1348「鼻の下が長くなる・・・」(4月2日(木)晴れ)
今日は一日大変であった。
中国語の授業、その後個人レッスン、アパートの経営について弟と打ち合わせ・・・・。
昨日、おとといはこの準備がなかなかであった。しかも途中でパソコンのプリンターが故障してしまった。仕方なくガールフレンドのAさんに送り、コピーを作成してもらった。
中国語、なかなか進歩せぬ。映画でいうセリフも、中国人同士の話す会話も、中国の歌の歌詞もなかなか理解できぬ。生徒の一人が自嘲気味に「越学越没自信」(勉強すればするほど自信を失う)と言ったが、私もそれにもれぬ。
先生は今日は上海に住むお父さんが脳溢血?で倒れてよほど帰ろうかと思ったそうだ。しかし少し恢復し、今は小康状態、姉二人が見ているので帰らなくて済む、という。授業も個人レッスンも予定通りであった。彼女は若く見えるが、実際は知らぬ。しかしお父さんが77歳、16歳か17歳の娘がいるというから40台半ばか。ぽっちゃり系美人。20年くらい前に一度結婚したが、彼女によれば相手が北京、彼女の家は上海で全然合わず家族の猛反対にあい、別れたとか。
授業は1時間半。生徒は僅かに3人。最初に自由会話。しゃべった方が勝ちである。
「昨日聞いたニュースです。中国では習近平による腐敗撲滅運動が盛んである。ついにあの江沢民の汚職が摘発されそうになっている。あせった江沢民は日本の外務省に亡命したいと打診してきた。外務省は大慌てでどう対応するか現在協議中である。」
私がたどたどしい中国語でいうのを、先生はチョークで丁寧に書く。しかしここまで来て突然「四月バカでしょう。そんなわけないわ。わかるわよ。」
いままでやった教科書を読み、それを書かせた。分からぬ。チーでも七か、行くか、食べるか、いくつか・・・・発音は皆違うのだが、日本人には同じように聞こえてしまう。
個人レッスンは終わって公会堂で落合い、1時間お茶を飲みながら行う。ただし授業の資料はこちらが全部用意するから大変。今日はいつもの日記から抜き出したものの中国語訳、最近のニュースで4年目を迎えた東日本大震災に関する者、それに孫子の最初の部分である。あの昔武田信玄のTVであった「兵者詭道也」(兵は詭道なり)も含まれる。
日記はあの若い上野君の死から始まる。「もっと人生を楽しみたかったろうに、と思う。明日のことはわからない。誰が何を言おうとも長生きする者が勝ち、と思う」こんな文章を中国語に訳した。彼女は誰が何を言おうとも長生きする者が勝ちというところにいたく共感した様子であった。
上海にしばらく戻らぬからお父さんに何か送りたい、日本の介護食はどうだろう、あれは簡単に送れるか等々・・・・良くわからぬ。戻るなら1週間やそこらでは足りぬ、何か月かになるが、その時手付を打ったばかりのマンションはどうしよう、このコースの教師は解雇されてしまうだろうか、など心配していた。
彼女を通じてみた中国人像は一般の報道で見る野卑で自分中心の中国人像とは大いに違う。彼女は現代的感覚は備えているけれども、芯は結構古いタイプの日本人に似る。
お父さんは高校?の物理の教師であったという。文化大革命で追放され、苦労したが今は上海で暮らしている。彼女自身はその苦労を知らずに育った、一人っ子政策の影響も受けず、姉が二人いるそうだ。女3人でお父さんが倒れると重くて大変とか。「人はどのように生きるべきであると思うか。私は人間関係が一番大切であると思う。」と聞かれた。
今は娘さんに夢中「親は子供にできる限りのことをしてやるべきだ。」と考えているようだ。娘さんは大学生になったらしいが、もうすぐアメリカに1年留学するとか。彼女は、私の娘程の年齢であるが、もっとしっかりしているように見える。
中国で英語を教えていたとかで、教えることになかなか熱心である。個人レッスンで古典のごく一部を読むのは今日で3度目、論語、老子と来て孫子。彼女自身それほど読んだことはないらしく、インターネットを駆使して随分予習をしてきてくれる。1時間の授業はあっという間に過ぎてしまった。私にすれば謝礼は十分に元が取れる感じ。帰り道、彼女と歩くとなんとなく気恥ずかしい。彼女も察するのか、八百屋で買い物をするからと別れて行った。
終わって喫茶店で時間をつぶした後、弟と落合い、食事をしながら経営会議。数か月前に或る工事をさせた時、大工が「追加工事が発生した。」として上乗せの請求書を持ってきた。弟は「甘い。見積書をいったん出してきた以上それでやるのが常識ではないか。」という。しかしいつも世話になっている大工、そう冷たくできぬ、「人間関係が大事」と考える私は、中国語の先生と同様古いタイプなのかもしれぬ。陽気の良くなった夜を、ぶらぶらとたった一人の我が家へ。あちこちの桜がほぼ満開である。
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