1214VOWSバーと御文」(117()晴れ)

 

人と人との付き合い・・・・・。

会社人間である時は、その目的に応じて、つまり上司であるとか、お客であるとか、情報を得るためであるためであるとか、恋心であるとか、何か心に潜在的な欲望みたいなものを秘めて人を選んでいた気がする。リタイアして10年もたっても基本的には同じだが、世俗的よりも気があい、なんとなく尊敬できる人選びたくなる。

A先生は昭和7年、私より9歳上、子供が好きな小児科専門のお医者さん、Bさんは設備工事会社の社長さん、社長業はリタイヤし、今では業界や地域のために貢献しておられる。私もこのお二人のような充実した元気な老後を過ごせればと願っている。

A先生、Bさんとリニューアルした四谷クラブに行く。雰囲気よ、食べる物もおいしく楽しいひと時をすごした。その後A先生が「Bさんが言っていた坊主バー」に行きたい。」という事で向かうことになった。

四谷荒木町。ビルの2階。VOWSバーと看板。坊主がvows

作務衣姿の坊主が二人、カウンターの向こうでカクテルを作っている。

カウンターの向こうに仏壇、小さな下品下生の印を結んだ阿弥陀如来が安置されている。

まずはチーンとお鈴をならし、手を合わせる。

バーをお寺風に見せるためにいろいろ工夫がしてある。

メニューは折り畳み式になっていて「愛欲地獄」だの「無間地獄」だのいうカクテルが500円くらいで販売されている。そこの坊主の書いた書籍なども売られている。

浄土真宗の坊主らしい。Bさんの家は浄土真宗。あの蓮如上人のおふみを毎日ジョギングしながら唱えているとか。後で調べたものだが

「夫(それ) 人間ノ浮生ナル相ヲツラツラ觀スルニ オホヨソハカナキモノハ コノ世ノ始中終 マホロシノコトクナル一期ナリ。

サレハ イマタ万歳ノ人身ヲウケタリトイフ事ヲキカス。一生スキヤスシ イマニイタリテ タレカ百年ノ形躰ヲタモツヘキヤ。我ヤサキ 人ヤサキ ケフトモシラス アストモシラス ヲクレサキタツ人ハ モトノシツク スヱノ露ヨリモシケシトイヘリ。

サレハ 朝(あした)ニハ紅顔アリテ夕(ゆうべ)ニハ白骨トナレル身ナリ ステニ无常ノ風キタリヌレハ スナハチフタツノマナコ タチマチニトチ ヒトツノイキ ナカクタエヌレハ 紅顔ムナシク變シテ 桃李ノヨソホヒヲウシナヒヌルトキハ 六親眷屬アツマリテナケキカナシメトモ 更ニソノ甲斐アルヘカラス。サテシモアルヘキ事ナラネハトテ 野外ニヲクリテ夜半ノケフリトナシハテヌレハ タヽ白骨ノミソノコレリ。アハレトイフモ中々ヲロカナリ サレハ 人間ノハカナキ事ハ 老少不定ノサカヒナレハ タレノ人モハヤク後生ノ一大事ヲ心ニカケテ 阿彌陀佛ヲフカクタノミマイラセテ 念佛マウスヘキモノナリ アナカシコ アナカシコ」

Bさんによると浄土真宗では髪をそらなくてもいいし、妻帯も許されているとか。Bさんが是をカウンターで唱えて見せると、坊主がカクテルを振りながら目を丸くしていた。

日蓮上人、蓮如上人の系統だからであろうか。こちらは東の系統らしい。

この坊主バーは1992年大阪日本橋に開店したのが初め。ロックバンドをやっていた男と大阪の瑞興寺と言う住職の語らいから始まったとか。今日の店のバーテンは入間で副住職をやっているとか言っていた。宝島社からここのマスターが「一行念仏で幸せになる」との本を出している、というからその関係かもしれぬ。その後日本橋のバーは心斎橋に移ったが、仕事は発展し、京都に一店、東京に2店持っている。中野は北口から5分ほど中野ワールド会館の2階。

客は最初はほとんど我我だけであったが、女性客がどんどん増えてきた。坊主の少し清潔そうに見える禿頭は彼らの好みなのか?「ここは女性に人気があるのか。」と、聞くと若い坊主は「少し遅くなれば男ばかりになりますよ。」

ちなみに「司祭バーというのはないのか。」と聞くと渋谷か新宿にある、とのことであった。

30分くらいで出た。席料が500円と安く、一人1000円くらいであった。

高円寺のいつものカラオケバー「チキ」。こちらは客はほとんどいなかった。A先生は歌わぬ様子であったからBさんと二人で歌いまくった。私は「琵琶湖周遊の歌」「長崎の女」「風蓮湖」「別れの朝」「吾亦紅」「昴」など。Bさんの「家康」や「羅生門」は聞いたことがないが、いい歌の様。交互に10曲以上・・・・お疲れ様。

寝床に入って「おふみ」を一度読み返し意味を考えてみたい、と思った。

 

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