阻まれている。

「鍵、切っちまうか!?装備あるし(?)」

FBIさんの衝撃の一言!さすが秘密警察である。なんでもランクルに入っている。が、さすがにそれはまずいでしょう(汗)しばし待つとtomako☆さんと、のっぽ君も到着。この日は風が強く、風さえ無ければそんなには寒くはないのだろうが・・・riemon☆さんからメールが入り、ノンビリとこちらに向かっているとの事。ちなみに、我が2チームは、試合は昼くらいからの開始。つまり、まだまだ時間があるのである。外にいるのも寒いのでランクルの中でボケェ〜としながら待つ事数分、主催者と思われる方が鍵と共に到着。ようやく中に入る事が出来た。しかし、当然なんの準備も出来ていない。加えてグランドは水溜りもある状態。試合開始なんかは、まだまだ先になるだろうなぁ・・・

「手伝った方がいいかな?」

と、FBIさん。まぁ、要請があったら行きますか?って感じで、ランクルの中で暖を取る。やはり水溜まりの処理がネックになってるらしい。そこへ、主催者1名がランクルに接近。

「すみません、スコップ貸して頂けます?」

F:「いいですよ〜。何かあったら手伝いますから」

ランクルには色んな物が標準装備されている。当然、スコップなんかは当たり前、簡易テーブル、矢印看板(?)、ハンドマイク(???)etc・・・

どうにかこうにかグランドの処理も進み、ラインを引いたり、テントを張ったりと、いよいよ開幕準備が整い始める。そこへ、見慣れた人の姿が・・・

「もう皆来てるぅ〜?」

な、な、な、なんと、ぷちとま四天王の一角、切り込み隊長さんが来てるではないか!!聞けば、参加のお願いを受けたのが大会2日前位だそうな・・・思わぬ人物の登場で、戦力UPを果たす「ぷちとま男爵‘s」。他チームの選手や応援団も集まり始め、熱気を帯び始めるスタジアム。空いてるバイクは練習に使ってもいいという事なので、ブランクライダー:FBIさんは、初心者&女性参加者と共に初心者練習会に参加していた。はっきり言うと・・・・とてもブランクライダーとは思えない腕前だった。聞けば、オフ車しか所有した事は無いそうでして・・・うーむ、確かに参加規程上はブランクライダーだけど、反則気味のブランクライダーですな、こりゃ。

一応のルールは聞いているが、やっぱ百聞は一見にしかず!午前に行われる試合を見学する。とにかく寒いので、車から出たり入ったり。ルール改正で、接触プレーを極力避けることになったらしく、去年見た感じよりも大分安全(?)になった様に思う。4チーム毎のリーグが4つ有り、各リーグ総当りで1位のみが決勝トーナメントへ進出。始まる前は、「優勝狙いだね!」皆で盛り上がるが、試合を見ていると、モトパンツ(つまり生粋のオフ車乗り)のチームなどは、レベルがまったく違う!狭いコートで行われるので、スピードとかは出せないが、方向転換が常人の3倍くらい速い!(赤い彗星か!?)もちろん規定で女性もチームにいるのだが、その女性もモトルックってやつで戦力としては充分過ぎる位に成り立っている・・・

「まず1勝・・・いや、まず1点取ろう!」

小さなことからコツコツと。どこぞの漫才出身の政治家ではないが、地道な努力こそ勝利への鍵となる。そんな事を、なかば強引に左脳にインプットし、我々は試合へ向かう事になる。(ちなみに右脳は本能を司る為、かなりのビビリ状態に)

 

ぷちとまサッカー部と男爵‘sは違うリーグにある為、同門対決は無し。まず、最初に試合を行ったのは、ぷちとまサッカー部。相手は、多摩ライダー’s。その名の通り、多摩からやって来ている。しかもバイクで・・・。前半戦三人は、ランクル移動組のFBIさん、まっチュさん、ゴート。まぁ練習しなくても大丈夫でしょう、程度に考えていた僕は、当日もまったくバイクに乗らなかった。これが甘かった!まず、メインスイッチをONにしないで一生懸命キックして、エンジンかからね〜、なんてバカな事をやっていたゴート。エンジンかけて走り出してみると、やたらに怖く感じる。最初の2分間は練習として、試合結果には関係ないが、なんかまともに走れない僕は自陣ゴール前にボケっとたたずんでいるだけ。FBIさんとまっチュさんは、縦横無尽にグランドを駆け回る。まっチュさんもオフ乗るのなんかは初めてに近いはずなのに、この差はなんなんだ〜。そして、本番。ハーフ5分間で行われる。試合開始と同時に、2人は攻め上がる為、当初の予定通り(?)僕はカーンの様にゴール前に立ち塞がる。(って言うか、まともに運転出来ていないだけ)

特にFBIさんの動きには目を見張る物がある。が、僕が自陣ゴール前にいる為、前線と僕との間にポッカリと空間が・・・・そこへルーズボールが!(いや、キラーパスか!?)相手チームの一人が砂煙を上げながら突進してくる。ボールまでの距離はこちらの方が近い、ここは慌てずクリアを・・・と思いオモムロにアクセルをあけノタノタと前進。僕のフロントがボールに辺り、クリア、と思いきや、そこに相手チームが猛然と突っ込んでくる!そう、それはキャプテン翼でいうところの、明和小スライディング特攻部隊の様でもあった。

「ガシャ〜ン」

僕と相手チームの一人の方は接触、まぁ、どちらもブレーキはかけていたのでダメージは無し。しかし、この接触でさらにビビリモードになったゴート。その後も一進一退の攻防は続く。とにかく、自分の足が、のっぽ君ぐらい長かったら失点しなかったのにぃ〜ってのが何回かあった。1−2と1点ビハインドで迎えた前半終了直前。FKを得たぷちとまサッカー部。キッカーはFBIさん。FKと言っても、当然バイクに乗ったまま蹴るのである。

「行くよ〜」

とノンビリした声とは裏腹に、実際のキックは鋭く、そう、あれはその昔、国立競技場対韓国戦で見せた木村和司のFKの様にゴールに吸い込まれて行った!ゴールが決まった瞬間、なんと相手チームからも拍手が送られた。おぉぉぉ〜!すげぇぇ〜!歓声に包まれるぷちとま応援団。ん?待てよ・・・確かFKは全て間接FK(直接ゴールしても認められない)のはず。蹴ったボールは誰にも当らずゴールした気が・・・まぁ、小さい事は気にするなって感じで前半戦終了。FBIさんも、まっチュさんも足にかなりの疲労を感じた様だ。僕はというと・・・あんまり疲れなかった。そりゃそうだ、動いてないんだから。3人のうち、一人は女性、初心者、ブランクライダーっていう規定、どう見ても該当者がFBIさんではなく、僕(ゴート)の様に見えただろうな(^^;

後半線のメンバーは、riemon☆さん、tomako☆さん、オトタケさん。riemon☆さんは多少はオフの経験があるようで、tomako☆さんは唯一のバイクサッカー経験者、オトタケさんはオフについては未経験のようだったが、練習ではまぁまぁの動きを見せていた。そして、後半開始。

・・・すみません、前半戦のあまりの自分の不甲斐なさに、後半の試合展開はあまり覚えておらんのですよ。そんな中でも、riemon☆さんの活躍は目覚しく、FWにMFにDFに大奮闘。tomako☆さん、オトタケさんもうまくルーズボールに絡もうとスペースを見つけてポジショニング。ただ、相手チームは後半に戦力を温存していたのか、かなり慣れた動きで味方ゴールに襲い掛かる。とにかく、相手に突破された時に、いかに自分のゴールのカバーに回れるか。バイクなので思うように動けないし、特に突破された時にはついつい後ろにそのまま下がろうとしてしまうが、バイクにバックギヤ無し。この辺の動きが分かって来たのはまだまだ後のことだった・・・・

初陣は、2−4くらいだったか。前半戦のチームはとにかくリードして折り返そう。後半チームは、とにかく1点取る!これが2試合目の目標となる。

Bコートでは男爵‘sの試合が始まっていた。こちらは意外にも練習での動きはかなり良い!TLさんは、今現在はTL所有だが、その前はセローにて瀬戸川河川敷の暴れん坊と異名と取るモトルックでの登場!ほかにも、まにあっく君、その友人二人(一人は初心者ながらオフ乗り)酒仙さん、特攻隊長さん(この方も一時オフに乗っていた)と戦力は充実している!期待持てるんじゃない!?応援席のボルテージも上がってくる!そして対戦チームは・・・・な、な、なんと全員モトルック!規定で入っている女性までもがモトルック!生粋のオフ乗りチームであった・・・が〜ん・・・・

がしかし、オフに乗ってるからバイクサッカーがうまいってわけじゃない!儚い希望を持ちつつ、試合開始!開始早々、攻め上がる男爵‘s!一番動きのいいTLさんは、リベロの位置にてゴール死守。酒仙さんが凄い勢いで上がり、そしてぇぇぇ〜!・・・

「ズシャ〜〜!!!」

なんと華麗なヘッドスライディング!(ヘディングではないよ)相手と接触したのかバイクから投げ出されたらしい。数秒程そのままうつぶせに・・・

「立てぇ〜!立つんだ、しゅせぇ〜ん(丹下段平風)」

そんな声が聞こえたかどうかは本人のみぞ知る。とにかく起き上がり試合再開。しかし、やはりオフ経験の差はいかんともしがたく、奮闘虚しくこの試合も敗れる事に・・・

クラブから2チームも出て1勝も出来んのは、さすがにまずいか・・・この男爵‘sの試合中、riemon☆さんとオトタケさんは、空いているバイクを使用してひたすら練習に励んでいた。最後にはボールまで使ってフォーメーションの練習。これは、次の試合には、伝説のフラッシュパス(シュート読んでない人には分からない話です)が炸裂するか!?

ぷちとまサッカー部2試合目。試合開始前に、チーム名を聞かれる。ほぉおっておくと略されて「ぷちとま」と呼ばれる為、FBIさんは

ぷちとまサッカー部です」

とはっきり審判に答えていた。この試合前、司令塔であるriemon☆さんから2点程アドバイスをもらっていた。

1:2速にいれた方が走り易い。

  このミニオフは、クラッチが無い為、ギヤを入れたままでもエンストはしない。

  実は、この1速のピーキーさにどうにも体が馴染めずビビリモードになっていた。

2:ボールの先を読む。

  どうしても、ボールが来ると、猪突猛進、まっしぐらに突進しがちだが、ボール

  自体も当然動いている為、先を読んで運転すれば・・・

まず、試合開始で自陣ゴールに一度戻る時に、「1」の2速運転を試す。お!おぉぉ!

これはいいかも!ONロードでもそうだが、僕は高回転の運転が苦手で(じゃぁな

600なんか乗ってるの?という質問はしないように)、加速が良すぎるのが体質に合

ないらしい。これが2速だと非常に楽、アクセルにダルな加速なので怖くない。これは

1試合目よりも動けそうだ!少し光明が見えたか!?試合開始!1試合目はゴールから

殆ど動けなかった為、今度は少し積極的に動いてみよう。2速効果で、1試合目よりは

格段に動きがよくなった。(ように見えたかな)

が、ボールの先読みの事はすっかり忘れていた為、なんかチョロチョロとネズミの様に

動いているだけで、あんまり役に立ってない〜(泣)おまけに、僕が上がるもんだから

本来、攻撃的役割を担うまっチュさんがゴールをカバーするので攻撃力半減。更に、

相手チームもかなり強く、こちらは相手ゴール前にすら攻め込めない。1点、2点・・

失点が重なっていく・・・前半終了時点で0−2、シュートすらまともに打てない最悪

の展開・・・。こりゃ後半チームに頑張ってもらわねば。

後半・・・riemon☆さん、オトタケさん、FBIさん・・・あれ?FBIさん

また出てる。tomako☆さんは・・・あれ?悠然と構えてる。どうやら本来の

職である監督業に戻ったか?「だってぇ〜、疲れるしぃ〜」という心の声が聞こえたの

は幻聴だったのでしょうか・・・

この後半チームは頑張りました!守りよりも攻め重視!当初の目的である「まず1点!」

に向けてゴールに殺到する、riemon☆さん、FBIさん。ボランチの位置から

的確な動きでサポートするriemon☆さん。そして、歓喜の瞬間は訪れた!

正確なパス、正確なドリブル、そしてシュート!オトタケさんの初ゴールである!

湧き上がるぷちとま応援団!!!点差は相変わらずだが、目標達成に奇跡が起きか!?

その後もFBIさんの日向小次郎の強引なドリブルを思い起こさせる中央突破、3人の

華麗なパス回し、等々、かなり魅力的な試合展開であったが、結果は2−4。

スコア−からは計り知れないが、かなりの奮戦だった。

その頃Bコートでは男爵‘Sの試合が行われていた。自分のチームの応援に気を取られ

ていたが、スコア−を見てみると・・・1−0!?リードしてんじゃん!!!これはひょっとしたら・・・相変わらずTLさんの動きは素晴らしく、他のメンバーも 実力的にはTLさんと遜色ないんじゃないかな。が、こちらのリーグは、とにかく強豪チームが多い。その殆どがモトルック仕様のオフロードサイボーグであった。

前半0−0で折り返せるか!?と思った終了間際に痛恨の失点・・・しかし1−1はこれまた期待を膨らませる。

後半は、切り込み隊長さんを筆頭に攻めに守りに縦横無尽に走り回った。相手チームも後半にメンバーを揃えたのか、攻め込んでくるシーンが多くなる。走っている時は機敏な動きを見せていた特攻隊長さんも、ボールが外に出たときなどは、ハンドルに肘かけながらウツムキ加減・・・かなぁ〜り疲労がピークに達している模様。頑張って下さい!アオヤマ四天王の名にかけて!!(ちなみに四天王とは、riemon☆さん、切り込み隊長さん、親衛隊長さん、伝説のリーダーさんの4人を指します。4人が揃う事は近年まったくないので、既に伝説の域へと達しています)

その後も一進一退であったが、一瞬のスキを突かれて失点。スコア−は忘れたが、まさに惜敗、その言葉が一番合う惜しい試合だった。

しかも、男爵‘Sは、対戦の都合で2試合連続。戻ってきた特攻隊長さんにtomako☆@トルシエの非常な一言。

tomako☆さん「男爵‘Sは連続だよ!早く行って!行って!」

切り込み隊長さん「え(汗)・・・そうなの?」

トボトボと哀愁を漂わせながら試合場に向かう切り込み隊長さんの頭は、明らかにうつむいていた・・・(^^;

そして男爵‘Sのラストゲームが始まる。あれ?切り込み隊長さん、また出てるよ!?さっきの試合の後半にも出てから、このハードな競技において連続出場とは!?なにか秘策があるのか!?

相変わらず、乗ってるときの運転は俊敏だが、ボールが出た時にぐったりしている切り込み隊長さん。かなりバテバテの様子である。試合に目を奪われながらふと後ろを振り返ると、そこにはTLさんの姿が?

「あれ?試合始まってるんすか?」

ぐは!?な、なんと連続で切り込み隊長さんが出場していた理由は、秘策でもなんでもなく、単にTLさんが見当たらず、急遽出場したのだとこの時確信した。

「あら〜・・まずいじゃん。すぐ行きますよ」

小走りに試合場に向かうTLさん。そして前半終了。後半もかなりの接戦だったが、結果的には惜敗だったと思う。

「ひぃ〜疲れた・・・・。まさか全敗とはね・・・。これは、そっちになんとしても1勝してもらわないとだね」

男爵‘Sの面々から奮起を促される、ぷちとまサッカー部。確かに同系列から2チームも出て1勝も出来ないのは、ちとマズイかな。

riemon☆さん曰く「こっちが疲れている時は、相手もシンドイはず。3試合目が勝負どこかもね」

心強い一言。確かに、そうだ。こっちがキツイ時は相手もキツイ。よく聞く言葉だ。ことバイクに乗ることにおいては、疲れてきた時の方が力が抜けてうまく走れる、なんて経験は、バイク乗りの間では意外に常識めいた部分である。作戦は?と、まっチュさんに尋ねられ、

「ここまできて守ってもつまらんから、攻めて行きましょう!」

そうだ!だいたいこの狭いグラウンドで、役割決めてボール回しやろうなんてのは、初心者にはどだい無理な話だ。全員攻撃全員守備!トータルフットボールで楽しもう!バイクの原点は楽しむ事。まぁ、勝負事は勝たないとつまらないという面が、かなり割合を占めてしまうが、今回はまぁいいか!

決意を新たに試合開始を待つ面々。そこに、スズキツインの排気音が鳴り響く!応援に現れた「峠妻」「赤い悪魔クラブのナンバー2」数々の異名を持つFBI夫人、ポッキーさんの到着である。ここはせっかく来てもらったのだから、どうせだったら出場させちまうか?

tomako☆が説得にあたる。「赤い悪魔ナンバー1」の説得も・・・

「え〜、靴汚れるも〜ん。やだ〜」

の一言で一蹴されてしまう。あのtomako☆さんにこんな口を聞けるのは、恐らくポッキーさんだけでしょう。

じゃあ、誰かの借りれればいいのかな?色々な人のブーツを履いてみて、どうやら、まにあっく君のブーツに適合したようだ。全然やる気ない様な事を言っておいて、やはり見るとやりたくなってしまうものだ!そそくさと、ブーツを履き替えに移動するポッキーさん。

前半戦には間に合わない様子なので、ここは、今までと同じメンバーでスタート。

やはり相手にはモトルックサイボーグがいるようである。今さらビビルこともないだろう。

今回は、ボールの先を読むというのを、思考回路の最優先事項にインプット。

試合開始!FBIさんの動きは更にキレを増す。3試合目ともなると、僕もまっチュさんもかなり慣れてきている。互角だ!互角に渡り合ってる!いや、少しこちらが押しているかも!ここで僕が心がけた事は、自分が抜かれた場合、直ぐに自陣ゴールのカバーに向かうという事だ。これを実践した時に、同じようにFBIさんも逆から戻ってきてくれて、ゴール前に二人でピタっとカバーに入った時には、自分の中では、フォーメーションプレーが出来たみたいで感動もんだった。

その後も攻めとカバーは、かなり効率よく行われ、とりあえず失点はなかった。攻めの方でも、かなりキワドイシーンがあった。今でも思い出すあのシーン・・・

自陣FKがGKからかのスタート。まず、左サイドのまっチュさんへ。そこから右サイドのFBIさんへ展開。中央に走りこんだ僕に、FBIさんから絶妙のラストパス。当然ここはダイレクトでしょう!

「でぇぇぇ〜い!(バシュ!バシュ!バシュ!)」

心の中で、キャプテン翼ばりに、3方向からシュートアングルを換えて映し出され、ボールはゴールに突き刺さる!こんなシーンが頭には描かれていた。絶妙のパスは、僕の足元にピタリ合った!「もらった!」絶対決まると思ってました。しかもほとんどフリー状態、相手ゴールマウスに一人だけ相手チームの方がいるような状況。こんなのを外すのは、フランスW杯での日本代表FW城彰二くらいのものだ。思ったように、足にジャストミート!ここまでは完璧だった。唯一の誤算。それは、ゴールの高さだった。立てられたコーン。教習所にあるような2つのコーンの間がゴールなのだが、高さも、そのコーンを越えるとゴールとして認められない。僕の蹴ったボールは、相手の目線ぐらい。つまり、実際のサッカーであったならば、ゴールバーの上。つまり、フカしてしまったのだ・・・絶好の好機を・・・・そのまま同点で前半は終了。あれが決まっていれば・・・いまでも悔やまれるシーン・・・

後半は、tomako☆さんに代わりポッキーさんを投入。ポッキーさんは、この会場に到着して、たいして時間は経っていない。一応慣れる為に多少ミニオフに乗っていたようだが、それでも試合自体は初めて。それがあの動きとは!!!!!味方チームの男性2人にまったく劣らない動き、闘志溢れるプレー!とにかくアクセル全開は、オンもオフも変わらないようだ。ルーズボールになれば、ひたすら突進!ゴールにこそ絡めなかったが、守備では、相手のシュートを危機一髪で戻ってカバーなど、かなりの活躍ぶり。

ある時、ボールがサイドに転がっていき、これにも食いつくポッキーさん。さすがに制御不能状態(あるいは接触?)になり、大転倒・・・応援していたFBIさんもかなり心配の様子。試合後に分かった事だが、この転倒でポッキーさんは指を負傷、流血していた。が、イエローコーンジャケットに赤いメットは諦める事を知らない!すぐに起き上がり、先ほどの転倒もどこ吹く風!更に闘志剥き出しにボールを追う!

そして後半戦終了・・・我がチームの全ての試合が終わった。最後の試合も、結果としては敗戦。2チーム出場し、3戦全敗。鼻で笑われてしまうような結果かもしれないが、非常に楽しい一日を過ごせた。わずか1000円の参加費で1日バイクで遊べる。こんな環境は、日本ではなかなか無いように思う。(外国がどうかってのは知らないが、日本よりかは、バイクに対する認識は寛容だと思う)こうして、ぷちとまツーリングクラブとしてのバイクサッカー初参戦は幕を閉じる事になる。

 

なぜ、バイクでサッカーなんだろうね?切り込み隊長さんが、試合を見た時にもらした感想である。よく考えると確かにそうだ。別にサッカーをバイクでやる必要はない。誰が考えたのかな?しかし、ヨーロッパでは結構人気があるようだ。日本ではまったく認知されていないが、これは、行く行くはバイクサッカーW杯開催なんてことも!?よく考えると、今大会も一応全日本大会。そういった意味では、僕らは、参加申し込みしただけで、日本の16強だったって事だ!みんな!胸を張ろう!表題にあるような、奇跡は起きなかった。いや、勝負としての奇跡は起きなかったかもしれない。しかし、出場した選手、一人一人の胸のうちには、色々と秘めたるものがあったのではないだろうか。なんて、まじめに書いてるけど、非常に面白いスポーツであることは間違いない。

次回大会は秋に行われる。チームに2名の初心者という規定のせいか、チーム数が少し減ったみたいだが、次回大会は、ぷちとま系列からさらにチームを送り出せたらいいですね!!その為には、女性ライダーに初心者ライダー、しばらくバイクに乗っていないブランクライダーの参加が非常に重要です。こんなツタナイ文をみて、興味を持った方、是非参加してみて下さい!絶対にハマります!

最後に当日、応援に来て下さった方々、参加してくださった方々、強烈な寒風の中の応援と試合、本当にお疲れ様でした。かなりの人が、翌日、筋肉痛に悩まされたと思いますが、そんなのも心地よい疲れに感じたのではないでしょうか。次回も参加しましょう!!

 

※試合展開については、かなり忘れている部分もある為、ちょっと?がつく部分もありますが、ご了承下さい

 

もっと くわしく 知りたい方へ・・・・・・

http://beta1.net/bike-soccer/index.html

 

         作成 2003.3.16  文 ゴート@R6

                          写真 FBI@ランクル

                          構成 riemon☆