1079「消費税増税に思う」(6月26日(火)晴れ)
それにしても情けない世の中になったなあ、と思う。
消費増税を行う前にやることがあるだの、選挙の公約だの言うことに理屈がないとは言わないけれど、マニフェストを執行部を追い込むための道具に使っているとしか見えない。そしてそれにつれて動く政治家は欲だけ、自分の為だけに動いているように見える。上がこうだから下がこうなるのか知らないけれど、生活保護の受給もひどいらしい。年収何百万もある大阪市の職員が親に生活保護を受けさせていたり、お笑い芸人の母親の例が暴露されればうちの親にも受けさせろと訴える者が出てくる。実業界の方だってインサイダー取引だの何やらの談合だの・・・・・・。自分の利益優先という思想が日本中に蔓延してきたのか。
情報が誰でもある程度得られるようになったことはいいことだが、なんでも自分の思い通りにならねばすまぬ。従うことを忘れているのではないか、とさえ思いたくなる。政党の主張は多岐にわたっている。そのすべてに何人もの人間が同意することなどあり得ぬ。それ故執行部ができ、そこは決め、皆は従うというのがルールだ。そんなに自分の主張を通したければ離党するのがスジだ。
税と社会保障一体改革関連8法案が衆議院を通過することとなった。民主、自民、公明の三党が事前に打ち合わせた結果である。しかし消費税造成法案の採決では小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相など57人が反対に回り、欠席棄権を含む造反者は72人である。これは所属衆議院議員289人の4分の1に及ぶ。
執行部は反対した者たちをどのように処遇するのだろう。除名が当然と思う。もっともその前に新党立ち上げなどお行い、自分から出てゆくのかもしれぬが・・・・・・。
情報も少ない私であるから何とも言えぬが、消費税増税は、基本的にはやむを得ないと思う。国会議員の削減、無駄の排除などやるべきことは沢山あると思う。ぜひやってもらいたい。しかし少子高齢化に伴う社会福祉費の増大などを全て埋められるものではない気がする。
理解できぬところがあることも事実。消費税を上げる最初の目的は財政再建であったはずだ。いつの間にか税収の2倍を使う予算構造になり、国債の発行残高は1000兆円に近い。対GDP比でみた国債発行残高は他の国々と比べてとびぬけて高い。それゆえに、今は欧米の経済が混乱し円高に進んでいるけれども、いつか国債の利子、返還金などが払えなくなり、ギリシャのようになるのではないか、そうすればとんでもない円安になるのではないか、その結果国家としてのデフォルトまで考えねばならぬのでは、と恐れられている。当初はそれを少しでも緩和することが目的であった。しかし増え続ける社会保障費の補てんと子育て支援などに回り、結局はばらまきの財源に使うようにみられる。
消費税を上げることによる「実害」もどうもはっきりしない。「消費税を上げることに賛成ですか。」と聞かれて「賛成です。」と答えるバカはいない。これは電力料金の値上げの公聴会でも思った。あれは茶番だ。値上げに賛成するものなどいないからひそかに会社関係者などに頼んで賛成してもらっているのだ。通産省だってそれを裏で応援していた。発覚するとマスコミはとんでもないことと非難する。自分たちの放送料金の値上げのことは棚に上げて・・・・・。そんなに公聴会を開きたければ消費税値上げの可否についても開けばいい!視聴率を取りたいマスコミは聞いて回って「増税は困る、困る」と言い続けるのだろう。
繕った答えが氾濫するから本当のところ皆がどのくらい困るのか分からない。しかしたとえばそのような措置を取らなかった場合と取った場合では海外の「円」に対する反応はどう違うのだろうか。それは輸出入品の価格、われわれの生活にはどう影響するのだろうか。また消費が本当に消費税が上がったことによって下がるか、というところも疑問だ。平均にすれば日本人はかなり資産を蓄えている。それ故に右から左に生活を切り詰めるという図式は成り立たないように思う。増税の影響を緩和し、巷間言われる逆進性を補うために、食料品の税率を下げる、低所得者層へ現金給付をするなどが検討されると言う。食料が買えぬほど困っている家庭がどれだけあるというのか、さらにインチキをして生活保護を受けている連中までいるという中で現金給付などする必要があるのか、との疑問がわいてくる。消費税の値上げは富裕層にだって十分影響する。
一番の問題点はこのまま社会保障費増えればまた値上げするというのか、という点ではないか。つまり基本的人権だか生存権だか知らぬがそれを守るということが唯一無二の至上命題かということだ。社会保障は充実していた方がいい。しかしそれは国家の収入がそれに見合って十分あるときの話ではないだろうか。戦後の混乱期を思い出すがいい。やりたくても国家としてできなかった。最近では企業経営が苦しくなってメセナなどの活動費がどんどん削られたことを思い出す。社会や己の社員の福祉のために企業もつくしたいのだ。しかし企業の存続が危うくなればそれもかなわぬ。日本は少子高齢化に向かい、税収なども今後落ち込んでくる。そんな時に従来通りの社会福祉の充実を求め続けられるだろうか、どうしても疑問に思う。そしてその考えを医者の手術のようにどこかで断ち切らざるを得ないときがくるような気がする。
とはいえ、日本経済新聞には「野田首相はマニフェストと小沢政治の呪縛を解き、自民、公明両党との連携を軸に、やっと一歩踏み出した「決める政治」を前に進めて行くしかない」とあったが、それはその通りと思う。一つの政界の転機になってくれればと感じる。
追記 その後民主党の分裂騒ぎは新聞などで見る通り、日本はこの先どうなってゆくのだろう。
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