赤い航空路
赤い航空路 福本 和也
廣済堂文庫
飛行機の運びやをやっている天藤謙は、2000ドルの金で旅客機を、バンコクから香港に運ぶ途中、国籍不明の戦闘機に遭遇する。
逃れることはできたが、不時着した密林で、ヴェトナム政府軍の逃亡兵達に捕らえられ、ハオ中尉に危うく殺されかける。
ふたたび脱出して、運搬を続けるが、香港で管制官が殺され、犯人として疑われ、逃亡の身となる。
自分を危険に陥れた犯人を追ううち、かれは蛋民の女と知り合い恋に落ちる。
そしてその姉ジェニーが殺される。
ようようにして、九龍貿易社長キャンを中心に、ハオ中尉、元極東運輸時代の上司大坪、手島、滝口等を中心とした、邪悪な組織が浮かび上がる。
彼らは、最終的にアラブ支援のために、アメリカのキモノス長官の乗る飛行機を、ソ連製ミサイルストレラによって打ち落とそうというのだ。
しかし、一味は軍用機で訓練していたため、最新の旅客機が与圧されていることに気がつかなかった。
そしてその一瞬のすきをついた天藤の作戦が効をそうし・・・・。
・君の身体から少しずつ血を抜き取るという方法だってある。(147p)
・歓喜が失望に変わるのもまた早かった。国民党の軍人や官僚は一人残らず「貪官汚吏」だった。(239p)
・政治や宗教で人間は救われるだろうか。とずっと考え続けてきた。
・・・・ようやく結論が出た。政治や宗教で人間は救われないと・・・・(243p)