139「税の申告」(2月17日 晴れ)

所得税の申告を行った。
昨年(平成13年度)は相続だの退職金だの不動産収入だの、収入が多岐に渡ってややこしくて税理士に頼んだ。今年は年金とアパートは有限会社にしているためその給与と二種類しかないから、断然自分でやることにした。税金の申告は、現役時代一二度やったことがあるがまだ経験は少なく、おっかなびっくり。

簡単に計算してみると収める税金が40万以上になり、大ショックを受けた。知人に見せたところ、「年金はそのまま課税されるわけではない。」あわててマニュアルを見直し、所得金額を計算しなおすと、税額は16万円くらいになった。荻窪税務署に行った。時間があったから申告書作成コーナーで自分の作成したものを税務署員に見せてこれでいいか、と聞いた。すると「定率減税額が抜けています。」25万円を限度として計算した税額の20%を減税することが出来る。税額は6万円弱になった。ホット一息!

しかしいいかげんやってだすと、税務署は、超過していても注意せずそのまま受け取ると話だから、油断大敵である。事実、件の知人は、私から定率減税の話を聞いて「それは気がつかずに提出してしまった。」と悔しがった。

ところで私の税理士先生はなかなか偉い先生で「租税制度の歴史」という本を書いている。その本やらインターネットで調べた結果をもとに、日本の租税制度をざっと振り返るとつぎのようになるらしい。
明治維新と共に日本の税制はおおきく変わった。明治6年(1873)に田畑貢租米をすべて金納することを許可し、以後、次第に米で税金を納めることがなくなった。税制も明治8年(1875)に国税と地方税の分離、20年(1877)に所得税がもうけられる、22年(1879)に法人に所得税がかけられるようになる、などは次第に変わっていった。

大正2年(1913)の所得税改正で超過累進税率の導入、勤労所得控除の創設、大正9年(1920)に利子・配当課税、累進税率の強化、扶養控除の新設、昭和15年(1940)に総合所得税による課税ベースの拡大、給与所得の源泉徴収制度の新設、法人税の独立などがあった。

そして戦後。昭和22年(1947)に有名な「シャウプ勧告」があった。
所得税の軽減など多くの措置が取られ、さらに地方税が充実されたが、庶民にとって大きかったのは青色申告制度の導入であった。シャウプ勧告は当初こそ勧告に近い形で実施されたが、その後富裕税が廃止されるなど時代と共に少しづつ変わっていた。

しかし抜本的改正は、いくつかの曲折を経ながら、平成元年(1988)頃に実現した。「公正・中立・簡素」を基本にして、「高齢化と国際化」を前提に「所得・消費・資産のバランス」をもった税体系の構築で、端的に言えば「広く薄い」負担を計るため、直接税中心から間接税中心にシフトをはかるものだった。具体的には「消費税の導入」である。

現在、所得税は、2002年度の税収ベースで約25兆円(個人住民税、個人事業税含む。) 税収入の約30%をしめる。一方消費税収は5%の税率で12.3兆円、約15%をしめる。だから10%にすれば単純に消費税は所得税収と肩をならべる。

これからどういう風に税制度が変わるか、われわれ庶民には予測がつかぬ。ただ、ものを買えば消費税の高さが気になり、申告書を書く段になると、政府はもっと無駄な支出を抑えられるはずだ、と歯軋りするくらいが関の山である。

しかし申告漏れがあると納税者をまるで犯罪者みたいに扱い、間違えて過剰に収めたときは知らぬ顔の半兵衛を決め込む今のやり方はおかしいのではないか、と思う。納税者によって違う数字を読み取り、機械計算し、間違いがあれば指摘して上げるくらいの親切心は当然と思うのだがどうだろう。

それにこの申告書のややこしさはなんとかならないか、と思う。脱税はいかんが節税は大いにすべきである、などとみんなは言う。しかし待てよ、と思う。大体、税金が計算の仕方によって変わる、ということ自体がおかしいのではないか。その点にのみ限定すれば消費税の方がずっとわかりやすい!

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