1037「昔の会社の仲間」(21日(水)晴れ)

 

今週いっぱいというが、全国的に寒波が襲っている。

夜、四谷クラブで、現役時代の仲間であったA氏、B氏と飲む。

おなじガス会社ではあったがこの3人が一緒に飲むようになった経緯は少し変わっている。

A氏は、工場に勤務していた折、一緒であったが、特に親しかったわけではない。しかし彼が私の通信にレスポンスをくれて、次第にメールなどやり取りするようになった。企業小説を書くのだ、と言っておられた。3年前に奥さんを亡くされたとの話だったので、一緒に酒でも飲みましょう、と声をかけたところ、彼が応じて、その時以来である。(821

A氏は、新しいガールフレンドを見つけたらしい。亡くなった奥さんの友人で、「阿笠さんほど親しいわけではない。」と照れるが、一方で四国に一緒に行く計画があるとも言っていたから、なかなかお熱い関係のようだ。いい顔色をされておりうれしかった。A氏は、「一人の旅行は味気ないものだ。」としきりに繰り返していた。

小説は「そろそろ出版したい。」という。もう書きかがっているのだが「幻冬舎に問い合せたところ、よほど良い作品であれば折半などもあるが、普通は300万位かかる。」と言うそうだ。「お金があるなら出版しなさいよ。お金をあの世に持って行けるわけではない。生きていることは半分遊びじゃないですか。」などと妙なことを言っておいた。

お子さんがお二人いて3*26人のお孫さんがもういると言っていた。もういいおじいちゃんなのだろう。

B氏は、どこかに出張した帰りの列車で一緒になったことを覚えている。彼も小説を書くことにあこがれていた。私もそんな夢を持っており、一度か二度彼の小説を読ませてもらったことがある。

彼は、昭和22年生だそうだ。才人である。最近三国志の後を訪ねて中国に仲間といったと言い、その時の写真を見せてくれた。赤壁の戦いの戦場跡で3人の男が楽しげに映っている。それを見てひとりが職場で一緒であったC君と気づいてびっくりした。C君はゴルフと卓球がうまい。なかなか現場の実験に熱心であった。賀状のやり取りをしている。

卓球は何度やっても勝てなかった。C君が、ある時、埼玉のあるゴルフ場の会員権を1000万くらいで買うと言うから「おれは、100万になったら買うよ。」とからかったら怒った。しかしそのうちにとうとう100万を割ってしまった。「カミサンにさんざん絞られた。」とぼやいていた。しかし私のゴルフ場の場合は、募集時に120万であったが、会社がつぶれてしまった。あまり笑えぬ。

B氏の中国旅行は8日で通訳をつけての個人旅行、ほとんど車で回った、旅行エージェントを通じて手配してもらったが一人20万位、という。私もパッケージツアーで5月に弟と大連に行くことを決めたが、この次は個人旅行もいい、など考えた。

B氏は「女性友達とは行かなかったのか。」と聞かれて、「どうも中国は女性には人気がないようだ。」昔中国は奥地ではトイレが問題、との話があったが、それが抜けきらぬのかもしれない。

B氏は、書は6段か7段の腕前という。日展などにも出品したことがあるらしい、という。私が墨汁で書く、半切は130円くらいのものを使う、と言ったらあきれていた。

「墨は全部自分で磨るのが当然だ。墨ののり具合が全然違う。紙は1500-1000円くらいのものを使う。これも墨の乗り具合、しみこみ具合など全然違う。出展料は15000円くらいかかるが、額に納める、搬入搬出などの費用を入れると10万位かかる。」

今はどこやらにゆき、裏千家のお茶も修業中と言う。ほかにも彼は写真をやっている。毎週先生のもとに集まって撮ってきた写真を見せ合うのだそうだ。

娘さんがお二人だそうだが、二人目の娘さんにお孫さんができそうだ、と言う。こちらもいいおじいちゃんの仲間入り?

私は、書や詩吟にお話に加え、カラオケの話をした。実は四谷クラブに来る前にも1時間ほど近くのカラオケに行ってきた。ちっともいい点が出ずに面白くなかった。A氏が「じゃあ、この次はカラオケをやりましょう。」と言うと、B氏が「カラオケかあ。」と渋い顔をした。

6時に始めたが、いつの間にか9時近く。そろそろお開きにしようと周りを見渡すと、後輩だったD君が仲間と飲んでいた。一緒に同期のE君がいたのには驚いた。彼は出世がおくれたせいか同期会にほとんど来ない。「こんどはおいでよ。F君をサカナにして飲もうよ。」と誘うと苦笑していた。F君は社長になった。

現役時代、同期入社はみなライバルなのかもしれぬ。しかし職場を離れてみれば、それより社会とのつながりの少なかった人が多いのではないか。だとすればそういうものはできるだけ大切にしてゆきたい。一人で生きていくということはなかなか難しい。

サラリーマンの人生で、現役でいる時代はひどく長い。一生のうちで、一番大切な時間を一番長く捧げている。それ故その時代を切り離して生きるというわけにはゆかぬ。ならばその絆は大切にしたい。絆はその人の財産と感じた。

 

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