1226「「2014年日経平均9000円割れ相場が始まる!」を読む」(1224日(火)晴れ)

 

あまり衝撃的なタイトルであったので思わず手が出て買ってしまった。

今朝の日経新聞一面、国内主要産業社長100人アンケート結果

足元の景気は95.9%が「拡大している」と答えている。増税直後の約3か月後(146月ごろ)の国内景気は「悪化の兆しが出ている」と「悪くなっている」が合計4割強に上った。ただ早期の景気回復を見込む経営者が多い。増税から半年後には「改善の兆しがでている」が合計6割に達した。その理由は(2つまで回答)「個人消費の回復」「米国の景気改善」「設備投資の回復」「政策効果で経済の好循環が始まっている」「円安や海外景気の回復で輸出が増える。」

もっともこのような記事をトップに載せること自体、日経新聞が来年度の見通しに確信が持てないことの表れ、と見ることもできる。むしろこの本のタイトルのようなカタストロフの可能性を考えているのかもしれない。情報がなかなか集まらぬ、分析収集能力もない個人としてはめをキョロキョロさせるばかりだが、「年寄りは一度失敗すれば回復できぬ」ことを考え、いろいろな見方を参考に氏、慎重な行動をとらざるを得ない。

著者は1978年一橋大学経済学部卒、輸出入銀行、世界銀行エコノミスト、JPモルガン主席日本エコノミストなどの経験を持つ。

根本的に日本経済の問題点は、デフレギャップである。総需要が総供給に見合っておらず、そのギャップが大体42兆円に達する。その解消に政策がどう機能するか。

アベノミクスの第一の矢、大胆な金融緩和は必要だがそれだけではデフレギャップ対策に十分ではない。インフレを起こすには有効だが、雇用や成長など実体経済をどれだけ促進させるかは定かではないからだ。今年度4-6月期は第一の矢がうまく機能した。しかし端緒についたばかりであり、第二の矢、機動的な財政政策が必要だ。もし積極的な財政政策から一転して政府が緊縮財政に戻るようであれば経済成長は失速しかねないが、政府はうかれて消費税を規定通り増税しようとしている。デフレギャップを解消するまでまだまだ積極財政を続ける必要がある。第三の矢、長期投資を誘引する成長戦略は基本的にサプライ・サイドを強化する政策であり、総需要を刺激しなければならないデフレ不況脱却とはそもそも無関係。

19974月に消費税が3%から5%に引き上げられた。1-3月期の名目GDP520兆円、日経平均18000円、失業率3.1%1ドルレート123円であった。家計の消費はGDPのほぼ6割、300兆円強の5%-3%=2%6兆円強が失われる計算である。1年後の名目GDP514兆円、日経平均16500円、失業率3.8%1ドルレート133円となってしまった。さらに1年後は名目GDP507兆円、日経平均15800円、失業率4.2%1ドルレートは政府が対策を打ち出したため118円となった。景気は大いに低迷した。

現在はこの状況に似ている。20134-6月期のGDP480兆円、日経平均は15000円を下回り、1ドルレートは100円弱、こんなところで消費税を3%も上げ、家計から9兆円奪ったらどういうことに成るか。今は幸いに0.7%の超低金利水準、このような時期にこそ財政、金融をバランスよく調和させ、デフレ不況克服に飛び立つときなのだ。そうすれば雇用も経済も持続的に成長する。それをわずかこの4半期に少し改善したからと言って消費税を引き上げようとする経済政策は、まさに日本経済が墜落する直前の、愚かで危険な「逆噴射」に他ならない。

CRICサイクル」と言う日本病をこれまで日本は繰り返してきた。危機crisis、対応response、改善improvement、慢心complacency、そしてまた危機。日本は過去20年間それを繰り返し、結果として少しも成長できていない。(名目GDPがあがっていない。)

国債発行をそれほど恐れる必要はない。税金確保を目指す財務省は「国の借金は1000兆円」といい、NHKも日経新聞もそれに乗る。しかし1000兆円は国ではなく政府の借金に過ぎない。日本の民間セクターは、企業と家計を含めてそれ以上の債権を有している。合算して考えるべきだ。対外債権も約300兆円と非常に多い。ギリシャと同じになる、と言うのはナンセンスだ。

今世界経済を支えているのはFRB、日銀、ECBなどからなる主要中央銀行の金融緩和だけと言って過言ではない。米国はQE3縮小問題によって債券市場と国際金融市場が再度揺り動かされる危険性がある。ユーロ圏もゼロ成長がすすみ失業率が高い。中国はバブル崩壊で景気減速が避けられそうにない。新興国もやばい。そこを9兆円奪い、さらに201510月には10%にして6兆円奪おうというのである。日本株は来年の8%引き上げ以前に大暴落する可能性が高い。201312月までは、消費税引き上げ前の駆け込み需要を背景に一進一退、短期的には上昇する可能性がある。然し早晩日経平均は9000円割れを起こしても不思議ではない。

私ともしかすると同様かもしれない素人のみなさん、皆さんはどう投資判断をされますか、大納会までに株を売りますか???

 

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