1409「男の元気と女の存在」(1120日(金)晴れ)

 

ガールフレンドのAさんの73才の誕生日。銀座のレストランで食事をした。ホアグラのソテイがおいしかった。「脂肪の塊」と困った顔をしていたAさんも、おいしければ別、もちろん完食。

TVのニュース。最近近所の悪口などを大音量で長時間流し続けた老人が逮捕された。彼は昔はおとなしく紳士的であったが、数年前に病気の妻を亡くしてからおかしくなったのだそうだ。男性は弱い物だと思う。配偶者と死別したりすると元気がなくなり、時にはこのように精神のバランスを失ってしまう。

そこへ行くと女性は強いケースが多い。亭主がなくなるとしばらくは悲しい様子を見せるが、そのうちに解放されたと感じるのがまえにもまして元気になったりする。

ひとつには孤独に耐える力が女性の方が強いからではないか、と思う。一般的に女性は社会では受動的、そのような環境に生きることにならされているのか。

もう一つはおしゃべり好きではないか、と思う。アカの他人同士で対峙した時に男は親の代からの仇にでもあったかのように口を閉ざし会話が生まれぬケースが多い。人生の初めから稼ぐためか、女性を守るためか、いろいろな目的で戦うことを義務ずけられているからか。「男は外に出れば7人の敵がいる。」というような諺があった。そこに行くと女性は誰だって表面上友達になれる。(・・・・もっとも究極になると分からないけれど)。あらゆる事、男にとっては取るに足らぬことを話題にできる。亭主の愚痴であったり、子供の教育であったり、大根の切りかたであったり、スーパーの安売りであったり、あるいは・・・・。

私の妻は20年近く前に膠原病で他界した。そんな私が幸いにもこれまで元気でやってこられたのは妻の代わりにAさんが見つかったからである。

a君も私と似たような境遇。

彼は若い時に離婚。ところが10歳以上も若い今の彼女を見つけた。仲良く暮らしていたが、其の仲良し度が前にもまして見えるようになったのは、脳梗塞で倒れてからだ。彼女のおかげで早く病院に行くことができ、入院中もリハビリ中も彼女はつききりであった。a君自体も「このままで自分が終ってたまるか。」と頑張った結果、今ではだいぶ回復している。また今日あたりから台湾あたりに二人でクルーズに出かけると言っていた。

一般的な夫婦は男が女と同じ、ないしは数歳年上というケースが多い。しかし男が女に比べてかなり年上でも成り立つケースが多い。あの俳優の加藤茶の場合は彼が72歳で45歳も年下の妻をもらったのだという。結婚の目的はありていに言えば、収入ある男の場合はセックスと身の回りの面倒、女は生活の安定、男の庇護のもとで自由にやりたいのかもしれない。そういう見方をすれば歳の差婚でも構わないのであろう。加藤茶は嫁さんに「僕が早く死ぬだろう。その後は別の良い相手を見つけたらいい。」と言っているとか。それはそれでほほえましい。もっとも歳の差婚は逆は一般的にはお互いの欲望が合致しないから中々成り立たぬ。

今日は午前中彼と食事をした。a君に図星を言われた。

「君も彼女がいるお蔭で生き生きして見えるよ。」

私とAさんは1歳しか違わぬ。その点はa君とは違うが言っていることはその通りだ。それは冒頭の例もそうだし、周囲のそういった状況に陥った男を見てもわかる。

標準的な夫婦(男が女と同じ、ないしは数歳年上)の場合、晩年になればなるほど男は衰え、女は元気で男がそれまでうまく面倒を見ていれば介護を頼めるかもしれぬ。もっとも用済みとすたこら逃げだす冷たい女性もいないではないが・・・・。

ただし男は自分から元気であることをやめてはならぬ、のだと思う。別の知人は柔道の選手であった脳梗塞や脊椎菅狭窄症にかかりまるっきり元気がない。反対に奥さんは元気で娘と亭主の面倒を見るために飛び回っている。その奥さんの助言で彼は大きな家を建てた。23階に息子夫婦を住まわせ、自分たちは一階。理想的だが私は彼自身の生きがいをどうするのだ、と疑問に思った。病気になったとはいえ、まだ元気、彼はもっと戦うべきではないのか。彼は最近更に別の病気も見つかったっとかいう事で元気がない。

少し統計的な話。日本平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳とウエブサイト。

同じ年齢の男女が歳を取ってくると、このおかげで一般的には女性の方が元気で、差が広がってくるように思う。共に60歳の時、残っている人生の割合は比は男/女=(1-60/80.5)/(1-60/86.83)0.825で差は少ないが、75歳になると0.501、つまり男性は女性に比べて半分の余命しかない!

Aさんは「私は体力的に弱い。」など言っていたが、どうしてどうして・・・・。今日の帰りも「おいしい物を食べたのだから、消化のために歩きましょう。」とすたすたと歩いてゆく。私は必死についてゆく。

 

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