1329「伊勢物語を読む」(118日(日)曇り)

 

二十四節季でいえば今日あたりは小寒だそうである。20日より大寒。寒い。

古文書研究会が東北沢の北沢会館であった。8人ほど出席。帰りには新年ということもあって下北沢で一杯。a君がだいぶ酔っていた。

知人の質問「伊勢物語ってお伊勢参りの話でしょう?」

バカ言っちゃいけない、と一笑に付したものの、其の題名の紀元は何だ、と言われるとわからない。インターネットで調べるとYAHOO質問箱に

「第69段で、“男” が伊勢国に使いとして出向き、伊勢斎宮と (非常にぼかした書き方になっているが)関係を持った・・・という話が出てきます。

伊勢斎宮 (斎王) というのは、伊勢神宮の最高位の巫女で(だから斎宮の位にある間は結婚できない)しかも天皇の皇女ですから、ものすごいスキャンダル話という事になります。この話から 『伊勢物語』 のタイトルがついたという説がとりあえずは有力です。

ただ、はっきりと分かっているわけではありません。他にも 「原作者が女流歌人の伊勢という説が古くからあってそのため「伊勢物語」と呼ばれた」 、「“妹背 (いもせ) 物語” から来た (妹背 古語で 「夫婦」 の意味) 」など、いろいろな説があります。」・・・一応納得。

古文書研究会はもともとb君が「昔の人の書いた文字が読めないのは情けない。読んでみようではないか。」と始めたもの。

最初は彼が神奈川県の古書研究会みたいなところに参加して得た江戸時代の日記など読んでいたが、そのうち松尾芭蕉直筆との説がある「奥の細道」が見つかり、それを読んだ。しかし1が月か2か月に1度、時間も日曜日の昼下がりの3時間程度であるから、なかなか進まぬ。それでもそれをようやく読み終えてこの「伊勢物語」になったのだ。

平安時代初期の歌物語集。在原業平を中心とした男女の恋愛を中心に、親子愛、主従愛、友情、社交生活など多岐にわたる話が紹介されている。伊勢物語は紫式部にも影響を与えそれが「源氏物語」に結実した,と指摘するものもいる。

古文書界のメンバーは私の年代の男女10人足らず、昔取った杵柄か、恋愛話は大好きか、皆興味津々で読み進めている。和歌がなかなかいい。

カキツバタを歌の頭に織り込んだ「からころも来つつなれにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思う」、落語の題材にもなった「千早ふる神代も聞かじ竜田川から紅に水くぐるとは」などは、よく御存じの方も多いことだろう。

章段の冒頭表現にちなんで、この主人公の男を「昔男」と呼ぶことも古くから行われてきたが、歌人在原業平の和歌を多く採録し、第63段で主人公を業平の異名で呼んだりしている(第63段)ところから、主人公には業平の面影がある。この段はある女が在五中将(在原業平)という男に出会ってみたいと捜し歩き、ついに一夜をすごすという話である。最後の評に「この人は思う人も思わぬ人も分け隔てなく愛する。」など色好み、精力絶倫?的書き方。

江戸時代に書かれた写しはb君がインターネットを駆使し国会図書館から引き出してきて皆に配った。やっと今日は65段、66段あたり・・・・・。伊勢物語は全部で125段、まだ半ばであるが読み続けたいと思っている。

早速69段を調べてみる。「昔男ありけり。その男伊勢の国に狩りの使いにゆきけるに・・・・」

勅命を奉じて朝廷に収める野禽を狩りするために出かけるのであるが、この説明の通りの話になってしまう。然し男はかなわぬ恋であることは分かっているから尾張に旅立って行く。最後に

女「かち人の渡れど濡れぬえにしあれば」 男「また逢坂の関はこえなん」と読み合わす歌が印象に残る。本当は何もなかったとにおわせるとは、問題が大きくなることを恐れたか?

b君が「この次は井原西鶴の「世間胸算用」を読むのはどうだろうか。」と提案していた。高等学校等で大学受験のために日本の古典を読む。しかしそれは時間が無いからほんの一部になってしまう。たとえ現代語訳になったものでも構わないが通しで読むと作者の意図、面白さ等が分かり何かが得られる様な気がする。

私は今までに「平家物語」「源氏物語」「枕草子」「徒然草」「奥の細道」等を通読した。b君は「古事記」を通読した、と言っていた。みなさんはいかがですか。

 

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