1332「同期の桜、a君のお別れ会」(130日(金)雪後曇り)

 

昭和32年都立高校入学試験は国語、数学、英語、理科、社会に加え、体育、音楽、図画工作、家庭の9教科であったが、易しかった。この9科目にすべて満点を取り、900点を取ったものが4人、そのうち二人が我が母校にいたが、一人がa君であった。そのa君が今月初めに亡くなった。

同期の有志よる告別式が学士会館で行われた。朝起きると雪、このままだとどのくらい積もるかと心配されたが出かける。学士会館。神保町の今となっては立派だが古色蒼然たる建物。出席者は30人以上。正面には遺影が飾られ、eさんが努力したという当時のa君中心の写真集が用意されていた。フォークダンスの写真が懐かしい。まだ純情?だった時代。修学旅行の時に嵐山近くの写真も懐かしい。バスガイドのお姉さんがずいぶんきれいだったことを思い出す。

医師c君の話によると、a君は朝早くトイレ前で倒れているところを発見された。突発性のものであろうとc君。仲間には話していなかったというが、もともと狭心症の兆候が出ており、夜の集まりなども無理をしなかったという。休日であったために、救急車で搬送されるまで手間取ったのだという。「2時間以内に処置すれば蘇生する可能性があったのだが・・・・。」と再びc君。

だから皆も注意しろというのだが、独身生活の私、そういう時にはどうなることやら。73歳。冥福を祈る、10年は死ぬのが早かった気がする。

何人かが故人の思い出話を語ったが、女性たちの中に「恐れ多くて近寄りがたかった。」と言う者がいた。900点のせいであるまいが、高校時代の成績もb君、c君等と共にトップクラスであった。私もなんとか追い付きたいと願ったものだが・・・・・。そのころは理工系に人気があった。受験志望校を決定するときに中込という担任の物理の教師からa君は「東京大学理科一類」決めつけられてしまったとか。「彼は文学にも才能が有り、そちらもやりたい様子であった、」とは、今日の打ち明け話の中で出た話。物理学科を卒業した後、理化学研究所に勤務し、多くの業績を残したそうだ。液晶が専門であったらしい。

私とa君は縁があると言えばある、無いと言えばない、程度であった。2年生の時に同じクラスであった。近くに住んでいるから、年賀状のやり取りをしていた。彼は母校出身のある区議会議員を応援していて、関係するハガキが時々届いた。同期で「いちに歩こう会」という会が年に2回行われる。中央線沿線を中心に10キロ以上歩き、食事をする会である。私はこれには大体出席しているが、a君も23回現れた。初めて来た時の様子を披露したものがいた。「背広にネクタイ、革靴」というスタイル。今日の暴露話によると、女性たちがとがめると「妻がちょうど不在でどこに洋服類や靴があるのかわからぬ。」と答えたとか。物静かで親切なのだが、独特の雰囲気を持った男でもあった。

a君とb君それにc君、それにd君は麻雀仲間であったという。高校を出て50年以上、こういう仲間がいるのはうれしい。秀才4人組、競争ばかりせず、カラオケでもやったらいいじゃないか,というのは、凡人の私の勝手な解釈・・・・。そのa君から11月の初めにメールをもらった。「私の弟が浜松で医院を開いている。D組でクラス会を開いたそうだが、其の名簿にあるfさんというのはもしかしたら、浜松医大病院の院長の奥様ではあるまいか。」調べてみるとその通りであったのでメールを送り返すと、感謝の言葉と同時に「そのうち君とも麻雀をすることができるかもしれぬ。」など書いてあった。その矢先であったからなおびっくりする。

今日参加したのはもちろん「a君を偲ぶ」と言う事であるが、同時に久しくあっていない同期の仲間に会えるかもしれないと思ったからだ。c君、d君とは何年振りであろうか。c君は此れも今回何十年かぶりに合ったg君と共に3年生の時に同クラスであった。原子力が専門であったg君は、今は日立に住んでいるのだそうだ。二人ともまたクラス会を開くから是非出席してほしいとお願いしておいた。

最近一期一会という言葉は、人生をだいぶ経てからでないと、理解できないのではないかと思うようになった。hさんとは、いつか学会の発表を聞きに金沢に行ったときにお世話になった。彼女は、加賀友禅の制作をしているが、人手が足りなくて、何から何まで一人でやっている、とのことであった。もっともそれが「お元気」の源かもしれぬ。i君とも何十年ぶりであった。彼とは中学校まで一緒であった。あの時、私と同じ中学から私たちの高校に入学したものは8人いた。そのうち一人はすでに他界してしまった。当時のことを思い出してしばらく話し込んだ。50年以上・・・・いろいろあって当然だ。しかしそれを幸運にもここまで生きぬき、健康と少しばかりの財も蓄え、こうしてこのような会に出てこられることの幸せを感じる。

歳には勝てぬ。なかなか面白かったが、さらに飲みにゆこうと言う元気はなく5時過ぎに家路につく。

 

追記 旅行に行くため次回通信をお休みします。

 

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