1265「セウォル号沈没事故に日本人として思う」(516日(金)晴れ)

 

韓国のセウォル号沈没事故から早くも一か月が経とうとしている。

死者は284人を数え、安否不明者もいまだ20人いる。

痛ましい事件である。特に今回の場合は修学旅行中の高校生が多かった。親が期待し、本人には将来の夢が膨らんでいる存在、失ったことの周囲に与える悲しみは一番深いに違いない。

しかし原因を探ってみれば、過積載とバラスト水を抜いていたため、重心が不安定になっていたこと、そこを現場で新米?航海士が急角度で舵を切ったために転覆したという単純図式。

そして事故を大きくしたのは船長等が、我が身の安全ばかり考え、適切な誘導措置を取らなかったこと。船が傾きかけた時点で乗客を甲板に出すなどの措置を取っていれば、大半は助かったであろうに、と悔やまれる。

その後の動きもずいぶん問題を残している。門外漢の我々は報道の断片からしか状況を知ることができないが、船長や船員は臨時工みたいなもので安全教育など受けていない上、それらの措置を取る権限もなかった。救命ボートなども書類のつじつま合わせだけで、実際はほとんど機能しなかった、おかしなカリスマ経営者は安全など考えてもいなかった等々。

更に病院では犠牲者を出した家族と助かった家族がぶつかった、観光客が遺族に記念写真を撮ろうと言った、潜水士は自分たちが懸命になってやっているように見せようと水をかぶって取材に応じた・・・。韓国に限らないけれども人間の心は変わらないものだ、と感じる。

しかも非難の矛先が政府に向かう、という図式も私たちをびっくりさせた。それが発展して首相辞任につながり、さらに朴政権崩壊にまで向かう可能性があるとか。

この政権は日本非難を売り物にしてきた。しかしその延長で日本からの支援を断った。その結果「つまらない意地を張っている。」「国民の命より反日が優先か。」などの意見まで飛び出した。実はあの海域に入ってきてもらいたくない、という見方もある。

今まで成長ばかりを考え、安全を無視していた、その点では韓国は三流国家だ、という認識は正しい。しかしそれはずっと前の政権から続いてきたことであり、それを全て現政権のせいだ、というのは現政権にしてみれば鳩が豆鉄砲をくらった気分であろうか。

あわてて対応を取る朴政権の様子が逐一報道されていて興味をひく。朴大統領が遺族と面談する様子がTVで放映されている。「これからは生まれ変わって新しい国家をつくる。」と言っている。

安全や環境などにも配慮した成熟国家を目指すくらいの考えであろうか。

しかしその間にも新築中のマンションが突然14度も傾いたり、地下鉄の追突事故が起こったり・・・・。国家の意識と体制と国民の意識が完全に生まれ変わることはそう簡単ではないように見える。

ウイキペデイアによれば

「同国での海難事故としては、199310月に全羅北道扶安群蝟島面格浦里の沖合で292人の死者を出した西海フェリー沈没事故以来、21年ぶりの大惨事となる」

そしてその時の原因もまた過積載による重心の不安定化が原因に上げられているそうだ。その時も同じことが語られたのであろうか。そして月日と共に忘れられてしまったのであろうか。あるいは一番元の経営者ははなからそんなことを無視していたか。

厳しいルール、監視体制、安全優先への意識改革、それが韓国にできるかどうかは分からぬ。

以下は日本人、いや日本人である筆者個人からみた思い。

意識改革というところは「謙虚に他人のことを思いやる」という意識に結びつくのかもしれぬ。自分が得た利益は忘れておいて、他人からこうむった害を数えあげ、他人を非難する、そういう思想の延長かもしれぬ。他人を良くしようという思想が無い。これを恨の思想など言う人もいるが感心しない。何でも韓国起源と称してみたり、フィギュアスケートの採点にケチをつけてみたり、理屈も何もなく従軍慰安婦問題など蒸し返して日本に謝らせたりしようとする・・・・国際的にはおかしなことばかりのように見える。もちろん日本と韓国が一緒であったころの利益など全く無視。三流国家の時代はそれも良いかもしれぬが、そこを変えて謙虚にならねば韓国は一流にはなれぬ?

船の事はよくわからぬが、傾いたマンションの話なら、日本ではあの2005年の構造計算書偽造問題を思い出す。たしかあれを機会に、多くのマンションが建て替えたり、構造補強を行うことを要求された。もっともそれで日本のマンションは、完全に問題がなくなったかと言えばそうっでもなく最近も南青山の一等地に鹿島建設が建設し、三菱地所レジデンスが販売した 超高級マンション「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」が建て替えることに成ったとか。

問題を起こし、それを深く反省をして対策を取る・・・・これを何度も繰り返さねば人間の意識まで改革することはできぬという事かもしれぬ。

 

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