1315「「人生の9割は逃げていい。」を読む」(1110日(月)晴れ)

 

自身そのように感じるところがあり、読む気になった。この人物がどういう人物かわからぬ、著者、井口晃。ホームページを覗くと写真が出ているが4050くらいの若い男のようだ。それ以外はどういう経歴か全くわからぬ。

「逃げることでしか理想の人生はつかめない」と冒頭。

自分の経験では「古い価値観」「自分に合わない仕事・人間関係」「自分のふさわしくないか環境」から逃げ続けることで、自分が本当に能力を発揮できる「仕事」「人間関係」「環境」が見つかり、すべてがうまく回りだしたのです。」とある。

そして彼は今や自分の好きな仕事をし、1年の半分を海外で暮らし、年商5億円程度の会社を経営している、自分が伝えたいセミナーや講演会を行っている、などと自慢している。

「新しい環境に行けばいままでの性格を一新できる」

「環境を変えればエネルギーがわいてくる」

昔デボノとかいう人の「水平思考」という本を読んだことを思いだす。問題にぶつかった時、其の穴を追及することばかりでなく、ほかの穴も幅広く追及する、そうすれば道が開けるかもしれない。私もこの考えは常に持つように心がけている。

しかしこうするには若さと相当の能力、忍耐力,欲、元気が必要であろうな、と思った。孤独に耐えて自分の道を行く力が必要だろうな。著者の場合にはこれにさらに幸運が加わって、年商5億円程度が大きいか小さいか知らぬが、それなりの生活を送れるようになったのだと思う。誰にも勧めていい方法ではないと思った。

仕事を4つに分けている。@得意で好きな仕事 A好きだけど苦手な仕事 B得意だけど好きではない仕事 C苦手かつ嫌いな仕事。Cを逃げるのは当然だが、AやBもやったほうがいい、と勧めているところはやはり常識的な考えに落ちているというべきか。

私の同期の友人は、若い時にたまたました投資がうまくゆくなどして、早めに退社、商売を行うなど好きなことをしてきたように見える。今はリタイヤし、株を少し動かしている。その彼に聞いてみたところ「俺は逃げないよ。」と反論した。彼の言わんとするところは問題が起これば誠心誠意、懸命に対処する、今までの状況をほっておいて逃げるのは卑怯だ、というのである。

著者は、同じように友達も自分に利益があるかどうかを中心としていくつかの層に分類している。そして一流の人間と付き合うために高級な住環境を選べ、服装には気をつけろ、などとしている。・・・・あまりなじめない。

9割の人間関係からは逃げていい。」「あなたにとって重要でない人からは逃げていい。」

「メールからはにげていい。」「嫌な上司からは逃げていい。」

「人間関係への執着からは逃げていい」「今のコミュニテイからは逃げていい」

「親や教師の価値観からは逃げていい」

ふと著者は結婚しているのだろうか、と感じた。「家族からは逃げていい」とはなかった。

その通りと感じるところも多いが、こればかり意識してもろくな人間関係はできまいな、地域に根付くこともできまいな、と感じる。

金については「お金=悪からは逃げていい。」

ここで面白いと思ったのは「稼ぐ人ほど高い価値を世の中に提供している」という考えかた。自分自身民主主義の世の中、平等に選挙権が与えられており、金持ちは慈善事業にもなどという輩は多い。しかし一般的には金持ちはこうして稼ぎ、税金を払うという事によって社会に貢献しているのである。それができないものが社会はこうでなければいけない、などと言うのは図々しいのかもしれぬ。

「ため込むよりも自分に投資することが必要」欧米のビジネスマンにぴったりの言葉。しかし人生にはお金につながるわけでもなくとも重要なものがある。もう一つ、人がなかなか学べないものに「お金の使い方」があると思う。結局人生何をしたいのかによるのであろうか。秀吉は天下を取り位人心を極めた。しかし彼はそうなった後、淀の方におぼれ、朝鮮に出兵し、ぼけ老人になり死を迎えるに至った。

「人間はやはり他の人間と共に支えあって生きている」世間に対していい加減にしていれば世間はそのようにしか返してくれないだろうな、という事。成功しているうちはいいが、失敗すれば相手にされなくなるだろうな、年を取れば孤独を感じるだろうな、という事であった。著者は、学校も仕事も随分変わったらしい・・・・このことは「転石、苔を生じず」という言葉を思い出した。あと30年先に著者はどういう人間になり、どういうことを考えているだろうか。・・・・ふとそんな風に思った。

追記 1216日、人にあまり勧められないような気がした。しかし一方で多くの人間が心の中で感じている一端を吐露しているようにも感じられて掲載してみた。