1151「大震災から2年」(3月11日(月)晴)
三寒四温というが、気温の変化が激しい。昨日は20度を超し、いやになるくらい暑かった。ところが今日は非常に寒く、しかも風が激しい。
昨日、今日習字があるから、という事で半切に4月末の発表会で歌う詩吟「城山」を書いた。
書き直しを繰り返したが今回は少し良くできた様に感じた。それを持って張り切って出かける。昼飯を食べて、それからしばらく喫茶店で中国語の教科書など復習しながら時間を過ごす。そして3時、ようやく待ちに待った、という感じで読売文化センター。すると教室に「講師の都合により休講します。」くそったれめ!憤懣おさまらぬが、仕方がない。
ルミネに館内放送が流れる。正確に覚えていないが「あの大震災から2年がたちます。地震が起こった2時46分に黙とうを行いますので皆様ご協力ください。」
あれからもう2年になる。
月日のたつのは早いものだ。しかし復興があまり進んでいない、話を聞くと何をやっていたのだろうとも思う。大震災は今から考えれば、民主党政権に与えられた課題であった、様にも感じる。それがうまくいっていないのは何か仕事の進め方が間違っていたのかもしれない。政権が代わって今度はスムースに取り組んでもらいたいものだ。
あの時のことを思い出す。私は自宅にいた。揺れが激しくなり、あわてて外に飛び出した。アパートも家もぐらぐら揺れていた。倒れるのではないか、と一瞬思ったほどだ。
確か85歳くらいになるBさんが飛び出て来た。「どうなりますか。」言われたって、わかるもんじゃない。それより後で考えたら、Bさんは庭の方から直接出てきた。不審者が入らぬよう庭には1mほどの生け垣を越さねば入れぬようになっている。あれをどうやって乗り越えてきたのか。
其れからだんだんに地震、津波、そして福島原発のトラブルなどの報道が相次いだ。最終的に死者は15000人を越える大参事であった。
今日あたり、TVはその放送ばかりである。2年たったが復興はまだまだ道半ばの様だ。今回の災害をことさら大きくしたのはやはり原子力発電所、原子力の怖さが再認識された。その後のこの国のエネルギー政策はいまだにはっきりしない。原子力のしばらくの利用、自然エネルギーの利用、シェールガス頼り、メタンハイドレード、どれも決定打にならぬ。そしてその日暮らしの様な中に毎日が過ぎて行っているように感じる。
国と東京電力に対して、国はこれまで予測できなかったわけでもないのに地震にも、原発事故にも対策を取ることを怠ってきた、けしからんという事で裁判を起こす動きがあるという。私はおかしいと思う。そんなことを言ったら、あの太平洋戦争だって国家の責任ということになるではないか、と思う。過去にこだわるべきではない。同じようにあの奇跡の一本松の話などもどうかと思う。
一方でTVで震災をうけた人たちの震災直後と現在のインタビューを比較して報告していた。「これからは過ぎたことよりも、これからを考えて前向きに行きたい。」とする主婦の言葉が印象に残った。
復興作業が遅れているという。国の予算のありかた、現場での受け止め、人手不足、或いは被災者の中に芽生えた住民対立、いろいろな問題があるのだと思う。「傍観者のたわごと」かもしれぬが、それらを克服して、前に進んでもらいたいと願う。
被災者には気の毒であると思うが私は私なりに人生を楽しんでいる。
ガールフレンドのAさんが私のことを「今が一番いい時、わが世の春を楽しんでいる。」といった。サラリーマンは定年、あるいはそれから数年で引退。死は必ずやってくる。その間の元気なうちの20年近くこそ「一番いい時」なのかもしれぬ。私も朝から晩まで自由、子達は独立し、それぞれに元気らしい、幸いに健康・・・・というわけでラジオ体操にお稽古ごとに国内旅行に国外旅行、人生遊ぶためにできている。しかし表があれば、裏がある人生、「禍福はあざなえる縄の如し」・・・・明日は何が起こるかわからぬ。気を引き締めて、というより、そうなったときはそうなった時のことと腹をくくって生きていきたい。
2時46分、店内で黙とうを掲げている者はあまり見かけなかった。人々は過去を忘れて自分のやるべきことを考えているようにも見えた。
「震災の話を風化させるべきでない。」という意見をよく聞く。それはそれで正しいのだと思う。しかしそれだけに囚われすぎているのも考え物である、と思う。我が家は太平洋戦争の折横浜にいて焼け出された。父の話によれば行李一個で、長い道のりを歩いて、ようやく親類の家に転がり込んだ。しかし、運もあったのだろうが、2年後には杉並の今のところに土地を買い、トントン吹きの家を建て、一家が住めるようになった。あらためて父はすごかったなあ、と思う。
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