1415「小網代の森散策」(1215日(火)曇り)

 

駅前は、喫茶店くらいあると思っていた。ところが京急終点三崎口にはそんな洒落たものはない。集合時間の1時間も前についた私はたった一軒のコンビニでコーヒーなど飲んで過ごした。時間になると三々五々高校同期の仲間が集まり総勢18人。ザックの会という山歩きの会。みなもう74才、来年からは後期高齢者いり。それでも参加者がいつもより多いのは、今日のコースが平地主体で足に優しい事、忘年会を兼ねていることを反映してか。私も実はその一人、最近は時々ひざに痛みを感じる。

三浦半島も宅地開発等で自然が次々失われてゆく様子だが、小網代の森は唯一森が原始のままに保たれているところとか。駅前の国道を進む。大根を干し、大根を売っている。見事に大きいのは三浦大根か。うまそうだが、こんなところで買ったら重たくて仕方がない。反対側が畑。谷を埋めてしまったのだそうだ。はやくも森の入口。浦の川と言えば、格好いいが小川以下の川。この辺の高みの水を集めてゆっくりと海に向かう。ハイキングコースはこの小川に沿った山の道、雑木が多いが、紅葉している木木もおおくそれなりに楽しめる。昔、農家が12件あったとかで、少し人口臭も感じられる。木道がよく整備されている。その木道に落ち葉がつもり足に優しい。維持・管理はボランテイア活動であるとか。ただし一般ハイカーは木道より絶対外には出るな、と注意書き。自然が破壊されるうえ、マムシなどが出てくる恐れがあるそうだ。今年の冬はとりあえずは暖冬。12月というのに絶好のハイキング日和。暖かく股引まで穿いてきた私は暑くて仕方がない。

この辺はアカテガニの棲家らしい。アカテガニはウイキペデイア等によれば東南アジアに広く生息する蟹で、沢蟹の一種位に考えればいいのだろう。はさみが赤いのでそう呼ばれる。普段は湿地や小川の崖などに住み、春になると浜に出て産卵。冬眠をするのだそうでこの時期は見かけられないのが残念。生まれた子達は海で育ったのちまた陸に戻り淡水のもとで一生を送る。自然に詳しいa君によれば、産卵の頃は見ものだが、自然保護の観点から立ち入り禁止になるそうだ。

あたりは海に近づくと、湿原風になり、よし、ガマ、萩などの群生がめだつ。ガマの穂が綿毛に替わり、そこここで種を飛ばしている。あの稲葉の白ウサギが鰐に替われた傷痕を治したとかいうガマ。合唱部に入っているb君が小声で唱歌を小声で歌っている。あしは平安時代まで「あし」と呼ばれていたが「悪し」を連想させるので「よし」と呼ぶようになった、とはb君の解説。「よしのずいからてんじょうをのぞく。」・・・そうならぬよう心掛けたい。

眺望テラスで休憩、昼食。みな思い思いに弁当を広げるがここで事件発生。みなにお菓子を配っていた元気者のcさんが足を踏み外して落ちてしまった。幸い骨に異常はないようであったが、こんなところで私のストックが役にたった。後で皆の間で出た話。本当に足を折って動けない状態になったら、どうすべきだろうか。心臓発作でも起きたらどうしよう。年寄りに山歩き?にはいつもこういう問題が頭をかすめる。

少し向こうに海、ヨットが沢山繋留されている。山から運ばれてきた土砂が堆積した砂地の海岸。dさんが小さな蟹を捕まえた。蟹はdさんの手の上でいろいろポーズを取らされ皆の写真のモデルになったのち解放される。

油壺マリンパークの横を抜けて新井海岸。この地の豪族三浦氏は、16世紀初頭、北条早雲と対立し、新井城をきづいて大軍を相手に3年間にわたって奮戦するも、三浦義同(道寸)を始め将兵は討死に。残る者は油壺湾へ投身し、湾一面が血汐で染まりまるで油を流したような状態になったので後世「油壺」と言われるようになったとされる。もっとも湾内の水面が油を流したように静かだからという説もあるとか。その新井海岸で最後の一服。小さなヤドカリを見つけた。ヤドカリは必死で逃げ出そうとするが、私が手のひらを傾ければ又元の位置・・・・残酷か?

夜は横浜中華街の「慶福楼」なるレストランで忘年会。e君なども駆けつけ、なかなかにぎやかになった。ストック姿のcさんを送って、9時過ぎに我が家に戻った。今日はずいぶん歩いた、万歩計はとうとう20000歩を越えた。それでも今日のザックの会は、坂が少なかったから足が痛くなったわけではない。誰かが「足腰の強さを保つために歩くことも好いが歩数を半分にしても階段の上り下りを行った方がいい。」と言っていた。逆に言えば平坦であれば距離は出せるという事か。風呂に入り体を思い切りリラックスさせる。この数日私は忘年会や詩吟でひどく忙しかった。さあ、これから年賀状も含め正月の準備!

最後に幹事のみなさん、ご苦労様。こういう役を率先してやろうという人が私も含めてだんだん少なくなってくる・・・・・。

後記 その後のメールでcさんはなんとアキレス腱断裂とされ、リハビリを含め2か月の治療とか。老人の怪我は下手をすると一生もの、大事に治療されることを願う。

 

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