1015「大きすぎる借金はどうするか?」(11月14日(月)晴れ)
BS放送であったろうか。昨日のギリシャ問題についてのTV放送は面白かった。
立ち聞きであるから、間違っているところもあるかもしれぬが、大略は以下の通り。
ギリシャの財政危機を救う秘策がある。これまでいろいろ借りた債権は違法なものであるから返さないでよい、と宣言してしまうことだ!
かってアルゼンチン危機の折、この手が使われた。豊かな国であったアルゼンチンは90年代後半強力な円高に見舞われた。そこで1ドル=1ペソに為替相場を固定してインフレを抑えた。しかし慢性的なペソ高で経済が停滞した。2001年、当時のロドリゲス暫定大統領は公的債務の支払い、つまりデフォルトを宣言した。同国発行の円建て債券を購入していた日本の自治体なども大きな被害を受けたものが出た。アルゼンチンはその後「緊縮策」をとらなかったために消費は維持され、企業の設備投資意欲が高まった。
実はアメリカはイラクでこの手を使おうと考えた。イラク戦争で疲弊した国・・・・借金が膨大すぎてとても返せぬ。国民から多くの税金を集めるなど工夫しても借金返済でほとんど消え、復興のための予算はほとんど出てこない。そこで前政権が行った借金は違法な借金であるから返さぬ、というものである。
しかしこれを推し進めようとすると小さな国でそのような状況にある国がみな同じことを言うにきまっている。すると世界の金融市場は大混乱になり、アメリカ自体も大きな被害を受ける。
そこでやむなく80%の債務削減ということにした。かろうじて返さなくていい、という状況は免れさせたのである。
やや、左翼的かもしれぬ見方:ギリシャの場合も随分怪しげな貸し付けがあるようなのだ。アメリカは、ゴールドマンサックスがギリシャ政府に入り込み、借金を起こさせ、アメリカ資本の手によって国民生活に結びつかぬ工事などをどんどん行わせた。またドイツは政府も多くの金を貸し付けた。しかしドイツ製の軍艦などを買うことが条件であった。それ故公正な機関を立ち上げ、これらの借金が違法であるかどうか調査させればいい。
実はこんなことをした国がある。エクアドルである。2008年返さぬ、と宣言し、うるさかったIMF委員等を国外退去にしてしまった。一方で借りた金が違法であるか否かを国内に組織を作り徹底的に調べ上げた。そして多くを違法とし借金から外してしまった。
幸いなことにエクアドルは、石油が算出しその収入が大きい。石油の収入のうち、返す分は20%までとし、それ以外はエクアドルの再生に向けて使うとしてしまった。教育、公共事業などが優先というわけだ。今ではエクアドルはそれなりの再生の道を歩んでいるという。
そんな話を聞きながら私は最近耳にはさんだイタリアの話を思い出した。
「イタリアは実はそれほど財政危機というわけではない。しかしギリシャ問題が出てにわかに脚光をあびた。それにつられるようにイタリア国債を売りに出したものがいた。日本の銀行である。その結果イタリア国債は暴落直前まで来ている。」日本の銀行も賢い!ギリシャの国債は持っていたのだろうか。それとももう売ってしまったのだろうか。
実を言えば、日本にギリシャのような危機が迫ってくることも十分考えられる。財務省の出す債務残高国際比較数値、つまりGDP(国内総生産)に対する債務(財務省:一般政府(中央政府、地方政府、社会保証をあわせたもの、2011年時点)は、日本212.7、米国101.1、フランス97.3、イタリア129.0、ギリシャ(2009年時点)108.1である。別の論文ではギリシャの場合は前政権の粉飾赤字が暴露され、市場の信用を失い、金利が上昇したこと、またユーロ圏にとどまるがゆえに緊縮政策をとらざるをえず、プレッシャーを受けることなどが制約、それゆえに不安が加速されているのだという。
現在の危機は「ギリシャ危機」と呼ぶのではなく「欧州銀行危機」と呼ぶべきものだ。ギリシャは民間債務を含めてデフフォルトを宣言し、ユーロから離脱すればいいのだ。しかしギリシャ国民の生活などお構いなく、EU加盟国はおためごかしの支援を続け、ユーロ離脱は認められない、としている。そうなってしまえばユーロのみならずEUという壮大な実験が挫折してしまう。ただギリシャの現政権は及び腰である。それはほとんどの人間が何らかの形で現状に満足しているからである・・・・・・。
最後に残った疑問とぶつぶつ、デフォルトをいくつもの国がやりだしたらどういうことになるのだろう。また非現実的だが、いざとなったらギリシャは、国土の一部を売るなどという話はないのか。するとそれを中国や北朝鮮が買って軍事基地にし・・・・・・。
こういう話は門外漢はわからぬことばかりである。どなたか詳しい方、教えていただけませんか。ついでに円相場の行く末もあわせて・・・・。
註 ご意見をお待ちしています。
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