1077「「ひとりで死んでも孤独じゃない(新潮社)」を読む」(618日(月)晴れ)

 

著者紹介欄には1954年埼玉県生まれ、70年代半ばの渡米以降、日米の両国を行き来し、取材・執筆活動を続けている。米「ロサンゼルスタイムス」紙東京支局記者を経てフリーにとある。

著者の場合はアメリカ、私の場合は若い時に2年ほどイギリス中部に住んでいたことがある。その時になかなか外国のお年寄りは優雅で幸せそうに見えた。しかし最近の日本を見ると、老人の孤独死などがよく報道され、暗い面が目立つように見える。その辺の差を考えてみたくて求めた。

事例の紹介ばかりが続き、読んでいて時に眠くなるが、参考になる話も多い。一つ一つ私の考えることを付加しながら論述してみたい。

*(アメリカの考え方)都市には人間関係を築くチャンスが多く存在する。人々は道を歩きながら、お互いに挨拶したり、様々な社交の場に参加したりする。一方地方では人々は何処に行くにも車を運転し・・・・・

*マンハッタンで孤立している人が少ないのは、社会的インタラクション(互いに働きかける行為)が盛んにおこなわれているからだ。

・・・・・・国民性にもよると思うが確かにそう感じる。特に男はそれが苦手のようだ。

*政府支援を受けた独居者専用住宅(SRO)がある。元路上生活者、麻薬、貧困などの人を集めている。狭い住宅だが、食事は確保され、それなりの生活を送っている。

・・・・・・生活保護や最低賃金の補償などの拡充をしようとしているが、金で渡せばインチキする者も出よう。むしろこのようなシステムの拡充が求められるのかもしれない。

*既婚の子供と同居している割合は日本が15.0%に対し、米国は僅か3.0%である。

*個人の考えを重視し、子供がいて遺産問題などからんでも、たいていは「結局は父さん、母さんの人生だ。好きなようにすればいい。」との考えが強い。

*個人の考えを重視し、子供がいて遺産問題などからんでも、たいていは「結局は父さん、母さんの人生だ。好きなようにすればいい。」との考えが強い。

・・・・・・日本もアメリカ的になっているように思う。そのためには老人自身も自分で生きられるようにせねばなるまい。

*ヴァイタニードル社はニードル・チューブを作る会社だが、80-90代の高齢者を積極的に雇用しながら事業を拡張させている。従業員48人の平均年齢は74才。

・・・・・・私は中にはそのような例外もあると受け取りたい。高齢者の雇用はそれなりの場を行政が作ったり、推進することを考えねばなるまい。

*新しい出会いを求める高齢者の中でも、その相手と一緒に住みたいという人は少数派のようだ。彼らはパートナーと深い関係になってもお互い別々に住みながらレストランでの食事やパーテイに出かけたり、公園を散歩したりして楽しんでいる人が少なくないという。

・・・・・・私とガールフレンドの場合もそうである。

*ある原爆被害者の話:点字の表示がないなどアメリカ社会に不満はあるが、日本に比べて住みやすい。障碍者であっても恥というものを感じないからだ。

*日本では同居している親族との関係は強いが、別居している子供や近所の人たちとの付き合いの密度が薄いことがわかる。(「別居している子供と週1回以上あう。」が日本52.0%、米国81.4%

*東京大田区にある地域包括センターの紹介:

介護保険は申請して初めて受けられる。ある日突然介護が必要になるケースも多い。そこで地域自治体、町会、民生委員、NPO、介護関係事業者企業などと連携し、窓口に来ない高齢者を支援しようとするもの、65歳以上の高齢者に緊急対応などに必要な情報(住所/氏名など)を「みまーもキーホルダー登録システム」に登録し、身に着けてもらうようにした。これをベースに地域内の高齢者の集いの場所「みまーもステーション」をオープンさせ、活動を続けている。

*独居高齢者に孤独死でもされたら困ると家を貸さない大家が多い。大田区の様な「緊急対応サービス」が必要だ。

・・・・・小さなアパートを経営しているが85歳くらいになるおばあさんが一人で住まわれている。大家としては内心いつ何が起こるかと心配である。このようなシステムがあればいい、有ればもっと貸してもいい、と考えている。

*日本が今緊急に取り組まなければならないのは、家族世帯を前提にした従来の社会システムから単身世帯(独居者)を前提としたシステムに作り直すことである。

・・・・・家族世帯前提はよいと思うが、後者についても徐々に拡充してゆくべきか。

 

註 ご意見をお待ちしています。

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