1080「厦門コロンス島旅行」(629-72日)

34日で友人と厦門コロンス島旅行に行ってきた。燃料チャージは別になるが15000円、安くて大変結構。

厦門市は福建省で台湾の中国側の街と考えればいい。人口250万人、厦門本島と九竜江北側の一部からなる。本島は中国語大経済特区の一つに指定されて大発展したという。島は台湾と海峡一つはさんで相対峙している。

この旅行の目玉はまずはコロンス島。

厦門本島にほくろのようにくっついた小さな南の楽園。清末1902年、列強の疎開地とされ、米、英、仏、日。ドイツ、スペイン、ポルトガル、オランダなどが領事館等を設けた。また外国人や故郷に錦の華人が別荘を建てた。それらが名所となっている。日本の戦前の領事館もあったが、現在では警察官の宿舎か何かに使われているらしい。またこの島はピアノの街とも呼ばれ、非常に所有率が高いのだそうだ。中国も豊かになったのか、多くの観光客で島も渡しの船も随分混んでいた。私たちもビンロウジュの並木、赤いユリの様な花をつけた木は鳳凰樹木などに彩られた街をぶらぶらしてその雰囲気を楽しんだ。

本島のメインストリート、中山通りの散策も楽しかった。言ってみれば歩行者天国。たいそうな人出、家族連れも多い。左右にはデパート、レストラン、洋服屋など立ち並び夜店も多い。暑いからホットパンツの女性が多く、男性には大変結構?

島の東側道路は通称マラソン道路と言われ、しばしばマラソン大会が行われる。植え込みの中には市民ランナーらしきもののブロンズ製の像がいくつも立っている。しかしここは沖合僅かのところに金門島が見える。台湾の領土が見える。台湾では李登輝が総統だった1990年代後半、米国ではビル・クリントンが大統領。中国がミサイルを乱発し、米国は空母を派遣。両者は一触即発の危機に陥った。さらに台湾は独立派の陳水扁が総統になり、中国は神経質になり2005年に反国家分裂法を制定し、台湾への武力行使の法的根拠を与えた。

其の後2008年に親中国派の馬英九が総統に就任し、小康が保たれ、経済交流も少しづつ盛んになってきている。しかし中国側には「一国二制度統一」の大きな看板が、また台湾側には「三民主義」の看板が、いまだに立ち、決して一方が妥協しているわけではない。

浜は海水浴をする人であふれ、媽祖像が海と彼らを易しく見つめている。平和の有り難さとそれに対する不安感みたいなものを感じた。

しかしこのようなこともありか、と思いをはせたのは三日目の最近世界遺産委登録された華安土楼へのツアーであった。土楼つまり土の楼閣の多くは南部に多く点在しているらしいが見学したものは厦門から車で二時間余り、のどかな山間部にあった。

17世紀以降、清王朝が続く中、漢民族はいろいろな迫害を受け、流民となってさまよったグループも多かった。客家とは日本語で考えると、何か相手を大切にしているように響くが、本義はヨソモノ一家とのニュアンスらしい。流民となった漢民族を地元の人はそのように考えたのだろう。

そこで彼らは外敵に襲われることなく、自分たちだけの生活を守れる城を山奥に風水の占う良いところに作り、自給自足の生活をしてゆこうと考えた。この辺はユダヤ人もローマのキリスト教徒も源氏に敗れた平氏も同じように考えたなあ、と思った。

私たちが訪れた蒋氏の二宣楼は上部に明り取りのような小さな窓がついているだけの土壁の巨大な円柱、直径が80m位、下部の壁の厚さは2.75m、高さは16m位。作るのに30年かかったという。蒋一族創始者夫婦の像と家訓らしいものが2カ所に掲示されている。現在は14世。なかなか教育熱心の一族のようだ。全体で三層、4階建て構造になっており、見学者は上に登って楽しめる。

中庭には井戸が二か所。かっては200世帯以上住んでいたというが、今では100人程度とか。それも老人が多い。土産物屋などを開業している。周囲は水が確保され、農地が開拓され、自給自足できるようになっている。楼の前の農業用の人口池には、あまり大きくはない鯉が泳いでいる。周囲は茶畑、茄子や南京豆も育っている。

ガイドの馬氏の解説が面白かった。

「実は私は客家なのです。ここよりもっと奥に或る四角い土楼で育ちました。土楼生活の目的はもちろん外敵に対する防衛もありますが、一族の一致団結の強化という意味も非常に強いのです。」

「しかしあのような狭いところで風呂はありません。盥に湯を入れてそれで体を洗うだけです。トイレは部屋に桶が置いてあり、そこでするため、臭くて仕方がありません。次第にトイレは外に設けるようになりましたが行くのが大変です。家畜が一緒に住む場合もありました。そんなことですから若者がどんどん逃げてゆくのです。」

家族の団結力という言葉に何か忘れていたものを思い起こさせられたような気持になった。厦門に旅行するようなことがあれば是非尋ねてみることをお勧めします。

 

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