1303「御先祖しらべ」(10月18日(土)晴れ)
戦後の法改正によって家制度というものが崩壊の危機に陥っている。
しかし本当にそういう物がなくなってもいいのだろうか。
ご先祖というのはどう考えればいいのだろう。私は父と母の子であり、その父はおじいさんとおばあさんの子であり、おじいさんはその父と母の子、これを繰り返せば1世代20年として、私は100年前の何とかさんの2の5乗分32分の1という事になってしまう。
昔、日本人はみな嵯峨天皇の子孫である、という話を聞いたことがある。延暦5年9月7日(786年10月3日)
- 承和9年7月15日(842年
8月24日))は、日本の第52代天皇。空海と共に三筆と呼ばれたほど書のうまい人であったと聞くが、同時に精力絶倫。28人との女性の間に58人の子供をもうけた。だから日本人はルーツをどんどんさかのぼってゆけば必ずこの天皇に行き当たる、というのだが・・・・。
墓というものも意味がなくなってしまうのかもしれない。血の濃さというところでご先祖と御先祖でないものを分けるとすればせいぜいひ孫の代までか。ひ孫は私にひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんの血が8分の1づつ入っていると感じるかもしれぬ。墓に参って、そういえばひいおじいちゃんはお年玉をくれたくらい思い出すかもしれぬ。その延長で自分が死んだら灰にして海に見てくれだの樹木葬で木の根本に埋めてくれだのいうものまで現れてくる。
弟と一緒に従妹のAさんと久しぶりに会った。
彼女はご亭主と一緒に静岡で眼医者さんをしている。私も最近医者に緑内障の可能性が無いとは言えないだの、老眼が入ってきただの言われて、彼女の意見を聞いている。親戚が、医療でいうセカンドオピニオン役。彼女には1年に一度くらいあっている。昨年は静岡に行き、お世話になった。(通信1220)紀尾井町のレストランで食事をし、上野公園を散策して半日を過ごした。
事前に彼女の次女さんがまとめた我が家の系図を贈ってくれた。最近は系図作成用のソフトが出ている、という事だが、実に細かく丁寧に調べてくれている。
昔アーサーヘイリーという人の小説「ルーツ」が有名になったが、あの作品よろしくご先祖を調べる。人は、時によって一生に一度くらいこの仕事に惹かれるのかもしれない。
私の父も一時凝った。父の出身は広島であり、広島にまで行って墓石を調査、墓誌の内容を写し、それをもとにご先祖表を作り上げた。私の先祖は毛利氏の臣下で小さな城の城主であった、と聞く。
戸籍謄本も調べたようだ。しかし広島の場合あの原子爆弾投下で戸籍関係の資料も多くは消失し、後に復元したものというから不完全なのかもしれぬ。父のご先祖表には欄外に広島原爆投下の記述があり、原爆で死亡したものに赤線がひかれていた。
父は生前に自分の墓地を買い、墓を作った。その所沢の墓には父母と亡妻が眠っている。私は多分そこに眠ることに成るであろう。弟は妙なことを言っていた。「墓を作ろうかと考えたら、カミサンがそんなものは今更いらぬ、というのだよ。僕も所沢に入れてもらえないか?」
父のご先祖しらべの話を、いつの日であったかAさんに話したところ、彼女も興味を持ち彼女の父方と母方の家の話をまとめてくれた。そして何年か前の今日の三人の会合で付き合わせたことがあった。しかし、私たちより一代前の別の人に聞いてみようとしたところ「今更ご先祖の話はしたくない。私も病身であるし、あう気もしない。」とやんわり断られ、其のままになっていた。それらの資料をベースに今回次女さんがまとめてくれたものである。もちろん家父長制度にのっとった?ご先祖様である。女性の方は「女」などと記してあり、家には問題外の人物?として記されている。従ってこれがご先祖のルートといっても現代流にいえばそのうちの2の何十乗分の1に過ぎないルーツなのだけれど・・・・。
これからの時代は男女平等、家父長制など無用の時代であろう。
この世に生を受け、其のままに行き、どこかの誰かと一緒になり、子達を残し消えて行く。其れだけしかない時代。ご先祖しらべなど無用の長物かもしれぬ。
然し一方でまだ古い時代に片足を突っ込んでいる私。御先祖様の事も少しは気になる。そして子達、孫たちにその思いを知ってもらいたい気持ちもある。私は次女さんにこちらの持っている資料も提供し新しい私の家の御先祖表も作ってもらいたいと思っている。そしてそれを子達に伝えるだけは伝えておきたいと願っている。
Aさんは、少しでも本当のことを知るべく、今月の末位にご先祖の墓を訪ねて四国まで行くという。私の場合は父方でいえば広島、年賀状のやり取りですらほとんどなく疎遠になっているが果たしてたずねてみる価値があるかどうか。みなさんにも聞いてみたい。あなたはご先祖のことが気になりますか?
註 ご意見をお待ちしています。
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