1287「自分の責任をどうとるか」(89日(土)曇り)

 

理研笹井氏の自殺を悲しく思う。もったいないなあ、と思う。

そこまで自分を追い詰める必要などなかった、とも凡人の私は思う。

36歳の若さで京都大学教授になった日本の再生医療の宝、家庭にも恵まれ順調すぎる人生、それ故に挫折を知らなかった弱さが出たか・・・・。

問題を正面でしかとらえていない。見方を変えれば、自分の事しか考えていないとも受け取れる。

人間は自分一個の物ではない。周囲の者との関わり合いに置いて生きている。

それを忘れている気がする。

小保方氏の論文騒ぎについて今年の315日、通信では1247で書いた。

その後、ようように展開し、結局論文取り下げ、理研はSTAP細胞について再調査というような方向で動いているようだ。

私は彼等とかかわっているわけでもないし、情報を十分に得ているわけでもない。

しかし素人なりに考えて、そのころの考えを変えるつもりはない。

科学の発展にはいろいろな角度からの検討、推測等が必要だ。

Natureの論文でもその後の検討で間違いであったと判明したものが非常に多いと聞く。

しかしそれで論文を取り消すなどという事はないのだ。

論文が100%正しい、などと信じることがおかしい。論文に出された内容を色々な角度から検討し、論文を広げ、判断をしてゆくのがそれに続く科学者の役目なのである。

論文にコピペはいけない。しかし人の意見などと言うものは多くがコピペだと思うのである。

それをそのまま使うか、良心を気取って自分の頭の中でこねくり回し、表現を変えて言うかどうかの違いである。コピペで埋め尽くされた中に著者オリジナルなものがあるかどうか検討し、それを自分の研究の糧として行く・・・・それが科学者としてあるべきスタイルではないのか。

今回の事で確信が無ければ、真実でなければ発表してはいけない、というような風潮が高まるとすれば、それは日本の科学の進歩を停止させるものだと思う。

笹井氏の自殺はあまりにもナイーブであると思う。歳だけは笹井氏に勝っている私は、人生とはいろんないろいろな方があるものだ、この道でダメなら他を行けばいい、位に腹をくくっている。

自殺の真因は分からないけれども心がやはり純粋なのであろう。

遺書が公開されたわけでもないし、本人の話を聞いたわけでもない、門外漢に彼の悩みが分かるわけでもない。純粋に科学者としての良心の問題であったのか、理研の中の立場であったのか、それとももと下世話な話であったのか・・・・知る由もない。

しかし人生今では平均で80年以上・・・・長い。少少の汚辱であっても、恥であっても生き抜くことが大事だ。

同じ時期に出た朝日新聞の従軍慰安婦の記事が誤りであったことを認めた件。

銃剣で脅して慰安婦に連れ出した件なんかありませんでした。

従軍慰安婦と挺身隊を混同して報道していました・・・・よくいう物だと思う。

この厚顔無恥ぶりを少しは参考にした方が良かったのかもしれぬ。

散々誤報を流し、世間をかく乱し、日本の政治を誤らせたのである。

韓国にだって影響し、世界各地に慰安婦像など変なものを建てさせたのである。

それを自分の正しさを幾分糊塗するような書き方で、あやまりでした、ごめんなさい、で済まそうとしている。おい、おいと一言言いたくなろうと言うものだ。

国会へ承知して事情を説明することは当たり前だ。報道の自由を侵すという者もいる。

しかし事これに至れば、国家の利益にかかわる問題だ。

是が嘘である、誤報である、というのならこの新聞には過去のほかの記事も追及してほしい。

詳しく追っているわけではないが「太平洋戦争の時には戦争礼賛の報を流し、国民を駆り立てた」「中国の文化大革命や紅衛兵を称賛することはなかったか。」「北朝鮮をこの世の楽園として行くことは勧めたことはなかったか。」等々。

とくに三番目はそういう風潮にあおられて北朝鮮に渡り苦しんだものが多いと聞く。

拉致被害者は帰国交渉の道についたが、こちらは中々返してもらえぬ。

「誤りを認める」などという言い方ではなく、きちんとごめんなさいといえ。そしてそれなりの責任をとれ、と言いたいのは私だけだろうか。

 

註 ご意見をお待ちしています。

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読者からいただいたご意見


私はSTAP細胞には全く門外漢であり、単に新聞、テレビ、週刊誌、月刊誌の記事から勝手に類推しているだけだが、小保方さんの作ったSTAP細胞はmatastableな状態なのではないか。

酸に漬けて、ある種のストレスを与えると、細胞はSTAP細胞に近い万能性を示す。しかしその万能性は2〜3週間後には劣化するのではないかと思う。

実際、ネイチャーに出す前に出した論文では、時間が経つと万能性が劣化するグラフが掲載されており、その点を査読者に突かれて、不採用になったという記事を読んだ。

今回問題になったネイチャー論文では、その劣化を示す部分はグラフから削られていたと言われる。

 

基礎研究の論文において、わざわざ不利になるデータまですべて載せる必要は必ずしもない。

小保方さんが独自の方法で作った細胞の万能性がmetastableであったとしても、基礎研究としては十分に発表する価値がある素晴らしい成果である。

後に続く研究者が、それに触発されて、種々の新たな発想の下に実験すればよいだけであろう。

その結果、安定なSTAP細胞ができなかったとしても、それだけの話である。

基礎研究とはそんなものであろう。

理研が組織的に、小保方さんの方法をトレースj実験する必要は全くない。

 

ただ、今思えば、基礎研究の成果をあそこまでおおげさに発表する価値があったかどうかは疑問である。

もし笹井氏が、そこまで知っていて、いかにも安定なSTAP細胞ができたような(大衆に、できたと思わせるような)発表をしたとすれば、内容が画期的であっただけに、反作用も、その世界での第一人者である笹井氏の研究者生命が危うくなるほど大きいこともうなずける。