1144「アベノミクス2」(2月18日(月)曇り)
G20の麻生財務相のことをウオールストリートジャーナルが
「麻生氏はファッションでも存在感を発揮した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は黒のソフト帽とロングコート、水色のマフラーをかけ、モスクワ便に乗るため成田空港を歩く麻生氏の写真を「ギャング・スタイル」の見出し付きで掲載。「(マフィアの)5大ファミリーのボス会議に行くの?」と紹介した。」(毎日新聞電子版)
今回のG20財務省・中央銀行総裁会議で急激な円安と共に初参加となった麻生首相に関心が集まったという。さらに引用すると
「世界の金融市場を動かしている「アベノミクス」への関心を反映し、各国閣僚らから麻生氏への個別会談の申し込みが相次いだ。円安への懸念を示していたドイツのショイブレ財務相との会談で麻生氏は「アベノミクスはデフレからの早期脱却が目的」と説明。ショイブレ氏からは為替の話題は出ず、日本政府関係者は「金融緩和で円安を狙っているわけではないと理解された」との見方を示した。」
また別の報道ではショイブレ財務相は麻生氏がまくしたてショイブレ財務相は圧倒されっぱなしであったとか。
ドイツやフランスが、日本の急激な円安に不満を持っていることは明らかである。そしてそのようなことがあるたびに彼等は米国を巻き込み日本をつぶしにかかった。
彼等はリーマンショック以降うまく自国の通貨安をリードしてきたように思う。
今となってはギリシャ危機を喧伝し、スペイン、イタリアの財政不安をあおってユーロの不安定さを見せつけ、ユーロ安を導いた主犯はドイツではないか、とさえ思う。
為替は相対的なものである。日本の企業が円高に苦しんでいた時にドル安、ユーロ安で大儲けをし、ほくそ笑んだのは欧米であろう。それを日本がデフレ回復のためにそのような政策を取ったと非難するのはずいぶん虫がいいが、議論は大きな流れで決まる。その流れを作るのが得意な連中である。
今回の会議で中国が日本非難に反対したらしいことも伝わっている。管理相場で為替を意のままにしていることを非難されてはかなわぬ、という事なのだろう。
そんな中で存在感を見せつけ、薄氷をふむような経過であったとはいえ、比較的緩やかな声明を出させたという事は日本外交、極端に言えば私はこれは麻生氏の大きな勝利ではなかったか、と思う。
国会で民主党議員が「私たちも金融緩和を行ったし、1%の物価上昇目標を立てた。アベノミクスでなくてアベノマジックだ。」とぼやきのような質問を行っていた。安倍首相は「皆さんのやった努力は認める。けれども結果がすべてではないだろうか。民主党がやった時はうまくゆかなかったではないか。」
強烈な言い方と思うがその通りである。その違いの原因を考えてみると「センチメント」にぶつかる。そういう言葉を唱えることによって人々をその気にさせ、そちらに引っ張ってゆけたかによる。
主張するだけではなく人々を共感させ動かすコミュニケ―ション能力、これが政治でも外交でも必要なのではないか。外交だって各国は政府の指令だけで動いているように見えるが、個人のパーソナリテイが大きく影響することも確かだ。
戦前日本は国際連盟を脱退し、太平洋戦争への道を突き進んだ。時の流れ、軍の横暴など言い方もあるが、日本外交の失敗であった、という言い方もできる。敵意むき出しの欧米を説得し、己の立場を理解させ、仲間に引き入れる・・・・それは立派な外交になるが、それが個人の能力によっていることも確か。
新聞は「日本はデフレから脱却し成長する義務を負わされた。」など書いているが、素直に外交の勝利をたたえるべきだ。もっともこのタイトルの示すようにこれからが勝負。お金をうまくまわし、デフレ脱却を行い、景気を上向かせ、国民の所得を向上させ、税収も多くなるような社会を築いてほしい。
(追記)安倍首相がアメリカを初めて訪問した。TPPは「聖域なき関税撤廃は前提ではない」と玉虫色にも見える決着になったが、日本の要望がかなり取り入れられた、と感じる。日米同盟の強化、北朝鮮の核・ミサイル問題への「断固たる対処」、普天間問題の早期進展などが今回の日米首脳会談のポイントのようだ。シェールガスの供給要請でも前向きな評価を得ている。未来志向で米国とうまく付き合ってゆくことが期待される。民主党政権時代には考えにくかったことだ。
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