1172「本当に解放される時」(67日(金)晴れ)

 

一昨日の日記に全く無為な一日を過ごした話を書いた。しかし結構忙しい。

炊事、洗濯、三度の食事、まるで主婦である。私は食事を作ることはそんなに苦にならぬ。理由は20年近く前に妻が他界し、必要に迫られて作るようになったからだ。「必要に迫られる。」これは人の能力を伸ばすうえで一番効果的方法かもしれぬ。語学について誰かが「とにかく使わざるを得ない環境に身を置くことです。」と言っていた。

入居したての店子が「トイレの電気が壊れている。」と電話してきた。まるで管理業務。大工に連絡、対応を頼む。工務店は大工仕事のうまいものと並んで動きのいい、人当たりのいい、なんでもできるマルチプレーヤーが必要のようだ。我が家に来る大工のAさんもそうだが、大工仕事も水漏れも電気器具の故障も何でも一時的な対応ができる。結局これも必要に迫られてか。

自分で自分の首を絞めているようなものだ、と感じながらお稽古事。習字に詩吟に中国語。たとえ週に一度でも個人の時間をかなり食う。往復の時間に準備の時間、派生して資格試験でも受けようものなら大変だ。ただしこういうことをしないと進歩しないことは確実。

そのくそ忙しい中をパソコン。数日前からインターネットにつなぐと

「お宅のパソコンはクラッシュ寸前です。すぐ修理をしてください。修理代は無料です。」とメッセージが出て押しボタンがついている。しかし私のパソコン製造会社DELLの名も、ウイルスソフトのNORTONの名もない。怪しげ。

DELLに電話をすると「それはそう簡単に消えません。お宅様と私どもはハードの保守のみの契約となっております。ソフトの契約をしていただきませんと対応できません。」ええい、アベノミクスで少しは潤っているのだ、構う物か、と承知すると、向こうはシステムの復元を使って、10日くらい前のものに戻して一件落着。しかし最近いやな話を聞く。

「昔はパソコンメーカーは有償無償は別にしてすべて治すことができた。ところが最近メーカーは「5,6年もたって壊れるのはしかたがない」と腹をくくっている。」

パソコンにしろ、携帯電話にしろ、カメラにしろ、買ったときにはそれなりに勉強する。何しろしなければ使えないのだから。しかし日常忙しい中で故障されると、もう昔やったことなど、すっかり忘れてる、面倒くさい、パソコンなど蹴飛ばしたくなる・・・・。

さてパソコンが、DELLの中国人アドバイザーのおかげでどうにか治って、気分よくメールを開くとなんと訃報。古文書研究会に最近参加するようになったB氏がすい臓がんで突然亡くなった、というのだ。俄に信じがたいが、会のC君のメールであるから間違いないのだろう。51日に医者に告げられ、64日に逝去、人の命の儚さ!

彼は熊谷に住み、中小企業経営者を集めて「孫子経営塾」というのを開いていた。あの中国の孫子の兵法にどのようなことを学ぶのだろうか。彼はC君の紹介で会に参加し始めた。私は良くは知らぬ。しかし三か月くらい前に、文書研究会の後、新宿で帰り道同じ方向のD君なども入れて飲んだ。其の時には全くそんな様子が見えなかったのだが・・・・・。経営塾のようなことで神経をすり減らした結果かもしれぬ。

郵便受けを開く、案外手紙が沢山届く。先ずは税金。お役所は取ることだけはまずしっかり、というところか、この時期多い。それを払いにゆくのも一仕事。杉並区など4期分の用紙を送りつけてきて、それぞれの期間に払えと来る。そんな用紙を1年間管理しておく等まっぴらだから期毎の督促状が来るのを待って払う。そして株主総会と配当等の通知、もう面倒くさくなって今年から証券会社の口座に振り込んでもらうことにした。そしてチラシ、広告。それでいてたまには来てほしいと思う孫などからは来ぬ。手紙やハガキは事務的なものは量が減らぬが個人の利用量はずっと減っているように感じる。それだけ皆字を書かなくなったのだ。

庭の木も草もどんどん伸びて行く。昔は木に登って電気のこぎりを振り回して伐採したものだが、安全第一と今年から半分くらいは植木屋に頼む。

夜はガールフレンドのEさんと一緒に食事をする。これだって結構大変。冷蔵庫をチェックし、つくるものを考え、マーケットに行き必要なものを買いそろえ、彼女が来る30-1時間前から作り始める。楽しい食事だが、彼女は片づけとお茶が終わると割に早く帰ってしまう。引き留めても「お風呂に入らなければならぬ。」などいろいろ言う。

彼女が帰ると、私はパソコンに向かい演歌や詩吟の練習をする。そして時々プロ野球の様子をチェックする。しかし不思議に今日も一日無事に終わったと感じ、解放された感じになる。ひょっとしてEさんも同じで一人になって、湯船につかった時にはじめてくつろげるのかもしれぬ。人間はしょせんは孤独なもの・・・・・。

 

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