1178「クロアチア旅行」(7月8日(月)曇り)
未知の場所を旅行すると、新しい自分の世界が開けてくる気がする。そして今日の自分が昨日の自分と随分変わったように感じる。たとえパック旅行のような大忙し旅行であっても・・・・。
高校時代同期のA君とクロアチア・スロベニア・ボスニア・オーストリア4か国周遊旅行に行き、帰ったばかり。一人暮らし、久しぶりの我が家、台所でセックス中のゴキブリを見つけ、びっくり・・・・。
安い旅行であった。そのため中国国際航空を使い、北京で乗り継ぎ、ミュンヘンまで飛んだ。そこからバス、バス、バス…もちろん貸切だが、ガイドによれば旅行期間中走破した距離は2500キロ。しかしバスから車窓を眺めたり、途中の寄り道もそれなりに楽しいと思えばいいではないか。おかげで北京では、「全聚徳」で北京ダックを食う時間を得た。むかし北京に出張した時に、何か高そうに見えて行けなかったところ。またザルツブルグも、オーストリアはウイーンしか行ったことのない私には、なかなか価値あるものであった。
毎日メモ書きの日記を書いた。しかしそれを語っても仕方ない。何をこの旅で感じたか。
やはり平和の大切さであった。クロアチア・スロベニア・ボスニアは周知のとおり、旧ユーゴスラビアである。ユーゴスラビアは1991年からのユーゴスラビア紛争により解体された。もともとユーゴスラビアは、国境を接する国が七つ (ギリシャ、オーストリア、イタリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア)、連邦を構成する共和国が六つ (セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツエゴヴィナ、モンテネグロ、マケドニア、スロヴェニア)、民族が五つ、(セルビア人、クロアチア人、スロヴェニア人、モンテネグロ人、マケドニア人)、言語は四つ、 (セルビア語、クロアチア語、マケドニア語、スロヴェニア語)、宗教は三つ。 (カトリック、正教、イスラム教)、文字は二つ、 (ラテン文字、キリル文字)と言われ、多様性を持つ。ヨーロッパとアジアが交錯する場所であり、古くから、トルコ、オーストリアのハプスブルグ家、イタリアの国家都市ヴェニスの侵略と影響を受け続けた事が遠因と言われる。しかし人工国家ユーゴにとっては、絶対的なカリスマを持ったチトーが存命の間はともかく、そうでなければ国家としてのアイデンテイテイ自体が怪しいものだった。死後は内戦の連続であった。しかもミロシェビッチが大セルビア主義を掲げ、ヒトラーが行った民族浄化まで始めたから、解体は当然と言えば当然であったかもしれない。
観光の目玉クロアチアのドブロヴニクは、91年から95年にかけてユーゴスラビア人民軍等との激しい戦闘が行われた。町を見下ろすスルジ山の天辺、ナポレオン要塞などにはその爪痕が残っている。町はそこから復旧し現在を築いている。モスタルはボスニアだが、若者が飛び込みを行う石橋が有名だが、ここも同じ内戦で破壊された。展示ビデオでその様子を見ることができる。内戦でなくてもブレッド湖近くの農家風で居酒屋で昼食を取った時も印象てきであった。老人たちが多かったが1941-45年、ここにナチスドイツが侵入、村人をドイツに移住させドイツ人の町にしようとした。中にはアウシュビッツに送られた者もいるとか・・・・。その彼らが集まってパーテイを開いていたのである。
誰もが平和と繁栄を願い、努力する。しかし多くの場合は、己のため、自国のため、民族のためであったりする。そしてときにそれが実現できれば、他人のそれは犠牲にしてもいい、と考える。これがいさかい、争い、そして究極的には戦争を招来する。ボスニア、ヘルツエゴビナは、特にそれに懲りて、今ではムスリム、セルビア人、クロアチア人がそれぞれの社会を持ちながらすみ分けているようだ。しかしもう世界は、平和になった、など考えて日本に戻ってくると、エジプトで大統領が解任され、混乱が続いているとの報道。政治の情勢はネットの動きで左右される様相という。あの国で求めている平和とか民主主義とはどんなものなのだろう。
この旅行でもう一つ感じたのは国家間の問題。2012年のノーベル平和賞にEUが選ばれた。日本にいると、なんであんな物がと感じるが、意義は大きい。クロアチアは旅行中の7月1日に28番目のEU参加国となった。ただしEU加盟は欧州一体化の一歩で、次のステップに、統一通貨ユーロの使用、シェンゲン協定への参加があるようだ。シェンゲン協定はヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定で、1997年に署名されたアムステルダム条約で欧州連合の法として取り入れられた。EU、ユーロの使用、シェンゲン協定への参加をすべて達成している国は、まだ16か国である。あのイギリスですら統一通貨を採用していないしシェンゲン協定にも加盟していない。国境を越えるたびに大変と感じた。帰りの飛行機の中モンテネグロの通貨クーナを見ながら、このコインは次は使えまい、と思った。
最後に企画、ガイド、パートナー、天候に恵まれ、美しい場所で楽しい日々を過ごせたことは最高の幸せで、また行きたい・・・・・旅は終われば次の旅に行きたくなる。困ったもの・・・・しかし元気なうちが花、頑張りたい!
註 ご意見をお待ちしています。
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