1083「長瀞の鮎再び」(7月12日(木)曇り)
長瀞の鮎は6月10日に解禁になるが、まだ鮎が小さい。7月になるといい、とは丹一のお兄さんの話。その7月初め、この時期は梅雨の終わりの頃、天候になかなか恵まれぬ。今年も例外ではない。梅雨前線にのって雨が降るということで昨日は行くべきか否か、少し迷った。しかし幸い曇り空。
鮎の会の最初は2009年の6月20日である。通信の報告772「男二人、長瀞の鮎料理を楽しむ」にあるとおりである。この時はA君と二人、「長生館」でアユ料理を楽しんだ。しかしその後、その先川べりに或る旅館「秩父館」が経営する「丹一」が本当に自分で採ってきた鮎を食わせる、と言うのでそちらに乗り換えた。2回目から同じ同期の女性Bさんが参加するようになった。その顛末は10年7月14日、880「女一人+男二人、鮎料理を楽しむ」に示すとおりである。
去年も申しこんだが、「水嵩が多くて、鮎が取れぬ。今年はやっていない。」ということであった。・・・・・さてここから、私の記憶が怪しくなる。どこかで一度C君と3人で鮎を食べに行ったことを覚えている。その時は天気が良くケーブルで宝登山に登った。名物の蝋梅は時期ではないが、頂上まですこしと言うのでC君と登った。去年はいかなかったのだから一体いつ行ったのだろう・・・・・?
それ故この訳の分からない1回を入れれば今年は4回目ということになる。A君を通じて、同じ西高校で一期下のD君という人が参加させてくれという。A君と同じ生物部であったらしい。今でも蝶々が趣味という。何か私の弟の様・・・・・。しかし胸の病気を患い、今でも時に呼吸が苦しくなるらしい。所沢で落ち合ってレッドアローに乗ったが彼は黒い小さなカートを引いている。なんと酸素ボンベだというのだ。
20年前、イギリス留学中に亡くなった妻が娘とやってきたことを思い出す。彼女は膠原病で苦しんでいたから医者と相談した。定期的に点滴をし、旅行中は酸素ボンベを持ち歩き時々吸うこと。エジンバラなどに行ったが車の後ろにはいつも酸素ボンベがあった。体が悪くなっても人生を楽しみたい・・・・誰も同じだ!
長瀞は秩父鉄道である。秩父鉄道は今ではJASDAQに上場する企業だが、筆頭株主は太平洋セメント、その前身秩父セメント時代は武甲山から産出する石灰石を運び出していた会社である。接続は西武秩父駅からお花畑駅まで3分くらい歩く必要がある。いつの間にかお花畑駅の下に芝桜駅と書いてある。八重歯の可愛い改札の女性駅員に聞いてみると「駅の名前を二つにしたんです。」この近くに芝桜の名所、羊山公園があり、観光客に来てもらおう、という魂胆らしい。
長瀞駅には11時40分くらいについた。駅前通りを下り、すぐに丹一。「予約した阿笠だが・・・。」と言うと「まだ少し早くありませんか?今、鮎を焼いています。」と言われた。葭簀張りの庭にしつらえられた席に通された。何時も見かけるドーベルマンの姿が見えぬ、と聞いたところ家の中に入れてある、とのことであった。水槽には70センチくらいはあり、はみ出しそうなくらいの鯉が二匹入っていた。きのう捕まえたのだという。鮎やエビも数匹入っているがよく鯉が食わぬもの、と思う。屋内の鴨居の上にあった燕の巣はいつのまにかなくなっていた。田舎を感じる。
酒を飲んでいるとようやく料理が運ばれてきた。刺身、はらわたかキモを使ったサラダ、鮎の揚げ物、田楽、塩焼・・・・・。鮎が小ぶりである。お兄さんが出てきて「昨日網を投げて私が取ってきた。今年は水温が低くて育ちが悪い。」とのこと。「落ち鮎の頃だったらどうだろう。」と言うと「9月過ぎだが、そのころは太っているだろう。」
鮎は、川に入って行って網を投げ一掬いにする。最近のTVの放送。湖の鮎は、大きな魚に群れが追いかけられると水面に浮かんでくる。それを見つけて投網を打つ方法を紹介していた。しかし川ではそうはいかぬかもしれぬ。D君は知人に連れられて鮎の友釣りをやったことがあるそうだ。囮の鮎に本当に鮎が近寄り、途端に竿先が重くなる感触は最高だ、と言っている。丹一の料理の鮎は実にうまかった。最後に鮎飯。この鮎ばかりは養殖の鮎を使っているようであった。
酒もまわっていい気分。D君は神社の御札を集めることも趣味らしく、ロープウエイふもとの宝登山神社までもらいにゆく、と一人で去った。私とC君はもう少し歩いてみようと長瀞駅で案内図をもらい、上長瀞方面に散歩。時期であれば桜が美しいようだ。また川下りは上長瀞からも出ており、こちらは荒川コースと呼ぶ。県立自然博物館および「日本地質学発祥の地」の碑もあった。機会があったら寄ってみるのも良いかもしれぬ。散歩は時間もかからず、一番早い電車に乗った。A君とBさんが乗ってくるかもしれぬと探したがいなかった。きっとお茶でも飲んでいるのだろうか。
人に言わせると「3000円も交通費をかけて、たかが鮎を食いに長瀞まで、なんと酔狂な・・・・。」ということになるが、それでいいと思う。しかしあと何年続けられるものやら・・・・。
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