1402「半日人間ドック」(112日(月))

 

背を思い切り伸ばして、計測棒に体をピタリとつける。かかとは分からぬように少し上げ気味にする。少しでも高く見せようとする魂胆。それでも「168.7pです。」・・・・去年より3mmも減ってしまった。若いころは171センチもあったのに・・・・・。

一日人間ドックで池袋のサンシャイン虎の門クリニックに行く。

今年は思い切って胃の検査を内視鏡で行うようにした。初めての内視鏡経験。

理由はバリウム検査ではしばしば見落としがあると聞いたこと、まれにバリウムが突っかかるなど事故があるという事、短時間で相当の放射線量を浴びてしまう事、医者は自働的に金が入ってくるからいい商売で、上の方には役人が天下りで来ると聞いたこと等々である。内視鏡検査は通常の検査と違い、時間通りにならないことも多いと聞かされて、受付8時の所、7時過ぎに向こうについた。3番目。

人間ドックの検査はまったく流れ作業で、工場みたいな雰囲気すらある。血圧が終れば血液採取、次は聴力検査と次々案内される。一つの検査は5分と掛からぬ。バリウム検査が無い分だけ早いがそれにしてもあっけない。いよいよ胃の内視鏡検査。

診察室。舌の奥に麻酔薬を垂らす。それを飲み込まずに、かといって舌先ではなく喉に押し込むような状態で維持する。これで首に麻酔がかかる。ものの5分。

ベッドの上に横向きになる。マウスピースをはめる。医者は先端がピカピカ光っている下水掃除用の棒のようなものをぶらぶらさせている。それを「じゃあ、いれます。」と私の口の中に押し込む。硬いパンでも押し込まれたような抵抗感があるが「みな、平気でやっているのだ。」と自分に言い聞かせる。「今が一番つらいところ、食道です。」「通過しましたよ。」「もう十二指腸です。」医者の言葉が次々飛び込んでくる。こちらは必死に耐える。看護婦がこの間私の背中をやたらにこすっている。落ち着かせようというのか。さすってくれる看護婦が年配のおばさんと認識するあたりはまだ余裕化。やがて終了。思ったほど大事ではなかった。

すぐに医者が説明を始める。「ここが食道、きれいですね。十二指腸、こちらも問題ありません。ここに少し出っ張っているところがあるでしょう。胃炎を起こした後です。もう回復しています。こことここに突起のようなものがあります。粘膜の下に何かある疑いがあるのですが、大きくならなければ問題ありません。今後の経過を見ましょう。」「じゃあ、来年もう一度検査を受けるという事ですか。」というと、そうだと答えた。この検査にはほかにピロリ菌検査と必要な場合組織検査が行われる。後者を一応申し込んでおいたがその必要はなかったようだ。

全部の検査が9時半くらいに終わり、それから20分くらいして医師の総合説明。

「血圧、血糖値、中性脂肪等全く問題がありません。肝臓、腎臓、膵臓等すべて基準以内です。すい臓にちいさなポリープがありますが進展していません。経過観察でいいでしょう。ただ肝臓は少し機能が下がっている様子なので、一週間に一度くらいお酒の休肝日を設けたほうがいい。前立線がんの指標になるPSA値は後日連絡します。目は今回はよかったですね。1.00.9です。聴力も右側下部に少し聞こえにくいところがありますが問題ありません。」

肝臓、腎臓、膵臓等はエコー検査を行った。前立線と緑内障のチェックは別に河北病院で行っている、前者はPSA値が4前後であまり変わらず医者からは「半年一回チェックでいい。」と言われている。後者は右で物を見ると歪んで見えるがまだ手術という段階ではないらしい。

質問してみた。「大腸癌の検査は大丈夫でしたか。」女医は怪訝そうな顔をして「今日出していただいた便には血は混じっていませんでした。」

でも心配なのである。恩師の柳田先生はおかしいと思いながら病院に行くのが遅れた。いった時は手遅れて1か月くらいで大腸がんで亡くなった。仮に癌だとしてそこから発生したわずかの血液は便全体に行き渡るものなのか。すり抜けるケースが多いのではないか。

「御心配なのですか。別の病院で診てもらってもいいですね。この病院でもMRI検査ならやっています。しかしあれはポリープが発見されても取るわけにはゆきません。」

大腸がん検査はいつも渋谷の坪水医院でやっている。あそこは下半身麻酔を行って、胃カメラと同じようなチューブを挿入して点検する。必要ならポリープ除去も行う。ただしたしか年齢が進んだ場合付き添いがいるとか言っていた。検査を受けるのも体力が無ければだめだ。今日の新聞にどこやらが尿検査と血液検査でがんの有無を判断する技術を開発したとか。そんな風になればよいのだけれど・・・・・・。

書面による検査結果は後日送られてくる。終って、プリンスホテルのラウンジでサンドイッチとコーヒー、あの胃カメラ検査のおかげでずいぶん疲れた感じがした。

 

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