1289「勝者と敗者の終戦記念日」(815日(金)晴れ)

 

また終戦記念日がやってきた。戦後69回目。私は73歳、ほとんど生涯を通じで、この日になると終戦記念日という奴を迎え続けている。なぜ記念日なのか、なぜ祝日にしないのか?また815日が終戦記念日であるかどうかにも問題がある。自国が日本の敗戦を認めた日であるとか、日本が降伏文書に調印した日であるとか・・・・

終戦記念日を敗戦記念日とすべきだ、という意見もある。しかしもしこうなった場合の結果を考えて見ると日本人は「もう負けてなるものか、いつかリベンジだ」と考えるかもしれない。韓国人や中国人はちょっとした優越感に浸り、「ざまあ、見ろ!」と溜飲を下げるかもしれぬ。そういう意味で終戦でしかも記念日で良いのではないか、と思う。しかしそれらはここではおくとして・・・・。とにかくTVや新聞は毎年同じように、1年ぶりに思い出したように戦争体験をした人々を通じて戦争の恐ろしさを伝え、「この話を風化させてはならない。」と締めくくる。

しかしそれは「戦争で私自身がひどい目にあった。家族がひどい目にあった。負けて苦しい生活を余儀なくされた。・・・・ゆえにもう戦争にかかわりたくない。」という日本人だけの平均的な思いだろう、とも思う。

逆に勝った人々や負けたわけではない人々はどう考えているのだろうか。

「戦争はやらない方がいい。」・・・・この枕詞はつくだろう。しかし「正義が確立されるためには戦争はやむを得ない。」と、たとえばアメリカ人なら考えるかもしれぬ。

「日本に支配されて何もできなかった我々にタナボタ式に独立が舞い込んだ日。これを祝わなくて何であろうか。万歳、万歳」と韓国あたりなら叫ぶかもしれぬ。日本を欧米に替えれば東南アジアの国々にも当てはまるかもしれない。ナチスドイツに帰れば「アメリカと一致して昔の平和を取り戻せた日」と考えるかもしれぬ。こういった国々全部に「二度と戦争はしまい」と考えさせることはよほど難しい。平和は、一国でも「ナチス」のような考え方を是認し突き進めば、くずされる可能性はある。

TVで半藤一利等を交えて、戦争におけるマスコミの役割を討論していた。マスコミが上海事変、満州国建国あたりから太平洋戦争終結まで軍と協力しながら日本国民を誤った方向にリードしていった様子が分かる。そしてマスコミはあの終戦の詔勅と共に、手のひらを返したように報道姿勢を変えるのである。国民は何もない状態では物を判断できない。新聞が主力であった時代には、それを通じて得た情報に動かされ続けたのである。

軍が最初からマスコミを支配し、そちらの思う方向に動かそうとしたわけではない。やっているうちに軍はマスコミの重要性に気づき、国民がこれに左右されることに気付く。そしてその対策を取る。最後には逆に利用して国民を動かそうとする。マスコミも最初は中立的立場で報道しようとする。しかし軍関係の情報はそこからしか得られぬ。そのために次第に軍にすり寄るようになる。政府も同じである。マスコミがこの関係から逃れようとすればたとえばこのころであれば「新聞紙を割り当てぬ、」などの策を取られ、お手上げである。マスコミも商売であり、仕方の無い一面もある、というような話も出ていた。その通りであろう。

話を聞きながら私は日本のマスコミと政府に洗脳された者としてたぶん「韓国や中國は現在はこれに近い状態なのではないか。」と思う。何処の国も国民の考え方は似たようなものだ。ただ昔と少し違うところは情報がものすごくオープンに早くかつ広くなったこと、それに人々が外国と接し、相手の様子が分かるようになったことであろうか。もっともそれは決して十分ではない。そういうところを利用できる立場にある者であっても、愛国心はあるし、そのような教育を受けて育っている。利用できない立場のものはオピニオンリーダーに従い騒ぎ立てる。ネットに匿名をいいことにある事、無い事書き立てる。

安倍首相が中国、韓国との首脳会談を呼び掛けている。極東の平和を維持するためには首脳同士が語り合う事は極めて大切と考えるからだ。しかしそれらの国ではそうは取らない。中国で世論調査したところ90%以上が反対であると答えるし、韓国でも朴政権の支持率は高い。従軍慰安婦報道など朝日新聞が「間違ってました。」と訂正してもどこ吹く風である。真実を見ようとしているのではない、何が何でも自国の主張を通そうとしているのだ。

極論すれば彼等は戦争を知らない。自国が調子よくいけば隣国がどうなっても良いと、本音では考えているのかもしれぬ。拍手喝さいを送りたいのかもしれぬ。政府や軍はその意見を実現に向けて動かそうとだけしているとも考えられる。

そんな風に考えると、日本が平和を唱えることは必要であるし、其のための努力もしなければならないが、一方で警戒も怠ってはならない,という事なのではないだろうか。

 

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