1298「現代と民主主義雑感」(10月3日(金)曇り)
友人の意見からの抜き書き。
その1)スコットランド問題は民主主義が衆愚政治ということをはっきりと示しましたね。
独立しても共倒れになるのがわかりきっているのに、半数近い人がそれでも独立を希望しました。結局そうはならなかったのですが、国家の没落をかけて選挙になりましたね。
その2)香港は押さえつけようとする野蛮な中国政府との対決ですね。
選挙に立候補する人をあらかじめ決めるというのは、共産主義国ならではの思想ですね。
結局第二の天安門事件になるでしょうね。独裁は衆愚政治より悪いですね。
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民主主義がすすめば進むほどさまざまな意見の持ち主が出てくる。
民主主義とは一人一人の意見の和によって成り立っている。
昔はそれでも情報の伝達速度が遅かった。民主主義も進んでいなかったから、多くの個人が自分の意見を表明することに抵抗を感じた。そこを一部の人間が「自分の言うことが正しい。この方向に吾地方や国家は進むべきだ。」と決めて旗を振った。リーダーは大衆は旗を振れば従うものと決めていた。事実大抵の人は従った。心の底では従いたくなかった人も多くいたに違いない。安保闘争の頃の岸首相の発言を思い出す。「声なき声を聞け。」
しかし世界がネットでつながれている時代、人々は何でも知ってしまう。その上個人の権利に目覚めてしまった。みなが俺の方が正しいと言うようになってしまった。「声なき声」は声を上げるようになった。これが混乱を生む。
衆愚政治に近い物に導くのかもしれぬ。しかし考えてみれば衆愚という言葉自体あるサイトからみた偏見に満ちた言葉のような気もする。
スコットランドは独立すると言えば格好はいいし、筋は通っているが、経済的に困るという事になれば反対する人も多かろう、それで選挙で決めた、というのであるから、この場合は穏当に決まったように思う。これに警察権力を介入させなければという前提つきであるが、私はさすがイギリス、民主主義のお手本のような解決方法ではなかったかと思う。
民主主義の無視、という観点から言えばタイがそうであろう。反タクシン派のデモに対して選挙結果で決めようというインラック首相を無理やり引きずり下した。そして軍隊が暫定政権を作って国を支配し始めた。現在も混沌は続いているようだ。こうなると民主主義そのものが最良であるのか、という疑問さえわいてくる。一人が十分金持ちで9人が貧乏人が国を作る。民主主義にのっとれば9人が一人の金持ちの金をどう使うかが焦点になる。金持ちが不満を持たぬわけが無い。
いわゆる「アラブの春」と言われた中東の国国の革命もそうであった。真の民主主義を渇望する人がいる一方、コーランにのっとった政治を求める者もいる。対立の結果、後者が権力を握ったり、あるいは混乱を治めると称し、軍隊が権力を握ったケースが多いようだ。この辺を見据えて、シリアでは先進民主国家、つまり西欧はどうしていいかわからぬ状況に置かれている?こちらの問題の根本は金か、宗教か。宗教はやっぱり建前なんじゃないかと思う。
香港の場合はここ2,3日一般市民がデモ隊に反対する動きを見せている。
この動きが香港政府あるいは中国政府が陰で操っている者なのか、それとも自発的なものなのかはっきりしない。しかし私は後者という可能性も十分ありうると思っている。大衆にしてみればオカミがどうなろうと、自分の商売の行方の方が心配であろう。それで抗議行動という道筋は分かる。しかしこれで当局は軍事介入しやすくなったことは事実。介入したとしても国際世論が天安門事件の時のように動くかどうかは不透明な感じがする。
成熟した国家あるいは民主主義国家というのは何か。
結局は他人の意見を認めるという事、世の中は右も左もいろいろな意見があるという事、其の集計で政治は決めねばならぬという事を政治家も民衆も信じるようになるという事であろうか。分かっていても国民全体にそのような意識を持つようになるには時間がかかる。自分の意見がすべてではない!自分が正しいと思っても国民全体では間違っていると考えるかもしれぬ。
民主主義は考えようによっては衆愚政治への道、そうなると国家を効率よく動かすのには時には独裁政治だの共産主義がありかもなどと凡人の私は考えてしまう。お蔭さま?で日本は民主主義の浸透という点ではかなり先進国の仲間入りをしている、と私は考えている。ただし国家として少少たるんでいるように感じるのは私だけか?
なお友人は次のように結んでいた。「スコットランド事件がおさまり、ポンド高、第二天安門事件が起きて、民主主義が見直されドル高ということでしょうか。それにしてもまだこの地球上にあのような野蛮な政府が存在することが不思議ですね。」
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