1249「ウクライナ、クリミヤ半島」(3月21日(木)晴れ)
ついにロシアはクリミヤ半島を併合することになったようだ。この問題を素人なりに、ウエブサイトなど引用しながら考えてみたい。一昔前ならいざ知らず、現代において、他国の特定地域の不満を爆発させ、それを大義名分に自国に編入するやりかたは許されない、と断じる者がいる。現在ロシア制裁を決めているアメリカ、其れに追従するヨーロッパはこの考えであろう。
先ずウクライナ、有るサイトの引用:
歴史的・文化的には中央・東ヨーロッパの国々との関係も深い。キエフ大公国が13世紀にモンゴル大帝国に滅ぼされた後は独自の国家を持たず、諸侯はリトワニア大公国やポーランド王国に属していた。17世紀から18世紀の間にはウクライナ・コサックの国家が興亡し、その後ロシア帝国の支配下に入った。第一次世界大戦後に独立を宣言するも、ロシア内戦を赤軍が制したことで、ソビエト連邦内の構成国となった。1991年ソ連崩壊に伴い独立した。16世紀以来「ヨーロッパの穀倉」地帯として知られ、19世紀以後産業の中心地帯として大きく発展している。
人口 4350万人、面積 60万平方キロメートル
しかし一方で別のサイトでは
「あのチェルノブイリが存在する国家。・・・IMFの統計によると、2011年のウクライナのGDPは1649億ドルと推計されており、日本の福岡県よりやや小さい経済規模である。2011年の一人当たりGDPは3621ドルであり、世界平均の50%の水準に満たない。
現在は天然ガスを中心とするエネルギー供給のほとんどをロシアに依存しており、経済の構造改革の遅れと相まって、他国の影響を受けやすいものになっている。」
実を言うと、ウクライナの西欧化を苦々しく思っているロシアも、面積は広いものの
「GDPは約200兆円程度しかなく、米国の7分の1、EUの6分の1という水準。ロシアは軍事大国であるが、経済的にはかなり貧しく、むしろ弱小国。目立った産業もなく、天然ガスの輸出が重要な外貨獲得源となっているというのが実情。」
・・・・今回ヨーロッパが経済面で制裁を加えれば、ロシアは天然ガスを止めてしまうだろう、絶対ロシアが有利、と言うところは、実はロシアの実情を抜きには考えられぬ。
さて問題のクリミヤ。地図を良く見ると、黒海に突き出ており、ほとんどウクライナとは切り離されているように見える。事実ここは元々がタタール人の国であった。
「クリミヤ半島は、幅5-8kmのペレコープ海峡によって大陸とつながっている。面積は、約2万6100km2である。海岸は浸食されて入り江になっている。ペレコープ地峡の東は、アゾフ海にかけて極めて浅い干潟のような腐海が広がり、クリミヤ半島とウクライナ本土とを隔てている。」
「第二次世界大戦中、ドイツのナチにクリミヤ半島のタタール人が加担したことを理由に、1944年、スターリンはタタール人を国外追放し、その後、クリミヤ半島にロシア人が増えた。」そしてその後にロシア人が移り住むようになって現在に至っている。
「ロシア系地域になっていたロシアの一部を、ソ連時代の1954年にソ連の一員であるウクライナ側に移管してしまった結果のねじれが今回の紛争の遠因。当時はロシアとウクライナはロシア民族主導の「ソ連」共同体として一体だったので問題ありませんでした。」
「1991年のソ連の崩壊後、・・・・クリミヤ半島は独立を宣言したが、のちにウクライナ内の自治区となることで同意、クリミヤ自治共和国が成立した。」
つまりもともとロシアの一部であったが、地理的な問題もあり、ウクライナに移行、しかし、ウクライナがNATO寄りに舵を取るとロシアとしてはこれ以上許せないという構図。
今回の併合の理由についてロシア・プーチン大統領の主張は
「クリミヤはロシア固有の領土、ウクライナは強制的同化政策を取っている、クリミヤの人々の9割以上がロシア編入を希望している。国際法違反だと断罪するが、セルビアから独立したコソボと同じだ。「コソボのアルバニア人には許されたのに、なぜロシア人には許されないのか。旧ユーゴの内戦でセルビアの自治州だったコソボはセルビア側の虐殺を受けたと主張。ロシアの反対を押し切ってNATO軍が空爆。コソボは、2008年に独立を宣言、欧米はそろって承認した。」
そしてプーチン大統領が強気の背景には、ボスポラス海峡を通って、ウクライナとトルコの間に広がる黒海まで欧米が入ってくることはない、との判断があるのだろう。
日本はどう考えるべきか。西欧の一部に日本のロシアへも対応が生ぬるいとの声もあるが、天然ガスでロシアに依存し、また領土問題やロシアに進出している企業も多いことを考えれば、強気にばかりなれぬ、と言うところであろうか。最後にウクライナもクリミヤも日本からひどく遠い。しかし軍事的協力を要請されたとしたら、どう対応すべきか、これを考えると今問題になっている集団的自衛権のあり方についても一石を投じることになる。
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