1377「「連合国戦勝史観の虚妄」を読む」(7月27日(月)晴れ)
著者H.S.ストークスは、1938年英国生まれ。オックスフォード大学修士課程を修了後、62年フィナンシアル・タイムス社入社。64年東京支局初代支局長、67年ザ・タイムス東京支局長、78年ニューヨーク・タイムス東京支局長を歴任、三島由紀夫と最も親しかった外人記者としても知られる。
幼いころ、イギリスの田舎で初めて戦車に乗ったアメリカ兵を見た。彼等は、我我にチューインガムを投げつけた。「うれしいと感じることはなく複雑な気持であった。・・・アメリカが世界を完全に制圧しており抵抗することは不可能だと思った。」(19)
太平洋戦争が始まった。シンガポール陥落や「プリンスオブウエールス」「レパルス」が撃沈されたことは英国にとっては前例のない事だった。大英帝国建設過程における侵略戦争でイギリスは連戦連勝であったのだ。
「チャーチルは聞くに堪えない言葉で日本人を侮蔑している。背景には数百年にわたって栄華を極めた大英帝国があろう事か東洋の小人たちによって、一瞬にして崩壊させられ・・・」(34)
「日本の残虐行為が報道されるようになったのは、戦後の1945年からである。「パターン死の行進」とか、収容所での虐待が取り上げられた。・・・・必要以上の残虐性が取りざたされた。」(30)
そんな状況の中で育った彼であったから、日本人をひどく野蛮と考えていた。しかし彼はある小説等にあった「我我は日本人を裁くことができるのか」という問題提起に強い衝撃を受けた。
そして来日して情報を集めた結果、次のように考えるようになった。
「東京裁判は・・・・まったく裁判の名に値しない。東条英機などは「戦犯」として裁かれたが、戦勝国として「判決」を受け入れさせられただけの事だった。あんな不当な裁判を受け入れる必要はなかった。」(26)
この辺は前日聞いたテレビ朝日「池上彰そうだったのか、そもそも戦争とは」スぺシアルが指摘したとおりであったろう。戦勝国判事だけによる裁判、事後法による断罪、一般市民に対する罪を犯罪とするのなら原子爆弾投下は犯罪ではなかったのか。戦争すること自体は犯罪ではない。極東軍事裁判が復讐劇であったのだ。日本の戦争犯罪と600万人の無辜のユダヤ人を殺したナチスの犯罪を一緒にしてはならない。
そしてマッカーサーが日本を支配した。そして彼が作らせたのが日本国憲法だ。
「GHQはマッカーサー一人のものだった。・・・その傲慢と不実は唾棄すべきものだ。・・・まるで創造主のように振る舞い、国際法も一切遵守することなく占領政策を策定し推進した。・・・正義を貫くというパフォーマンスに正義のかけらもなかった。」(71)
「占領下で憲法を強いたのは国際法違反だ。・・・日本国憲法は日本を弱体化し、二度と戦争を起こすことが出来ない国に対する降伏条約だ。・・・前文で約束させられていることは、「日本国民はその生存をアメリカにゆだねるという事だ。こうしたアメリカの保護領としての立場を変えさせないための枷(かせ)が、国会の三分の二以上の賛成を得ないと改正することができないという第九十六条だ。」(239)
著者は三島由紀夫を親交が深かった。自殺は十分に演出されたもので、死をとして問うたものは
「占領軍が破壊した日本の国体を取り戻すことが目標だった。」(68)
「日本が魂を捨てて、アメリカの傭兵であり続けてしまったら、日本でなくなってしまう。日本が占領下で強要された憲法を護っている限り独立できない。」(239)
三島の考えを著者はすべて受け入れるわけではないが、これらをベースとして著者は言う
「戦犯の合祀が取りざたされるが、1952年に日本弁護士連合会が「戦犯の赦免勧告に関する意見書」を提出したことを契機に、全国に運動が広がり1955年に衆議院本会議で・・・赦免決議を可決した。この国会決議によって日本から「戦犯」がいなくなった。・・・いわゆる「A級戦犯」が合祀されているからといって、・・・・天皇が親拝できないという事はあってはならない事実だ」(138)
「ヒトラーのドイツは、全ヨーロッパを派遣のもとに置くために、征服戦争を戦った。日本は自衛のために追い詰められてやむにやまれず立あがった。日本は・・・詫びる必要などなかった。」(238)
そしてアジア起こっている問題について
「アジア諸国の欧米による植民地支配からの独立は、日本によって初めて可能となった。」(241)
「南京大虐殺を最初に世界の報道したのは(戦勝国側、アメリカの)新聞記者であった。そしてこれを大きく宣伝したのがマイナー・ベイツやジョージ・フィッチという宣教師であった。しかし誰ひとりとして殺人を目撃したものはいなかった。」(112要約)
「「慰安婦」問題は、完全なナンセンスだ。・・・「邪悪な日本」というものを設定し、それから宣伝するプロパガンダになっている。」(231)
歴史の嘘が見抜けると評判のベストセラー、歴史の一つの見方として一読をお勧めする。
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