1145「奥湯河原一泊旅行」(219日(火)雪―20日(水)晴れ)

 

昔、車いす生活になったおふくろが言っていた。「元気なうち、楽しまなければ損よ。」

最近あった友人は世界一人歩きばかりしているらしい。彼は昔は会社一本の優秀な技術屋であった。また別の友人は「家族を想って定年後も会社に残り働き続けた。ところがある時貯金を調べたところろくにない。カミサンと娘がせっせと使っていたのである。馬鹿馬鹿しいから会社を辞めて俺も遊ぶことにしたよ。」

実を言うと私もそんな仲間の一人・・・・・・。

ガールフレンドのAさんと奥湯河原温泉に一泊で行ってきた。彼女は長年非常勤講師として英語を教えていた。それをとうとうこの2月でやめることにした。その慰労を兼ねて「どこに行きたいか。」と聞くと「のんびりするところがいい。」というので湯河原になった。

またいつもの蘊蓄。ウイキペデイアによれば誰が見つけたのかはともかく湯河原温泉は万葉の昔からあるらしい。「足柄の土肥の河内に出ずる湯の世にもたよらに子ろが言はなくに」と詠まれており、町に歌碑が立っているとか。江戸時代には徳川幕府に献上し、明治時代には夏目漱石、島崎藤村、芥川龍之介といった、多くの文豪が愛した名湯だそうだ。

湯河原温泉は数十万年前に活動を終えた湯河原火山の浸食カルデラ内に湧出している。

湯河原火山は多賀火山、宇佐美火山と共に伊豆半島北部にあり、これらの火山は、フィリッピンプレートに載った離島であった伊豆半島が、本州側のプレートと衝突、隆起して半島になりつつあった時期に形成された大型火山だそうだ。湯河原火山は現在活動中の箱根火山につながってゆく。

純和風旅館、山翠楼。JTBサイトでの評判が良かったので決めた。お湯は敷地内にある源泉から温泉を引いており、加温加水して適温を保ち、衛生面から循環ろ過しているそうだ。無色透明単純泉。

数日前から張り切っていたが、天候は最悪。

小田急で小田原まで行き、そこから東海道、湯河原からはバスであったが、行くにしたがって雪が舞い始め、向こうについたことには本格的になっていた。8階の部屋から外を眺めると奥湯河原の街並み、箱根に続く山々、林、雪にきれいにおおわれている。

屋上が男女入れ替え制の露天風呂になっている。屋根がまるっきりない、小型のプールみたいな温泉、思い切りの解放感。シャーベットのようになった雪を踏みしめて湯船に。

湯は熱いくらいだから、ゆっくりお湯につかれば外の寒さは忘れられてしまう。こんな日に客は我我くらい、と思っていたのは大間違い。団体客が入っているらしく、男たちがぞろぞろと入ってきた。

夕食は懐石料理。この旅館の評価はおおむね良かったが、数件ひどい評価があった。是といったものがない、ミシュランで評価されたというが何がミシュランだ、家具等は少し古い等々。若い人には量が足りないのかもしれない。

しかし全体にはおいしかったように思う。最後の方にこの旅館で作っている、出来立てだ、という湯葉が出てきた。箸に洗濯物のようにぶら下げてあるがなかなかおいしい。

何もしなかった。TVを見たが受信チャンネル数が少なく面白くない。

最近の旅館はずいぶん工夫している、料理、部屋の作り、見晴、生け花、従業員の態度、風呂等のユーテイリテイ・・・・。しかし泣き所は客の娯楽設備ではないかと思う。客に来てもらって快適な一日を過ごしてもらいたい。其のために外の散歩コースなど紹介するのも手であるがこうした日は困る。ところがTVは契約の関係かほんのベースの局しか映らない。外国のホテルではそうでなくたくさん映るような気がする。個人的にはTV 、ラジオはほとんど聞けるようにし、できれば部屋でカラオケ位できるようにすれば楽しいのではないか、と思う。囲碁、将棋、カードなども必需品と思う。

仲居はかわいい娘だった。しかし布団の上げ下ろしまで担当だから、大変だろうな、と思った。彼女はいくつの部屋を担当しているのだろう。手当てを部屋数で割れば彼女に旅館代に含めて支払っている金額が分かる?

焼酎の酔いも手伝って早めに寝てしまった。翌日になると雪はやんでいた。朝風呂にも入り、バスでのんびりと戻った。温泉の近くに椿の通りがあるという事だが、寒くて行く気にならなかった。

わが家に戻ると会社時代の友人B君からメールが入っていた。彼も湯河原に1週間くらい前に行った、と会った。あの奥湯河原から出るバスの終点は幕山公園、梅の名所。彼が行ったときには一分咲であったという。よればよかったとちょっと残念。

 

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