1385「世界経済ラフスケッチ」(825日(火)曇り)

 

今世界でどういうことが起こっているのか、これからどういうことに分からぬ。こういう話はもっともっと資料を集めてから慎重に話すのがいいのだろう。しかし時間も能力も限られている中で思いつくままに書いて見る。

とにかく発信源は中国のバブルの崩壊らしい。株価を中国政府はいろいろな金融機関を通じて支えてきた。現在の共産党政権の維持・発展のためともいえる。しかし実体経済はそれほどよくないらしい。GDP10%を超えていた成長率はいつの間にか7%に下がり、今では4%、あるいは悪くすれば1%などという声も聞かれる。そんな中で中国政府は実質的に三日続けて中国元を切り下げた。切り下げたと言っても数%なのだが、これが起爆剤になった。株式市場には売りが殺到し、一時は5000元を超えていた上海総合指数は下がりつづけ、とうとう3000元を割ってしまった。さらに追い打ちをかけるように天津での大爆発事故。

もともと中国は株式市場がそれほど発達していなかった。然し少し前までは株式ブーム、投資すれば儲かると猫も杓子も婆さんもみんな株に走った。上がっているからみんなニコニコ顔で、一部は日本などへゆき爆買いまでおこなった。多く投資すれば多くリターンが得られるからと、全財産を株にするどころか、それを信用で膨らませて身の丈以上の株式投資をするものも続出。怖さを知らない。下がっても政府が支えてくれる?ところがこの暴落、跳楼(チャオリョウ)というのは高層ビルから飛び降り自殺することだが、それが結構出ているらしい。しかしお国柄見事な報道管制が敷かれ表に出てこないのだが・・・・。株価下支えのため、官民合わせて少なくとも少なくとも80兆円の金を支出したが水泡に帰したそうだ。

日本は、中国市場だけを頼りにしているわけではないが、多くを輸出し、爆買いによって恩恵を受けるなど大いに影響を受ける。好調な企業業績を背景に、株式市場は日経総合指数が20600円くらいまで行ったがどんどん下がる。今日などもうそろそろ底打ちと一時は揚げに転じることもあったが、中国経済不透明、上海市場は下げが止まっていないなどと考えたが引けにかけて大幅下落、とうとう18000円くらいまで行ってしまった。さすがにまだ跳楼は出ていないがやきもきしている連中は大いに違いない。

中国政府は昨日あたり面白いことを言った。「株価暴落は中国のせいではない。アメリカが金利を揚げるからだ。」と言い出した。アメリカの金融緩和はずいぶん長く続いている。そろそろ引き締め、金利上昇を囁かれていた。それが現実となれば安定高金利を求めてアメリカ市場にマネーが流れる。だから中国元も売られるとでも言いたいのだろうか。

しかしそれよりも新興国からのマネー流出が激しいらしい。株価も貨幣も軒並み下がっているとか。最近では資源価格の暴落が激しい。その典型が石油だ。バーレル100ドルを超えていたものが、シェールオイルなどの増産により価格が下がった。OPEC総会が開かれ、世界は価格を維持するために減産すると予想した。ところがアラブ首長国連合などが、市場争いに負けていられぬ、とばかり生産量の現状維持を決めてしまった。おかげで石油はだぶつき、価格はどんどん下がり最近ではなんと40ドルを切ってしまった。これにどのように関連するのかわからぬが、その他の資源、石炭や鉄鉱石などの価格も大いに下落しているらしい。典型がオーストラリアやブラジル。レアルも豪ドルも大暴落。日本は、比較的に安全とみられる円に世界の金が集まり上昇。125円近くまで行っていたものが118円台まで上げている。GDP比で借金が世界一高い、大変なことになると言っていた話とは真逆の現象。

米国の場合は景気はよい。世界で一人勝ちであった。しかし資源価格の下落など先行き不安や預金金利引き上げ予測などからかダウ平均が下がり基調であった。そこへ持ってきて中国の下落、アメリカも輸出先として中国を重視していた。下げに拍車がかかり、すでに5月頃の18000台から15000台まで下がってきている。また欧州ではたとえばドイツのDAX12000から下がり10000を割り込んできている。世界同時株安の流れ・・・・・。

中国はようやく貸出金利の引き下げ、銀行の預金準備率の引き下げなどの対策を打ち出した。それを受けてか日本は下がったものの、ヨーロッパでは少しばかりの持ち直しの動きもみられる。しかし米国では引けにかけて失速、大幅安になった。日本株は米国株価の影響を受けやすい。それに世界不況の原因はもとはと言えば中国だけではない。資源価格問題は依然未解決だし、ヨーロッパはギリシャ問題を抱える。そんなことを考えればこの先の回復はまだ不透明。世界株安や為替の動きはこの1か月くらいの急激な現象。多くの人は静観している様子であるが、信用で商売をしている人は期限内に清算せねばならぬ。この状態がつづくようであればどういうことになるのか。個人としてもどうしたものか。

 

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