1149「株と自己責任と隣のバカ」(38日(金)晴れ)

 

少しばかり株をやっているので、噂話の寄せ集めであるけれども、株の話をしてみよう。

TVでの株式関連放送は最大限の逃げを打っている。「当たらなくても知りませんよ。」専門家なるものが出てくる。そして司会は「今週のダウのレンジはどのくらいと予想されますか。」すると専門家は現在の値を挟んで上下1,2%の適当なことを言う。あれなら馬鹿でもできるではないか。

昔は、証券会社はこんな株がいい、あんな株がいい、と勧めた。しかし最近はかなり少なくなっている。失敗したときにお客から「お前のせいで失敗した。」と言われ、挙句の果ては訴訟まで起こされる。そこで彼等は「投資は自己責任でお願いします。」という。しかしお客はその根拠となる情報を証券会社ほど持っているわけではない。

正しい選択あるいは正しい選択をする確率とは何か、わかりにくいが、仮にそれが

判断力*情報量

で表されるとするなら、情報量の項において断然お客は不利である。

理屈から行けばお客は証券会社が株を運用する以上に大きな利益を生むことはないはずである。

儲かった、と感じるのは誰もがもうかっているとき、証券会社が損をするような相場ではお客も損をする。それを時々儲ける者がいるのは証券会社の能力が不足しているせいか。

お客は証券会社から情報を引き出そうとするが、善良な証券マンは二つの視点に立つ。

一つはお客のためになる株を推奨したい、という立場。

もう一つは会社のためになる株を推奨、という立場。

昔は後者で、つまり会社で勧める株を決め、お客をそそのかし、それで相場を作るようなことを証券会社によってはやっていたらしい。現在の証券マンは立場をうまくわきまえる一方客の「自己責任」を強調しながら商売をするのであろうか。もっとも昔もそうであろうが、最近の証券マンはずいぶん知識が不足しているように見える。「この会社はつぶれるのではないの。」「どこにそのような情報がありましたか。」逆に聞かれてしまうことまである。

最もここ3か月ほどはアベノミクスで潤っているから知らぬがこんな話も聞いた。最近の証券マンは株の代わりに投信を熱心に勧める。理由は投信の手数料が高いからである。投信は最初に投資金額の3%くらい取られてしまう。年間手数料もそこそこ取られる。

証券マンの給与にどの程度歩合的なものがあるか知らぬが、こちらに熱心になるのは当然である。

株式の売買手数料は最近は競争が激しくこの10分の1にも満たぬ。ネット証券など一定金額払えば後はいくら取引しても手数料がかからぬ者もあるそうだ。

さてお客は雑誌や新聞を読んだり、人の情報を聞いたりして無い知識を振り絞って判断しようとする。無知なお客ども・・・・その彼らがとんでもない流れを作る。

最近、特に小型株で業績に大して関係なく急騰したり、急落したりするものがあるという。何らかのきっかけで少し大きく、買われたり売られたりすると、皆そちらにどどっと流れるからとか。

さらに朝上がりそうな10社くらいの会社の株を買う。今日上がるか上がらぬかくらいは予想がつきやすいのかもしれぬ。その株を夕方が翌朝にはもう皆売ってしまう。当たるも八卦みたいなところがあるが、いくつも買えば補い合うから案外利益が出る物らしい。

最後に、株の話を中心に述べたけれども、自己責任は、自分の責任を回避するために使われる。

社会は、しばしば民主主義の名のもとに、言い得がまかり通ってしまう自己責任のあいまいなものになってしまう。人々は言論の自由などを根拠に勝手なことを言う。新聞や書籍までがそうであるから困ってしまう。そしてこれらを読んだ素人が二次的知識をもとに勝手なことを言う。もともと素人は専門家ほどの知識を持っていないことを銘記すべきである。

言うのはよいけれどもそれを人々に強制するようなことも遠慮してほしい。しかしそれについての議論は別の機会にしたい。自己責任のあいまいな中で社会の大きなうねりが作られる。それを背景に政治が作られる。良く考える。「三人寄れば文殊の知恵」は正しいか。「バカとバカが集まれば利口になるか。」どうも怪しい。しかしそんないい加減に形成された中で、政治も社会も進んでゆく。それが分かっていても「自分一人が正しい、自分がすべて判断できる」と考えることは恐ろしい、個人的な独裁主義に陥るかもしれないことを銘記すべきだ。自分はバカだが、隣のバカの意見も尊重せねばならぬ・・・・・それが民主主義の世の中。

追記 それでも最近は証券会社も、かなり情報を提供してくれるようになった。私の使っている証券会社のサイトには個々の会社の情報のほかスキャン機能までついている。この前はよく覚えていないが配当性向4%以上、資本金3000億円以上くらいでスキャンし株式購入に役立てた。

 

註 ご意見をお待ちしています。

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