1347「融ける魚」(41()晴れ)

 

魚も高くなったものである。少しおいしそうな魚になると100g300円くらいする。私は、魚は少し大きめのものをゆったり食いたい。その辺で売る100gを割るようなものでは小さく感じる。それでたとえば150gに切るとすれば450円、外食すればそれだけでラーメン一杯の値段・・・・。今日はそれに近い魚を買ってきた。アメリカ産のギンダラの切り身である。頭の中にこの煮つけを食った記憶、実においしい。ただしガールフレンドのAさんと食べるから二人分で900円近く。

夕食は、Aさんが来るのでぜひ焼き魚、と決めていた。訳がある。我が家のガスレンジは魚焼き機構がついており、荒い網に乗せて焼く。しかし魚は焼くと油などがしたたり落ち、下のパンにたまる。それを本当は一度焼くごとに洗わなければならない。23日前、一人の夕食に今が旬のニシンを焼いた。2匹買ったから2回にわけて・・・・。面倒くさくてパンは洗わないで放ってある。今日これを焼けば、パンがさらに汚れる。しかし親切なAさんがきれいに洗ってくれるに違いない。昔から言うではないか。「立ってるものは親でも使え!」

わが家にもどっていそいそと銀ダラを網に乗せる。火をつける。ところがである。少したって網を出してみると、切り身がずいぶん小さくなっている。さらに見ると身が大部分溶け出してパンに落ちてしまっているのである。魚の油が加熱されて液体になり、網を通って落ちてしまったらしい。見るも無残になったギンダラを食わざるを得なかったのはその後の話。

いつの頃であったか、ベトナム産の小エビを買ったことがある。ずいぶん安く海老はふっくらおいしそうに感じた。しかし家に戻って水につけるとみるみるしぼんでしまった。氷で海老をくるんだかたちであったのだ。それを思い出した。

くやしいからギンダラをウイキペデイアで調べると要約次のようであった。

カサゴ目ギンダラ科に属する魚類。別名、ナミアラホクヨウムツなど。ギンダラ科には他にアブラボウズが含まれるのみで、本種だけでギンダラ属を構成する。肉食の大型深海魚で、食用に漁獲される。最大全長120 cm。全身が黒褐色をしている。和名のとおり外見がタラによく似ているが、タラではなくアイナメやホッケに近い魚である。下顎にひげがなく、背鰭が2基しかないことでタラ類と区別できる。駿河湾、北海道内浦湾以北からアリューシャン列島、アメリカ・カリフォルニア州沿岸までの北太平洋に分布する。特に大陸棚斜面と北東太平洋の海山付近の水深300-2000mほどの深海の泥底に生息する。肉は白身で脂肪分が多い。煮つけ、塩焼、粕漬け、みそ漬けなど様々な料理で食べられる。」ここには塩焼とあるけれども、よほど注意しなければならぬ、本来は煮つけである、と高い授業料を払って得た知識・・・・クシュン。

ちなみにガスレンジの魚焼き機で魚を焼くときに気が付いたことを一つ。

ニシンは実はなかなか難しい。体全体が妙にやわらかいのである。それ故焼いた後皿に盛りつけようと下手に持ち上げると途中で折れてしまう。家庭の魚料理で案外難しいのは形をきれいに調理するという事。煮る場合には大きな鍋とクッキングペーパー、魚焼き機で焼く場合には大きなへら、ソテイはフライパンにくっつくのが心配だから揺らしながら調理する・・・・。

ところでニシンは雌なら数の子、雄なら白子が入っているものが多い。できるだけ前者の方がいいのだが、魚屋で区別するにはどうすればいい?ウエブサイトにあった答え。

「尻尾に少し切れ目があるのがメスらしい。でも素人では見分けるのは難しいそうです。漁港でオスメス仕分けされ、見逃されたメスが時々混じります。オスでも餌を沢山食べていればお腹はプックリです。メスは数の子を持っているから高く売れます。私の方ではス−パ−では子持ちにしん として別に売っています。」

夜、テレビで「試して合点」で、イナダの切り身の見分け方と料理方法を説明していた。

しっぽの方は油が少ないから、味が染みやすい。酢でしめて食う方法を進めていた。上の方に行くと油が多い。切り身の上と下を区別するにはこのくらいの魚は卵を抱えていたり、内臓が大きかったりする。それゆえ骨の側の形をみればそういったものを除いたあとかどうかわかる。背側よりも腹側の方が油が多い。前者は程よい油の量で刺身などに最適。後者はねっとりとした油の味を楽しむべきだ、としていた。

しかしイナダを焼いてもあの油が溶け出すことが無いのにギンダラは溶けてしまうのだろう。おそらく油の種類が違うのだろうけれど、どなたか教えてくれませんか。ここまで書いて私はひょっとしたらあのギンダラも氷で固めて切り身らしい形にしていたのかもしれぬ、と気が付いた。ただしパンはAさんがきれいに洗ってくれたから証拠はない。

 

註 ご意見をお待ちしています。

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読者からいただいたメール

ギンダラなどの油っぽい魚を焼くときは、アルミホイルにくるんで焼いて、仕上げの時だけホイルを開き焦げ目をつけると良いとおもいます。

小生もギンダラの西京漬けが好きですが、いつもこうしています。