1278「「侮日論」(呉善花)を読む。」(628()曇り)

 

「韓国では、「日本人には無礼を働いても構わない」という通念が、世間広く一般にあります。なぜかと言うと多くの韓国人が無意識のうちに「日本人は侮辱に値する人々」と考えているからです。」

とはじめにショッキングな、しかしそうかもしれないという書き出し。

悔し紛れに韓国は、日本にとって大切な国ではあるけれども、まともに付き合えるような国ではない。真実を認めようと言う真摯な心はなく、言論の自由のない国という事か。

著者の呉善花は「スカートの嵐」などを書いた有名な女性評論家。親族の墓参?などで母国に戻ろうとして何回か入国を拒否されている、韓国が嫌う人。しかし日本での評価は高い。(読書欄261,459参照)この一事でいかに韓国に民主主義など根付いていないとわかる。

日本人を低く見る考えの根源を探ってみると小中華思想にたどり着く。

「李朝(1392-1910)は中国の属国であった。その政治理念を中国に倣って儒教に置いた。あらゆる秩序は儒教の礼が根本におかれ、家族、長幼、身分などすべての社会秩序が儒教の礼に基づいて厳しく統制された。やがてみずからは中国と文化的同質性を持った「小中華」であるという自信をもつようになった。ところが蔑視すべきい夷族である女真が明を滅ぼし、清朝を開くと大きな矛盾にぶつかる。清国に事大しながら、正統的な中華主義を奉ずるのは「わが国しかない。」との認識に立ち、「大中華」なきあと世界で唯一の「中華」であることを誇りとするようになった。これが李朝特有の小中華主義思想である。」

事大というのは時の情勢でやむを得ず権力にこびへつらうという事のようだ。

「韓国の反日民族主義は三つの要素で形成されている

@    豊臣秀吉の朝鮮侵略、近世末の韓国征伐論を持って朝鮮侵略を企画し、近代にいたって植民地化した。日本民族特有の朝鮮侵略史観がある。

A    自らが世界の中心にあり、遠ざかれば遠ざかるほど、野蛮で侵略的なものが跋扈する世界とする思想。日本は中華世界秩序の周辺に位置する野蛮な夷族である。

B    祖先が受けた被害については、子孫はどこまでも恨み続け、罪を問い続けて行くことが祖先への孝行と考える。

日本の植民地支配は日本民族に固有の歴史的性格、民族の資質に由来する「韓民族に対する犯罪」だと断罪し、人々を反日民族主義へ駆り立てた。問題としているのは植民地支配それ自体ではなく「日本人の侵略的かつ野蛮な民族的資質」を問題にしているのだ。」(90pあたり要約)

夷族の清朝の支配が終わったと思えば一番外側の蛮族日本の支配、もうかなわん、ということか。然しそのような歴史観であれば、日本としては植民地時代の保証など考えても意味がない、そんなものを取り上げる必要はない、未来志向で行かなければ極東の平和に貢献しない、そのように呼びかける日本の現政権の行き方は王道というべきか。

河野談話の検証と共に従軍慰安婦問題では「真実はどうであったか。」という考えがまず問題と、われわれは確信する。そうでなければ話し合いなど持つ意味がない。著者は言う。

「従軍慰安婦は貧困環境下で家族のためには自分はこうするしかない、との自覚を持って戦地に赴いた。そして世間からは冷たい目で見られ、自分で自分を責めるしかないと思われていた。しかし「強制連行されたのが真実であった。」という話は思いもかけない救いであった。これによってそれまで持つことのできなかった一般世間との接点を持つことができるようになった。」(152pあたり)

・・・・真実であろう。最近朝鮮戦争の折、国家政策で米国軍むけ慰安婦になった女性たちが政府に賠償を求める訴えを起こした。皮肉な動きというべきか。友人が紹介してくれたサイトが参考になる。

lhttp://hosyusokuhou.jp/archives/38935613.html

最後に、この国が近代史上太平洋戦争以後を除けば、日清戦争を経て朝鮮統一までの15年程度しかなかった。独立したいという運動は三・一独立運動あたりが起点のようだ。

191931日を期して始まり,1年以上にわたって,日本の植民地支配に反対して展開された朝鮮独立運動。独立万歳を叫んでデモ行進したので万歳(まんせい)事件とも呼ばれた。運動は都市から農村に拡大したが、軍隊を投入した日本により弾圧された。」

しかしその成果が、太平洋戦争における日本の敗戦によりタナボタのように独立という形で得られた。これが無理やりな竹島占有につながるのだという。

李朝は平和国家ではなく、豊臣秀吉の朝鮮侵攻以前に対馬を取ろうとして失敗したことがある。韓国初代大統領はこの辺を根拠に「対馬は韓国の領土だったが、日本が1870年代にかけて不法占拠した、ポツダム宣言を受け入れたのだから返すべきだ」と主張した。従って日本としては竹島問題が対馬問題に続く可能性があることを忘れてはならぬ。

 

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