1295「「ソーシアルメデイアの何が気持ち悪いのか」を読む」(9月6日(土)曇り)
朝日新書、香山リカ。しばらくコピペ。著者は学生レポートの中に次のようなものを見つけて驚く。
「その昔携帯電話がない時代があった。」・・しかし著者はその続きを読んでなんとなく学生の気持ちを理解した、と伝えている。「一体その時代の人たちは、どうやって待ち合わせをしたり仕事の急な連絡を取り合ったりしていたのだろう。他人には聞かれたくない友人同士の相談事などは、どうやって話していたのか、今回の研究では、「携帯電話が無かった時代のコミュニケーション」というテーマで・・・・・」
著者の言うとおり物心ついた時から携帯電話があった世代にとっては「携帯電話以前」は文化人類学的な研究の対象にもなるような「異次元の世界」なのだ、とする。
著者は1960年生まれ、著者でこういうのであるから1941年生まれの私は考古学的人間。
堀江貴文は1972年生まれ、ネット社会の最先端を言っていた人間であろうがその発言
「LINEはメチャクチャ便利ですよ。あれをやらない人ってすごく困るんです。電話して来たりiモードメールして来るんで、メチャ面倒くさいんですよね。」(週刊朝日2013年12月20日号)
ウイキペデイアのSNS=ソーシアルネットワーキングサービスを調べてみると
「広義には、社会的ネットワークの構築の出来るサービスやウエブサイトであれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービスまたはソーシャル・ネットワーキング・サイトと定義される。
この為、コメントやトラックバックなどのコミュニケーション機能を有しているブログや、2ちゃんねるのような電子掲示板も広義的にはソーシャル・ネットワーキング・サービスに含まれる。狭義には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスとは人と人とのつながりを促進・サポートする、「コミュニティ型の会員制のサービス」と定義される。あるいはそういったサービスを提供するウェブサイトも含まれる。」SNSの中にLINE、Twitter、mixi、GREE、Mobage、Ameba、Facebook、Google+、Miiverseがある、ということらしい。
前置きや私の話ばかりが長くなったが、本論はネット社会の進展ぶり、その問題点など精神科医の著者の目を通した現象を一渡り述べている。こういった物が出来て、社会は、良くなるはずなのだが著者は序論でいう
「しかし実際には「絆」が強化され、「つながり」のメデイアが生まれれば生まれるほど、他者の気持ちをいっさい慮らず「私がこう行動したら、他の人たちはどう思うか」と想像できない人たちが増えているようなのだ」
私など、こんなものに入ったとしても、気に入らなければ返事をしなけれないい、と思うのだけれど「気配りができる人ほど「それが礼儀だから」とばかり、つねにアクセスして友達の書き込みをチェックし、コメントを書いたり「いいね」のボタンを押したりしなければならない傾向がある。「それだけでぐったりした」と言う人もいる。」
そしてこの心理を利用した出あい系システムの不正利用。男が女に成りすまして客の相手をし、入会料などの名目で金を巻き上げるのだ。
「相手の顔が見えない」ことは利用する人の心理学的ハードルをぐっと低くし本音を発言しやすくする。その結果が炎上など極端に走る世論を作る。またネットでの無用の攻撃を生む。さらに進むと現実の自分とネット上に建前を書いた自分の区別が無くなってしまう。ブログに自分で書いた内容に心当たりがない、などと言う者が出てくる。
「ネットで真実」と騒ぐ人も多い。マスコミは嘘をついている、本当はこうだ・・・・こういう報道が連なりネトウヨ(ネット右翼)など言う極端な青国主義者や排外主義者が出現する。
「従軍慰安婦や南京虐殺はなかったのに、朝日新聞などマスコミが捏造して嘘を伝えた。」
「民主党は全員が隠れマルクス主義者で、政権時代に共産主義を実現しようともくろんでいた。」
これらは大抵は軽薄な情報源をもとに勝手に個人個人が勝手に作り上げたものだ・・・・・もっともこの下りに、私は反発をおぼえた。同じ手法を、左翼が利用して人々を扇動しようとした。少し横道にそれたが、自分では決してそうではないのに「道徳的であれ」と他人に迫る人が増えている、という指摘はなるほどと思った。
「企業の倒産 喜ぶぼくは 就職活動 不戦敗」
「少年犯罪 厳罰要求 している僕は ウイーニーやって ゲームコピー」(129p)
最後にふたたび私自身。「私自身は古い人間、見知らぬ人とむやみに付き合う気持ちはありません。こうしてパソコンに自分の考えを恐る恐る流す程度です。」この書は、良く書けているがこういう社会になって個人がどう対処すべきか、というところの答は示唆していない、そこが問題と感じた。
註 ご意見をお待ちしています。
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