1372「ギリシャの選択雑談」(7月5日(日)雨)
この日記を6日朝に書いている。ギリシャで、欧州連合(EU)から金融支援の条件として要求されている財政再建策への賛否を問うギリシャの国民投票でNOが決まったようだ。チプラス首相は勝利宣言を行った。彼はこれを今後のEUとの取引材料に使おうとしているようだ。我々はどう考えるべきか。
ギリシャ 約13万平方キロ(日本の3分の1強)、人口1116万人 GDP2300億ドル(日本4兆6000億ドル)(2013年)1829オスマントルコより独立。2001年ユーロ導入。
この問題について以下の記事が非常に興味深かった。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150204-00042799-biz_jbp_j-nb&p=3
「2010年春以来、IMFとEUはギリシャ債権のために3000億円以上の支出を行っている。その多額の経済援助の代わりにEUがギリシャに求めたものは、厳しい節税と緊縮政策だった。EUとIMFと欧州中央銀行の三者がギリシャに入り、財政を管理した。・・・しかし緊縮財政でお金が回らなくなったギリシャは、瞬く間に疲弊してしまった。倒産が相次ぎ、人々は職を失い、消費は行き詰まり、挙句の果て、年金は下がり、医療保険も社会福祉も壊れた。若者の失業率は5割に近いともいう。それでもEUは、節税、緊縮を緩めることを許さなかった。・・・・・。 」
このレポートはさらに今のギリシャをヒトラーが台頭した時のワイマール共和国の国状と似ているかもしれぬ、とする。民意を組んでナチスは第二次世界大戦へと突き進んでいった。戦争をすることはあるまい。しかし絶望した人々がむちゃな要求をし、願望することはよくある。
国会解散、総選挙と進み、反緊縮を唱えた若き社会主義者チプラス氏が、あれよ、あれよと言う間に突出した人気を得て、ギリシャの首相に収まってしまった。・・・・そしてこの国民投票の結果。
・・・・元外交官の某氏は「まったく彼等は何を考えているのだ。」とあきれていた。
しかし民意。ナチスドイツや日本があの大戦に進んでいったのも結局は民意の行く末ではなかったか。
チプラス氏は40歳。若く魅力的。彼は、「貧乏人がこれ以上苦しむことはない。国の復興は、金持ちのお金でやろう」と言っており、生粋の社会主義者だ。
しかし彼が何かの狂信者あるいは共産主義者だ、などというつもりはない。今回の問題も借金を返さないなど暴論を言っているわけではない。債務免除、返還方法等について元に戻して交渉するつもりらしい。その上で銀行を再開し、年金を確保し、首を切った公務員は再雇用するなどして、お金が回るようにしたい。しかしうまくゆくであろうか。
EU特にドイツにとっては、この一連の動きは明らかな敗北であることは明らかだ。財政規律を貫こうと大きな財務を提供してきたが、ギリシャ国民から憎まれているようだ。
ギリシャへの借金は民間の物は少ないようだ。ECB(欧州中央銀行)であるとかIMFが80%を占めるとか。今後の方向について二つのシナリオが囁かれている。
@
ECBが妥協して、償還期間の猶予などを認めて資金供給を続ける。しかし一度このようなことをしてしまえば、ポルトガルやスペインもおなじことを要求するのではないか。
A
ECBは資金供給を停止する。この場合、ギリシャはいづれユーロが枯渇するであろう。とすればギリシャ独自の通貨の発行、それによるハイパーインフレーションの到来などが考えられる。するとギリシャはEUを脱退することになるのではないか。
ただギリシャがEUを脱退し、貿易を閉ざされ、二重通貨性を取ることに追いやられてもやってゆけなくなるという事はないかもしれない。いくら窮乏しても北朝鮮政権はそう簡単に瓦解しないではないか。今までのキューバも同じだ。
日本にとっては、これがギリシャだけの問題にとどまっていれば問題はない。
しかし@で決着がつき、他国に飛び火してEUそのものがおかしなことになれば重大だ。
短期的には問題が少なくとも、長期には大変なことになる、との見方もある。
「EUの結束と国際的な立場は、ギリシャの債務危機、ウクライナ紛争でのロシアの役割、英国のEUとの関係見直し、地中海の移民問題によって危機にさらされている。」
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150706-00000080-reut-m_est)
地中海の移民問題はアフリカや中東の移民問題、南北問題になるかもしれぬ。しかしこれら4つの問題は日本にとっては欧州の問題と眺めておられるように感じる。
追記(7月13日) 事態はまだまだ流動的。チプラス首相はかなり EUの要求をのんだ妥協案を示したが、EU側は実効性まだ信用していない。法制化を要求している。しかし結局は@の妥協で今回は片付くように思う。みなさんはどう思いますか。
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