1184「列車と船で北海道旅行」(8月5日(月)晴れ)

 

ガールフレンドのAさんとは大体年に1度か2度くらいの割合で海外旅行に行く。しかし2年くらい前から彼女は耳の病気。とても飛行機に乗れぬという。国内をレンタカーで動き回る旅も随分した。しかし当方の問題、寄る年波で億劫に感じられるようになった。

そこで列車、船ならいいだろう、と少し変わった旅を探した。阪急交通社の「少人数で行く優雅なる北海道 北斗星個室と個室船室の旅5日間」に参加して昨日帰ってきた。

旅とはいったい何の目的でするのであろうか。

とにかく観光地を見るためか、山に登るなど何かを達成したり、探究する喜びを感じるためか、現地の人と交流して似非友情みたいなものを感じるためか・・・・・。

しかし別に目的などない、時間つぶしの旅というのも考えられるかもしれない。

今回の旅は行きに夜行寝台、上野から札幌まで17時間かかる。帰りは船で苫小牧から新潟まで22時間かかる。北海道での移動はバス、バス、バス・・・・・。観光地を楽しむ時間はそれほどない。ジェットで行けば一飛びを、無駄ばかりの旅である。

それでいてお値段はずいぶんと高い。一人15万円位する。ゆうに海外旅行を楽しめる値段である。しかし船の窓から水平線を挟んで空と海より見えぬ光景を見続けていると案外こっちの方が本当の旅らしいと感じたりするから不思議だ。

旅で気の付いたことを書き留めてみる。

北斗星はあこがれの列車、なかなか予約が取れぬ、とある人から聞いた。その北斗星、私が乗ったのはB寝台であった。個室のドアを開け、狭い階段を登ると二階にベッドが向かい合って二つ。ほとんどそれだけである。

「このベッドの下は何になっているのだろう。ドリルで穴をあけたら何が見えるか。」

いろいろ考えた末、入れ子構造になっていることが分かった。隣の部屋は一階にベッドがあり、それがこの下に来ているのである。寝心地は悪くはないがそんな狭い空間ですごすのである。誰かが「オリエント急行の様にはゆかぬ。」と言っていた。そういう物に乗りたければもっとカネを払いなさい・・・・・・。

札幌に二日目の昼につき、特急で帯広に出て、そこから屈斜路湖畔のホテルまでバスの旅を楽しんだ。車窓から見える風景がとにかくゆったりしており、どこまでもまっすぐ続く道と共に、旅を満喫?屈斜路湖はクッシーという怪獣が出た、など騒ぎたてたこともあったが、北海道の観光湖としてはマイナーな方だと思う。ところがここでさえ外国人観光客が多かった。案内はもう中国語や韓国語でも書かれていた。

3日目昼は知床方面に出かけた。最近「知床旅情」が歌えぬものかと練習している。歌詞のように知床半島先端まで行きたい、と考えていたが、真ん中くらいの知床五湖の一湖に行ったのみ。国後択捉が見える岬や羅臼は峠を越えて行くが、大した道はなく普通は船で行くのだそうだ。いつか機会があったら行きたいと、かえって旅情を誘われた。

3日目のホテルは温根湯であった。温泉が無ければ過疎化が心配されるようなところ・・・・。毛ガニのボイルがうまかった。生きた毛ガニを熱湯に入れ、さらに赤く熱した石を入れてゆでる。うまいが少々残酷。ホテルはそれを売りにしているらしかった。

この宿泊を挟んで、阿寒湖、摩周湖、富良野、層雲峡近辺をまわる。北海道に来て本格的旅行を楽しんだのは学生時代であった。網走で周遊券を紛失し、往生したことを覚えている。知人がいて北湯沢のユースホステルに泊まったことを覚えている。書きだせばきりがない。その旅で道央のこのような観光地を回った。思い出を反芻しながらの旅。

苫小牧からの船旅。新日本海フェリー。デラックスルームB個室は船の最上階にあり、ホテル並みであった。波は感じられるが、寝心地など決して悪くはない。

海外の長期間のクルーズという物が人気だそうである。友人など熱心でこの次は世界一周だ、一人500万円かかる、オプショナルで南極ツアーがついているが参加したい。すると別に170万、など話している。また船の上で1年過ごす老人までいるともいう。私は日がな一日船と言う空間に閉じ込められ何が楽しいのだろう、と思っていた。しかし今回の旅は、それも悪くないのかもしれない、と思わせた。今回の船旅は、ミニミニクルーズの様なものであったかも知れない。食事に種々の催し物、海・・・・・。なかなか飽きぬ。

最後にお値段の原価。北斗星と船であのクラスであると6万円近く。フェリーは意外に安い。

是にホテルやらバスやらいろいろかかるわけであるが、旅行会社は十分採算が取れていることは理解できた・・・・。しかしこの旅個人で行くのはなかなか大変・・・・皆さん、如何ですか。忙しい海外旅行ばかりが旅とは限りませんよ。

 

註 ご意見をお待ちしています。

e-mail address   agatha@ivory.plala.or.jp

ホームページ    http://www4.plala.or.jp/agatha/