1205「余分な金を何に金を使うか」(10月9日(水)曇り)
私より7歳若い、会社で一緒であったA君の誘いで、府中のB君の家に行き、昼食をごちそうになった。A君はそこまで自転車で行こうと誘ってくれたが、とんでもないことに思えた。しかし考えてみれば数年前には我が家から高尾や青梅まで歩いたことがあるし、自転車で結構遠出をしたこともある。歳を取ったと感じる。
A君の話「ゴルフ場には1700万円も投資した。それがほとんど返らず、カミサンにこってり絞られた。しかしそのうちの一つが数年前に400万円ほど返してくれた。しかも最近交渉したところ残りの数百万についても会社でできるだけのことをする、との回答を得た。うれしくて仕方がない。その金をどのように使おうか。」
もともと自分が払った金がどこまで返してもらえるかと言う話であって、決してうれしくなるようなことではないのだが、人間とは不思議なものである。
「私のために使おうか、私とカミサンのために使おうか、子供のために残そうか。どう思います?」
私の答らしきもの。A君のお子さんはお医者さんで優秀であるとのこと。
「お子さんのために残すのはやめたらいい。結局子達は親が自分たちの勝手にする。彼等にとって親の遺産なんて不労所得みたいなものだ。カミサンは大事にしたらいい。結局人生を最後まで一緒に生きてくれる者はカミサンくらいしか残らない。」
カミサンは、情熱が冷めた後、惰性や義務感、世間体のようなもろもろで長い年月が刻まれ、老年に至る。すると一緒に長い間戦った戦士同士のような連帯感が生まれる。互いに相手をかけがいのない者と再認識する。そういう物と思うから大事にすべきだ、と思うのである。
すると彼は「新しい自動車を買おうか。海外旅行に行こうか。それも一人か、カミサンとか。もっとよく飛ぶゴルフ道具を買おうか。」など指折り数え始めた。
大抵の人のやりたいことは、彼の持つ全財産と比べれば、たかが知れている、と感じる。いつか見たジャックニコルスンの映画。余命1年と告げられ財産は無限の男が、自動車工場を経営し、同じように死の宣告を受けた男と、死ぬ前にやりたいことをリストアップし、次々実行してゆく話が合った。自動車を思い切りぶっ飛ばす、スカイダイビング、世界一の美女とキスをする、とんでもないうまいものを食う・・・・しかしそれでも大したことはない。人間の夢などと言うものは個人の今までの過去に縛られ、そう大きく逸脱するものではない。
重要なのはどんな夢であろうと、今を逃したらできるとは限らぬ、という事だ。まずは体力。そして案外大きいのが環境。たとえば海外旅行に行く。旅と言うものは18世紀のオーストリア皇妃のように一人旅もあるが、大抵は相棒がいる。すると相棒の希望や経済環境にも支配される。そんなことであるから、可能であるなら思い切りやりたいことをやれ、と勧める。
金の使い道としての価値と言うことも言いたい。おなじ100万円を使うのであっても、海外旅行に使う、デイサービスで福祉施設に払う、寝たきりチューブだらけになって、病院に吸い取られてゆく・・・・・。少々高くても最初の物が後二つに比べてどんなに意味のある者であることか。「その結果最後に病院に払う金がなくなる」と言う反論には「それはそれでいいではないか。死ぬのは同じ。」と言いたい。
車をかえ、海外にも行け、まだ元気があるなら女性も抱いたらいい!ゴルフ場からもらった金だけで足りないなら、株でも処分すればいいだろう・・・・・。すると不安に成るだろう。金が無くなってのたれ死にするのか。子達に見捨てられるのか。しかしなくなれば無くなった時、病院は差額ベッドでなく大部屋でもいいし、治療も保険の範囲内で、それもなければ静かに自宅で死を迎え、自宅もなくとも人間いたるところ青山あり!
さらに言うなら今の世の中、明日のことは全くわからぬ、という事。
東北大震災のようなものが起こるかもしれぬ、富士山の爆発もある、ロシアのように隕石がふってくるかもしれぬ、突然中国か韓国が攻めてきて戦争にならぬとも限らぬ、株や円が大暴落するかもしれぬ・・・・わからぬ、良い思い出は作れる時に作り、作っておいたほうが勝ち・・・・・。
そしてこれらを実践するために身体だけは大事にしろ、とお定まりの一言・・・・・。
最後にこの話を別の友人にしたところ「社会のために使わないのか。」と言う発言。
それが貴方のやりたいことであるなら別だが、普通はそこまで考える必要はない。社会は税金で動いている。税金と言う操作を通じて、社会が気持ちよく維持され、富んでいる者から貧しい者へ財がうつされ、相続によって継承されてゆく。それ故税を払う者はそれだけで社会に、子孫に貢献している。税務署は脱税を見つけて大いに非難するけれども、その前に払ってくれる者にまず感謝すべきなのだ!特に今日の二人、君たちは所得税も相続税も払うのだろう。
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