1334「キューバ旅行行った後」(2月11日(水)晴れ)
夕べ帰国した。まだ時差ボケで眠い。それでも朝ラジオ体操に行った。
行く前にガールフレンドのAさんが「キューバなんて何があるの。」と聞いた。
確かに大した名所旧跡があるわけではなかった。革命に音楽にヘミングウエイ、カリブ海。しかしどこでも流れるラテン音楽と彼らの陽気な様子に圧倒され中々楽しい旅であった。
共産主義の国がそういうことになるのだろうが、キューバは国単位で一つの会社になっているように見える。従業員は国民である。会社は国民に作らせた財やサービスで他国と商売をする。時には野球選手のように人まで貸し付ける。そして目標はどこの国にも頼らぬ自活。まだ自国民の生活と周囲の生活レベルが大いに違うために二重通貨制を取らねばならぬところは苦しい。
キューバ人の現在の生活について、キューバ人の奥さんに収まり20年もこちらに生活しているというレイコさんの話によれば
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競争より、ボトムアップ社会を施行した政策を取っている。そのために政府が金を吸い上げ、給与として人民に配る形を取っている。
A
療費と教育費は只、配給制度があり最低限の生活はできる。
・・・・・ただし配給制度は徐々に縮小の方向にあるらしい
B
徐々に自由化を認める方向で
*個人企業も個別単位で認めている。我々が試乗を楽しんだクラシックカータクシーはその例だ。
*不動産は国のものであったが、最近は私有が許可制で認められるようになった。
*車は外国車に莫大な税をかけて販売することが認められ、合わせて古い車の使用が認められるようになった。クラシックカーは庶民の苦肉の策。
C キューバ人の家族愛は大変なものだ。子は親を支え、隣近所の関係が強い。そしてそのつながりを通してたとえば家を購入する権利などがえられる。
・・・・家族愛を国家として奨励しているように見える。新婚夫婦は国から土地と家がなかなか購入できぬ。すると親と同居が増える等。
然しそのような国づくりをするには金がかかるだろう、どうするのか、と聞くと
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葉巻、砂糖などの輸出、最近は観光業がどんどんのびてきている。アメリカとの関係を良くすることは大賛成。
A
海外からの仕送りが多い。一時は国家予算程になったこともあった。
・・・・仕送りが自主的なものなのか、それとも強制的に政府に金を納めさせるものか。後者は自由世界に出て国を捨てる者も出てこないか?
レイコさんはぼそりと言う。「明日のことは分からぬ。政府は臨機応変と言えば聞こえはいいが、ご都合主義。キューバ人は本質的には怠け者」。
最近は次々と新しい制度が出来たり、古いやり方が替えられて目が回るようだ。革命後ソ連邦の援助により、キューバは楽園であった。配給にキャビアが配られたほどである。しかし1991年のソ連崩壊後は、アメリカの経済封鎖がきき、朝食は砂糖水というような事態にまでなった。それが必死の努力と観光業の発展によりここまで来た、という。
以下は帰りの飛行機の中で私が思ったこと。
「人は金はあったほうがいい、しかしある限度以上儲ける必要はない。それにもかかわらず、欲望は無限だ。資本主義の世の中はそれをコントロールしない。そして富が富を生み、富者はますます富み、貧者はますます貧しくなる。しかしキューバ流共産主義はボトムアップを志向し、ある一人の物が無限に富むようなことを許さない。一方で人の欲望を押さえつけることになる。資本主義の世の中へ脱出するものが出て当然だ。また発展へのインセンテイブが減るから社会が進歩しないかもしれない。結局はその中間的なところに答えがあるのかもしれないが・・・。」
「今後どうなるのだろう。キューバの現状を見ていると20-30年前の中国を思い出す。
それなら中国が今どうなっているかを考えればいい。国が言い方を変えれば共産党がすべてを決め、人々は最低限の生活を保障されている。然しレベルは低い。それを上げるために中国は外資導入を積極的に行った。しかしそれは汚職や癒着などの腐敗を生んだ。いま中国は権力闘争と共にそれに取り組んでいる。キューバに汚職はないのだろうか。給与は多分人によって職業によって違うのだろう。すると誰がそれを決めているのだろう。何でも許可となれば許認可権を持つものは誰か。そんなところに腐敗の種は十分ある。」
ただ国家として何を稼ぎの種とするのか。人材がどんどん外に逃げて行き、仕送りで半分国家が支えられているような状態は決して望ましくないと思うのだが・・・・。
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