1064「イケメン男とデート、10万円でどうですか?」(52日(水)雨)

 

近頃のTVは下らぬものが多い。NHKまでが、民放を思わせるような大衆迎合型の放送を打つ。民放はもっとひどい。安手のクイズ番組、アンケート番組、そんなものばかり。夜見るともなく見ているとその民放の下らぬ番組。

しかしそんな中にも何かしら己の参考になるようなものがあるのかもしれぬ。あるものを販売してそれが実際に売れるかどうかをゲストがあてる番組である。

レミーマルタンの一本20万円もするコニャック。

是を分けてコップに注ぎ、日本ハムーソフトバンクの観客席で115000円で売ったら売れるか、どうか。もちろん売り子は球場一の美人。

地元の日本ハムが勝てば売れるだろう、と予想されたがこの日は負けてしまった。

冷やかし客は結構いたようだが、結局売れなかった。

バブルの頃で、景気が良く、時には会社の金が使えるような時代には簡単に売れたのかもしれぬ。何しろあのころは、高級バーでは、何とかいう高級ワインが1100万円でよく売れた、という時代であったのだから。それが時代が変わり、生活が厳しくなり、自分の懐で何事も処理せねばならぬ様になった、ということか。

もう一つ、おそらく日本人はコニャックの本当のうまさなんかわかっていないんじゃないか、と考えた。あれは値段とみえで買っていたのではないか。

渋谷の高級衣料店。ゲストの一人の大した売れてはいない男。腹を見せ、たるみぶりをつまんで見せている写真をデザインにしたTシャツ。それなりのデザイナーが考えたらしく、白黒であまりゲストの様子が大きく映し出されているわけではない。このTシャツが12980円、これが120枚売れるかどうか。もちろんTシャツは一番目立つところに置かれる。そんなシャツを買う奴がいるのか、と思ったが売れてしまった。

もちろん買うのは女性である。Tシャツに3000円は高くはない。その程度の金なら懐も痛まぬ。そうした気分で気楽に買うのであろうか。

しかも人間は自分のやった行為を常に正当化しようとする。この写真はこういう芸人の写真と明かされても、一様に驚くものの「でも可愛いじゃない。」と突き返す様子など見せぬ。もっとも「もう一枚如何ですか。」と悪のりして、進めてもその手は「くわなのやきはまぐり」であったが・・・・。

通販でお笑いタレントが全国どこへでも行きます、そして1時間芸を見せます、20万円、これが売れるかどうか。

是は売れないだろうと思った。問い合わせはあったらしいが案の定売れなかった。そのお笑いタレントに魅力を感じている女性でもいれば別であろうが、そんなギャグを集めただけの芸に客が金を払うだろうか、と考えた。これがたとえばAKBまがいの女性ででもあれば、助平心なるものが働いて売れるのかもしれぬ。たとえ芸の方はお笑いタレントに遠く及ばぬものであるとしても・・・・。世の中、そんなものだ。

イケメンの男が1時間デートをしてくれる。10万円。これも通販で売る。デートの内容は食事をしてお風呂に一緒に入ってくれる。オバサマはこれに乗るかどうか。

これは売れる、と思ったが、案の定申し込みが12通も来たそうだ。様子が紹介される。50のおばさんであった。食事では口をあーんして入れてもらい、一緒に風呂に入って抱かれて、実に幸せそうであった。亭主には内緒で応募したのだという。

私は男と女が逆のケースを考えた。もちろん男は少々乱暴であるから、そのまま肉体関係を迫るなど怪しからん事をしかねぬから、それは対策を考えたうえで、美女が一緒に食事をしてくれて、お風呂に入ってくれる、10万円でどうか、と聞かれれば、今の私ですら応募するかもしれない。やっている内容はトルコと同じではないか。

しかし女性がTVに写すという条件を飲んででも応募してくるとは時代が変わった、とも思った。この応募した女性はきっと亭主にばれたところで「私のお金だからどう使おうと勝手じゃないか。」「別に肉体関係ができるわけじゃなし・・・・。」「じゃあ、あなたがあのタレント並みの満足を与えてよ。」など開き直るのであろうか。少なくとも昔流の羞恥心などというものは吹っ飛んでしまっているのだろう。

自分の金をどう使うか、そのような観点から現代人の心の奥底を感じさせた番組、と言えなくもない。皆さんならこれらのケースで財布のひもを緩めますか、ゆるめませんか。

 

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