1061「小沢元代表に無罪判決」(4月26日(木)雨)
日本のこれからの政治の在り方を決める問題だけに注目を集めた。
感情論を抜きにして日本経済新聞記事をもとにまとめれば論点は
@
政治資金収支報告書への虚偽記入の有無
A
石川知裕=同罪で一審有罪、控訴中=ら元秘書3人との共謀の有無
B
強制起訴の有効性。
@
について、政治的不利益を避けるために、土地原資となった4億円は、2004年の収支報告書
に記載されていなかったと認められる。
A
について、4億円の簿外処理の報告を受け、了承していたが、収支報告書に記載すべきだとの
認識がなかった可能性があり、共謀は成立しない。ただし「収支報告書は一度も見ていない。」とした元代表の法廷供述については「凡そ信頼できるものではない。」とする。
B
について事実と異なる捜査報告書を作成したうえで、検察捜査会に送付することはあってはな
らない。しか検察審査会の審査に違法性があるとは言えない。
なんとなく裁判官の苦悩が目に浮かぶような気がする。検察の捜査に疑問がある中、秘書に任せていたのだから知らないという弁明は受け入れがたいが、さりとて積極的に共謀して、犯罪を犯したとまでは認められない、疑わしきは罰せずの原則に基づき無罪とする、というのであろう。
しかし無罪判決は、国民の一般的な良識からは大いにずれているように思う。裁判結果は、今後控訴されるかどうかは別として受け入れるとし、今後の問題として2点を考える。
第一は小沢氏に道義的責任はないのかという点。
秘書が有罪で、裁判でも犯意の断定には不明確であったものの、大枠では認識していた点を考えると、無罪、正義が通ったと喧伝できるものか?私は「凛の会事件」を思い出した。「偽の障害者団体証明書を発行し、不正に郵便料金を安くダイレクトメールを送った」事件。部下が勝手にやったことで村木氏は知らぬ、ということになり。無罪となった。しかしこの時ある人が「村木厚子さんは無罪になりましたが、部下に公印を使われた上司としての責任は当然問われないといけない」と述べたという。こんどの場合も当てはまるように思う。しかも「これが通るなら政治家は収支報告書に無関心でいれば何をしてもいいのか。」につながりかねぬ。
もう一つは彼に期待される今後の対応である。評論家屋山太郎のコメントがネットに掲載されていた。小沢氏は無罪を花道に引退すべきだ,というのである。要旨は
「小沢氏が、投資家ではなくて政治家でありながら、なぜ、不動産を13カ所も買いあさったのか。それは、師匠の田中角栄氏の生き方をまねているからだろう。
角栄氏は、土建や土地売買で莫大な政治資金を手にし、田中人脈を培養した。傘下の国会議員を最大110人にまで増やしている。「角福戦争」を戦った福田赳夫氏は角栄氏を評し、「1人が50人を縛る。その50人が200人を支配する。これでは政治が独善、独裁に陥る」と言ったものだ。」
「こうした政権党の金権体質を清算するために、小選挙区制度を導入し、政党助成金を交付して、政治風土の浄化が図られた。小沢氏は、この一連の改正作業の中心にいたはずだが、自らは政治活動の手法を全く変えなかった。」
「小沢氏は新進党を解散し、自由党を分裂させ、民主党に転がり込んで母屋を取る。その手口は、党のカネを握って傘下の議員を増やすというものだった。解散した党に残った政党助成金を、小沢氏は私物化し、その総額は一説に28億円といわれているが、小沢氏は一切、明らかにしていない。」
「小沢氏が民主党に鞍替えし・・・・選挙の責任者となって、小沢氏は何百億円もの政党助成金を自らの一存で使い、“小沢ガールズ”をはじめ100人余の追随者を当選させた。その選挙で、民主党は政権を取り、その政権党に、小沢氏は公金で「党中党」を築いたのである。」
このように断じたうえで、無罪が出たからと喧伝し、控訴されず無罪が確定すれば「政治活動に本格復帰し“野田(佳彦首相)降ろし”を始める」ことは筋違いである、とする。
国民はすでに彼にレッドカードを突き付けている、と私は考える。みなさんはどのように考えられますか。
民主党小沢派の擁護論、あるいは党員資格復帰問題などに対し自民党は
石原幹事長「政治的・道義的責任というものはかなり重い。忘れちゃならないのは、3人の秘書の方が逮捕されている。しっかりと国会に出てきて、国民のみなさん方が素朴におかしいと思ってるものに対して説明責任を果たしていくことを望んでいきたい」
小泉進次郎議員「無罪というのは霧が晴れたような感覚を持っている人も一部いるが、政界の霧は深くなったような印象を持たざるを得ない。今回の無罪は、何か政治の信頼というものをますます失わせるような結果になる可能性もはらんでいるんじゃないか」
けだし、正論と思う。
(追記)友人の一人が「裁判官も人の子、御身大事で最初から有罪にする気などなかったのではないか。」と言った。信じたくはないが、有りそうにも聞こえる。
註 ご意見をお待ちしています。
e-mail
address agatha@ivory.plala.or.jp
ホームページ http://www4.plala.or.jp/agatha/