1258105号室の問題の客」(39日(日)曇り)

 

アパート等を貸している大家が一番恐れること・・・・ゴミ屋敷にしてしまう、近所迷惑な騒音を発生させるなどいろいろあるが、一番は家賃を払わないで居座られること。昔は出て行かなければ鍵を替えて入れなくなるようにする、という手が使えたが、最近はこれが出来なくなった。すると不動産屋と一緒に督促するわけだが、其れ以上頑張られると法的手段に訴えねばならぬ。これはなかなか面倒くさい!私は嫌いだ。

105号室は1階だが、東南の角で、しかも奥にあるから表の騒音も聞こえぬ。アパートが古いから家賃が安い。借りる方にとってはよい条件がそろいすぎているのかもしれぬ。

長い間、老夫婦が住んでいた。亭主は足が悪かった。しかし柔道が得意で昔猪熊の相手をしたことがある、と豪語していた。それが2階の夫婦がうるさい、夜突然奇声を上げるなど文句を言ってきた。それなりの対策は取ったが満足する様子はなく「こちとらは関西出身だ、人を殺すくらい何とも思わない。」など驚かされた。勘弁、勘弁!

夫婦が都営の高齢者住宅?かなにかにあたって、出た後、沖縄出身の兄弟が入ってきた。今度は家賃滞納である。最後は3か月以上たまり、結局「僕にはここに住む稼ぎが無い。」との一言を残して出て行った。3か月分くらいの家賃を保証会社に保証してもらった。

次の住人は現在の母子家庭である。子供は小学生であったが昨年中学生になった。お父さんが黒人であったのだろう、色が黒い。但し別れたに違いない。小学生と聞いていたが、実際にはもう私より大きいくらい。近くに私の母校の中学校があるがそこで短距離の選手をしているらしい。しかしこちらとしてみればなんとなく気味が悪い。収入についてお母さんが会社勤めをしているが、正直分からぬ会社、どの程度安定して入るか分からぬ。仲介した不動産屋は「結局、お母さんが払うのですよ。」と言っていた。

入った最初に「テレビのジャックが新品になっていない。」などクレームが入ったため出入りの大工に見させた。すると、それはよくなったが「半分飲んだ焼酎の壜が無くなっている。」と妙な文句を言ってきた。言い合いで終わった。別に風呂場にトラブルが発生した。ガス屋に見せた結果、新品に取り換えた。そのとき店子のお母さんなるおばさんにあった。一見気さくでひとのよさそうなおばさんに見えた。この人が後ろにいるなら大丈夫かもしれないと思った。「必ず娘には、あとで大屋さんに挨拶に行かせますから。」と調子が良い。しかし結局彼等は挨拶には来なかった。

お母さんが払うといっていた家賃はいつも遅れた。こちらは督促をする。少し経つと斡旋した不動産屋を通じて保証会社に連絡する。彼等は家賃を払ってもらえなければ自分たちが保証することに成るから必死である。その結果1か月以上遅れ、もう出て行ってもらわざるを得ないか、など考え始めるころ、やっと振り込んでくる。その繰り返しであった。

2年たって更新時期が来た。更新に1か月の家賃を取る。その半分を不動産屋が更新料として取り、残り半分がこちらの取り分になる。しかし普段家賃が遅れ気味の、つまりぎりぎりの店子にとっては中々苦しいはずである。不動産屋の問いかけに、私は「家賃を保証会社が保証してくれるのなら契約を更新してもいいですよ。しかしそうでないなら、今までの例もあるから出て行ってほしい。」とした。その結果お母さんと不動産屋がいろいろ話し合い「これを機会に出て行きたい。」ということになったようだ。

不動産屋は「更新時期をまたいでしまう。どうしましょう。」当方は「1か月そこらなら構わない。しかし確実に出て行ってほしい。更新時期を通過するという事は更新費用が入らない上、保証会社が家賃を保証してくれない状態になる。」一方で部屋を明け渡すには1か月ルールがある。不動産屋は「その間の家賃は払わせるから。」という事であったので、4月初頭に出て行くことになった。

あの中学生になった息子を別の場所で見かけた。私は陸上競技に審判のようなことを時々やるが、武蔵野陸上競技場で声はかけなかったが彼の英姿を見たことがある。短距離専門のようだが、恵まれた体を生かし、なかなか早い。

そんなことがあって、彼ら母子に同情したい気分がないではない。しかしこちらは商売、それにほかの店子との兼ね合いもある。心を鬼にしている。彼等は今後どうするのであろうか。確かに今敷金、礼金ゼロなどという簡易なアパートもあるらしいが評判はよくない。そういうところに移り住むのか、或いは店子の母親のあのおばさんのところに移ってゆくのか・・・・・。私としては固唾をのんで彼らが出て行くのを待つ、と言う状態になっている。

416日ころ)やっと彼らが出て行った。台所の床が腐るなど問題が多いが、私としては一つ肩の荷は下りたように感じた。不動産屋は性懲りもなく「外人さんがシェアハウスで利用したいと言っていますがどうしましょう。」・・・・勘弁、勘弁!

 

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