1349「息子の家を訪問」(45()小雨)

 

息子が沼津に建売住宅を購入したので見に行った。

息子は44歳、妻と子達三人を抱え、御殿場線裾野市にある機械メーカーに勤務している。

二年ほど前に4年に渡るタイでの勤務生活を終えて帰国した。

会社の寮を出なければならないこと、娘たちが大きくなり、それぞれ部屋を欲しがり、手狭になってきた、などが理由のようだ。

沼津は、私は当然新幹線がとまるものと思っていた。実際は三島で乗り換え、5分ほど東海道線に乗る。東海道線は新幹線が盛んに動くようになって、影が薄くなったが、線上にある各駅にとっては重要で、まるで大都市の通勤電車みたいに機能しているようだ。10分おきくらいにある。

家族5人で駅に迎えに来てくれた。駅から歩いて5分くらい。数年前に戸田にいった時や、身延線上にある温泉に行った帰りに、沼津港に魚を食いに行った時のことを思い出す。繁華に見えたがそこはまだ地方都市、一つ奥に入れば住宅街が広がっている。

長女が高校、次女が中学に進学することになった。明日どちらも始業式があるのだそうだ。家も新築、娘たちも進学とあって、少し太った嫁は幸せそうであった。息子本人も「これまでは仕事に加えて、子達の受験、家の購入と忙しく、落ち着かなかったが「やっと解放された。」と満足そうな様子。入学祝と新築祝いを渡す。彼等は10歳くらい違うから、嫁は息子の指示に従い懸命に動くというスタイル、それ故、息子は神経をすり減らすところもあったのであろう。トイレに入ると「手を洗う、ドアは開けっ放しにしない。」と手書きのステッカーが貼ってあった。息子は技術系、この几帳面さ、さもありなん、と推定。携帯は、家族割引を使っているが母親、二人の娘、自分を合わせて4人利用、必要経費だとも言う。時代は変わってしまったものだ。

家は、住宅街の中の白い箱のような建売住宅、狭い土地ではあるが二階建てで二階に3室、1階は和室とキッチン機能の付いたダイニングルーム、トイレが上下についている。階段にバリアフリーと手すりがついている点は、我が家も見習った方がいいかもしれぬ。向きは東南の角、最高でこれなら朝日が思い切り入りそう。塀と表札がまだできていないが注文中と言っていた。

長女は、成績が今一つで、心配していたが、県立高校に合格したという。中学卒業の折に書いたらしい身上書みたいなものを息子が見せてくれた。父母、妹弟にそれぞれ感謝し、これから頑張ります、というような内容で、ところどころ漢字を使えたらいいのにと思うところもあったが、考え方は分かった。全体好感がもて、これならひとまず安心と思った。次女は利発である。今日も得意のピアノを聞かせてくれたし、自室の机の上には、早くも中学校の算数の本を用意し勉強している様子であった。動きもよく、お母さんを手伝って料理を出したり皿を片づけたり、手早くやってくれる。まだ将来どうなりたいかは決まっていないらしい。長男は小学校3年生。こちらも学力がやや心配だが、非常に素直に育っている。

手巻きずしを御馳走してくれた。こちらに希望を聞いて嫁と次女が近くのスーパーに材料を仕入れに行き、急いで作ったもの。他人の家で食事をすると、その家の考え方、好み、さらには経済状態まで推定できるから面白い。刺身に卵にきゅうりに納豆、アボガド。子達の好みなのか牛肉のひき肉の甘辛煮まで出た。ずいぶん沢山用意したな、と思ったが、6つの口は消費量も大きく、きれいに無くなってしまった。息子は「賑やかでいい。」と満足そうであった。

終ってしばらくして小雨の中近くを散歩した。日枝神社があり、そこを越えると狩野川が流れていた。橋を渡る。遠くに低い山並みが見え、小さな山の天辺に五重塔が立っている。息子の通っている学校というのが土手下にあった。10キロは何メートルだ、と学力テストみたいな質問をすると、息子は苦労して答えた。次女がその程度なら、という様子なので「じゃあ1ミリは何キロだ。」と聞くと、ちょっと考えて「0.000001キロ。」とこちらも正確に答えていた。狩野川はゆったり流れている、鴨が数羽見える。こののんびりした川が、昔、狩野川台風で氾濫したなんて信じられない。次女は犬がほしい、と言っていた。社宅ではハムスターを飼っていたが、死んでしまったそうだ。嫁も賛成なのだが息子がいい顔をしないようだ。「犬を飼うのは世話を見なければならず大変だぞ。」というと「やります、やります。」と元気がいい。

みんな元気だ。こちらは歳を感じてしまう。彼等は、案外足も鍛えられているようだ。通学に長男は比較的短いが20分くらい、女の子は電車等にのり40分くらいという。それなりに普段歩く習慣がついているのであろう。沼津駅で別れ、また三島で新幹線に乗り換えて帰った。18000歩あまり、ひどく疲れたと感じた。家族がうまくいっているようで親としてはありがたい。

 

註 ご意見をお待ちしています。

e-mail address   agatha@ivory.plala.or.jp

ホームページ    http://www4.plala.or.jp/agatha/